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ダラダラ高校生のVRMMOプレイ録  作者: 乙川せつ
前章

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第23話 エッセンスト・リバレーション

 その連撃は、星屑のように爆ぜた。


 恐らく七連撃、だが私にそれを捌ける自信はない。私を助けてくれた剣士の動きはそれほどまでに美しく、無駄のない形だった。



◇◇◇


「よしっ!」


 上手く〝激烈漸撃〟が決まってくれたな。


 ボスのHPバーは……残り三割!


 今の今まで遠い場所だったが、届く……届くぞ。


「ガイアっ!」


「そぉら!」


 ガイアの盾殴打がボスにヒット。

 頼む、ヘイトを向けてくれ……。こっちに攻撃を撃つなよ?


「双剣術……〝王天一波オウテンイッパ〟!」


 二刀を同時に突き出し放つ刺突剣。いける……このまま!


『グァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』


「うっそだろ⁉」


 回転斬りが迫る。

 この技はフェーズのラストで来るんじゃ無かったのか⁉


まだ間はある筈……!


「【疾走】!」


 文字通り全力で駆け抜ける走り。

 その勢いのままボスの背後に回り込み、《ヴォーパル》でクリティカルを一撃。


「マオ、わりぃ……」


 ガイアのHPがもう限界か。

 だけど今一対一はかなりマズい。


 戦えるのか?


 一人で……いや考えるな!


 楽しむんだろうが!


「まだまだ付き合ってもらうぜ、グレイコボルト・アークナイト!」


 片手剣刺突六連撃、《エンシェント・ヴォーパル》。

 細剣じゃない分、ホワイトさんに速度は劣るがそれでも剣速はボスを上回る。


「せああああああ――――――――――――っっ!!!!」


 最終六撃目。


 ボスの右眼を貫いたその一撃は、気色の悪い感触を残す。


「ふぅーーーーーっ……」


 戦いはまだ終わらない。


 まったく、イヤになるね。ここまでタフだとは……。


 分かり切っていたことだが、コイツは強い。


「超えさせてもらうぜ」


 だが、負ける理由にはならない。


『ギィ……』


 瞬間、ボスが笑った。


 何故だ?


「何か……来る?」


 ボスのHPは残り一割を切った。まさか、これは――――――。


「ギミック……!」


「最後のフェーズは強化されんのか⁉」


「分からん……だが、耐えるしかない!」


『ギ。ガガガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!』


「「⁉」」


 煙が部屋を埋め尽くした。

 そして、ソイツが立っていた。


 鎧を脱ぎ捨て、太かった肉が細く引き締まった―――一人の剣士が。


 《グレイコボルト・アークパラディン》。


 表示されたその名は、明らかな変化を思わせる。


 聖騎士。その名に違わぬ犬人は、俺達に殺意を向けた。


「まずいっ…………!」


「があっ⁉」


 煙が晴れ、俺達がボスを認識したと同時にソイツは動いた。


 ガイアの左腕が吹き飛び、更に本人も壁へと叩きつけられる。


「……」


『……』


 正真正銘、一対一の決闘。


「やるしかないか」


 最後の攻防が近い。


「激烈漸撃!」


 ほぼ同時の七連撃。

 しかしそれは、大剣が変化した騎士剣によって防がれる。


 盾が無い代わりに反応速度が向上しているのだろうか、先刻とはレベルが違うぞ。


「……⁉」


 次はこちらの番だ、と言わんばかりに落ちてくる最上段の一撃。

 

 防げなかったら死ぬ。


 俺が軽戦士ビルドだからだとか、敏捷特化だからだとか関係ない。


 今のプレイヤーレベルでは、全員が死ぬ。


 だから、()()


 双剣術は攻撃だけの技じゃない、無論守りだって考えているさ。


「〝双錬斬魔〟……!」


 ガキンという金属の衝撃音が鳴り響く。

 この技は二段階構成で、片方の剣で威力を弱めもう片方で弾き返すというもの。


 パリィが上手く成功し、聖騎士の体勢を崩す。


「ハァッ……!」


 片手剣四連撃エクシア。


 二撃がヒットするが、残る二撃には対応されてしまう。


 恐らくコイツの特性は【速度及び反応特化】、こちらの利点を上回られたら戦闘も限界だ。


「最後の切り札は、コイツだな……」


 オブジェクト化して取り出したのは、《白き心の遠い石》。


 これの効果時間はたったの10秒、それまでにトドメを刺さなければもう俺に勝機はない。

 相手が速くなったのなら更に上の速度で叩き潰す。


 さあ、フィナーレといこうか。


『アイテムを使用しますか?』


「YES」


 タイマーと共に最後の攻防がスタートする。

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