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ダラダラ高校生のVRMMOプレイ録  作者: 乙川せつ
前章

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40/65

第40話 昇華(レベルアップ)

閃光の鋭斬(エクス・フローガ)


 飛ぶ斬撃。ただの風圧とも言えないが、今俺の繰り出せる最高の技だ。


 〝火花〟を収斂し、『剣』の魔法で風圧に「斬る」と言う属性を付与。

 それを強化した肉体で放ち、『熱の斬撃』へと昇華させた。


 猪突猛進の効果はアクションの補正と超強化。それによって、本来出来ない筈の必殺技を放てた。俺にはまだ過ぎた技なのだ。




 魔力で構築された剣だからこそ出来た一撃で、ただの鉄剣なら一度の使用で崩壊してしまうだろう。


 俺の魔法が近接、特に刀剣に特化していたことも相まって使えた。ほかの魔導士が使えば制御など出来たものではない筈。


「……………………できた」


 とは言っても、俺とて半信半疑だったのは事実だ。


 いくらAliceが優れた相方とはいえ、いきなり「魔法に聞け」とか言われたら……ねぇ。


「ったく、Alice。少しは説明してくれよな」


 ≫申し訳ありません、マスター。しかしマスターの成長にはこれが一番だったと考えます。


「成長、か。……ありがとな」


 これで、大きな武器を得た。


 オーガの肉体は崩壊し、直撃した上半身は消え去っている。

 影も形もないとはこのことだ。残った魔石はブラッドが美味しく頂いています。


「そういえば、魔石って何なんだ?」


 ゲームみたいって普通に流してたけど、よくよく考えれば謎だ。何故生物の死骸から石がドロップするのだろうか。


 ≫魔石とはモンスターの死後生成される物質で、残っていた全魔力と生命力が圧縮されたものです。


「へーっ……ってことは、それを食べるブラッドも結構凄い?」


 ≫個体名:ブラッドは現在、マスターの七倍程の魔力を有しております。その総量は恐らく、地球上最高でしょう。


「………………ま、マジで?」


『ぷぎぃ?』


「自覚はないのね、なるほど」


 使役してる側である俺の方が少ないのかよ、それって本当に使役できてる?


 ……ダイジョブ?


「ま、いっか。……いてて」


 逝ったあばら骨が痛む。軋むとかじゃなく、完全に折れたなコレ。


 後悔はないが。


 ≫……………………『レベルアップ』を確認。


「えっ?」


 ≫全ステータスに強化が入ります。最低値及び最大値が底上げされます。


「はっ?」


 ≫魔力の最大量上昇、筋力・敏捷の上昇。耐久・技量の上昇……確認完了。


「…………………………何事?」


 ≫レベルアップです。


「……レベルアップって、あのレベルアップ? ゲームとかで経験値が手に入ったらなるやつ……」


 ≫そのレベルアップです。


「そう言われても、何も変わった様子はないぞ。強くなった実感なんて皆無だ」


 ≫レベルアップとは、成長のことです。ゲームのように経験値によって強化されるのではなく、マスターが長い時間をかけてその強さに至ったのです。


 長い時間?


 俺、戦いだしたの最近だよ?


「長くって、そんな時間……」


 ≫マスターが生きてきた、17年の時間です。


「……17年……その時間の結果、俺のレベルはいくつなんだ?」


 ≫――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――…………。


「え、どうした?」


 Aliceが珍しく返答に困っている。いったいどうしたのだろうか……。


 まさか、物凄く高くて言えないとか⁉


 チートか、チートなのか⁉


 いったいどれほどの――――――。


 ≫2です。


「へっ?」


 ……2?


「つー? つぅ?」


 ≫はい、2です。


「…………………………うっそだろぉーーーーー⁉」


 うそでしょ……マジかよ。ショックだ、凄いショック。


「俺、そんな弱かったのかよぉ……」


 ≫ち、違います!


「はい?」


 泣き崩れそうになる俺を慰めるようにAliceの声が響く。

 いいんですよどうせ俺はよわいんですよーだ。


 ≫レベル1とは人間を表します。故にマスターは、人間を一段階超越したのです。


「…………………………人間を超越⁉」


 ついに人外になっちまった!


 オーマイガー!


 ≫神に一歩近付いた、ということです。


「………………オーマイゴッド……」

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