第16話 会議は踊る、されど?
「皆、今日は良く集まってくれた。
私はホワイト・ガーデンリーダーの《ジン》だ。よろしく頼む」
カルディア中央広場にて、迷宮一層攻略会議が始まった。
彼らも本来なら自分たちの力だけで勝ちたいというのが本音だが、あのボス相手ではそうもいかない。
普段は牽制し合っているクランも、連合を組んで共に戦う。
作戦の指揮を執るのはMAOに迫るレベルを誇るプレイヤー、重騎士ジン。
現状最強の攻略集団の一つ、ホワイト・ガーデンを率いるトッププレイヤーの筆頭だ。
「オレは代破連盟マスター、ジークだ」
「蒼天神界のハガネでございます。」
参加するプレイヤーたちが騒めく。
そこには美しい……金髪の女性がいたからだ。碧眼が宝石のように輝き、周囲の注目を集める。
「ソード・オブ・シャリアのリーダー、アリスです。よろしくお願いします」
シャリアは少数精鋭で、その数はガーデンの半数程度。
一つのパーティ規模だろう。
四大ギルドが揃い、遂に攻略会議はスタートする。
「私たちが挑む相手は《グレイコボルト・アークナイト》。
ここにいる者たちの中にも挑んだプレイヤーがいるのではないか?
出来るだけ情報が欲しい、可能な限り共有してくれ」
「はい」
「アリス君、なにか?」
「シャリアが得た情報を説明します。
ボスの主武装は大剣、そして左手の盾を操る騎士タイプ。配下モンスターはおらず、常に一体となっています。
部屋に入った瞬間に鼓膜がおかしくなりそうな咆哮を挙げ、こちらの攻撃を待ち構えるように待機しますが……」
「随分詳しくまとめていますね、アリス殿」
そう言うのは蒼天神界のハガネ。
かなり年を取ったようなアバターだが、神速の攻撃で敵を圧倒する猛者だ。
「ええ、まあ。私たちはボスに苦汁を飲まされましたから……調べるのは当然でしょう?
続けます。
ボスの攻撃は基本的に上段、薙ぎ払い。刺突は確認できていません。
そして必殺となるのが、フェーズ毎の回転二連撃。これを躱すのは非常に難易度が高いので、タンクの方に防いでもらうか……パリィに長けた方が弾くしかないでしょう。
しかし後者に関しては出来る人の方が少ないでしょうから、考えないように」
「………なるほど、スタイル自体は他のゲームでもありふれたものだな。
問題はHPの多さ、防御力、必殺といったところか」
「よし、それに合わせた隊列と陣形を組んでみましょう」
「賛成です。パリィは最悪の場合、儂がやってみせますのでお任せを」
「ハガネさん……頼みます。それでは各班のメンバーを伝えます、各自メモを忘れないように」
そうして会議は進んでいき……。
「ジンさん」
「どうかしたかな、アリス君」
「彼……マオさんはまだ……?」
「ああ、未だに断られているよ。
彼のレベルは把握したが、非常に欲しい。ガイアという彼のフレンドも実に面白いよ」
「フレンド……彼がコンビを組んでいると?」
「そう聞いているが……なにか?」
「………………いや、別に…………ありがとうございます」
彼女は口を尖らせ、拗ねているような様子を見せた。
ジンは彼女とマオの関係も調べてみよう、と考える。
「決行は明日の20時00分、各員遅れないように!」




