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第2549話、わたくし、何とついに『魔物と魔石の関係』を完璧に解明できましたの☆(その3)

 ──もう、『失った彼女』そのものを求めるのは、諦めた。


 ──もう、自分だけを愛してくれる、『幼馴染み』のことは、諦めた。




 そこで私は、私と彼女の人生を、『やり直す』ことにしたのだ。




 つまり、彼女だけでは無く、『自分』自身も含めた、『子供の頃の二人』を、『召喚=創造』して、私自身はあくまでも『父親』として、二人を育てることにして、




 二人が『幼馴染み』同士として、自然に愛し合うように、仕向けることにしたのである。




 この計画は、思いの外うまく行った。


 それも当然である。




 すべてを『真っさらに作り直した』二人には、『過去のしがらみ』なぞ微塵も無く、すべてを最初から育むことができたのだから。




 二人は私の創造物でありながら、あくまでも本物の人間であり、本当の我が子として接して、深い森の中で、世間とは隔絶した環境にありながら、十分な教育を施していった。


 特に、『召喚術』を使えるようにすることで、私に何か有っても、二人で生きていけるように取り計らってやった。


 確かに私は、『私のティファ』を取り戻すことはできなかったが、これで十分満足できた。


 この二人が、『私とティファの人生』を、やり直してくれるのである。


 そんな幸せなことが、他に有ろうか?


 ……そもそも、すべての元凶である私が、ティファを無理やり甦らせて、人生をやり直して、幸せになろうなんて、虫が良過ぎたのだ。


 そう自分に言い聞かせながら、二人の成長をずっと見守り続けて、そろそろ十代半ばの『成人』へと差しかかった頃、もはや『お役御免』とばかりに、私独り密かにこの地から立ち去ろうと、決意したところ、




 ──事件は起こったのであった。




   ☀     ◑     ☀     ◑     ☀     ◑




 ……実はこの広大な森には、外界の各勢力からの接触を排除するために、強大な召喚獣を多数放っていた。




 もちろん、私や子供たちには手出ししないように躾けていたのだが、『召喚術士』として自信がついてきた、『私の分身』が、とんでもない失策を犯してしまったのだ。




 屈強な召喚獣の一体に対して、一度集合的無意識とのアクセスを遮断してから、自分のしもべとなるように、情報を書き換えようとしたのである。


 だがしかし、私に比べて『分身』のほうは、あまりにも未熟だったのだ。


 集合的無意識とのアクセスが途絶えて、いきなり『自由の身』となった召喚獣は、もはや『分身』のコントロールなぞ受け付けず、あっさりと彼を惨殺してしまった。


 それに対して、身の内の魔力をすべて『防御』に徹したティファのほうは、何とか攻撃を免れていたが、もはやじり貧状態であったところ、異変に気づいた私が駆けつけてきて、どうにか間一髪で危機を脱したのであった。




 ──そう、まさしく、『間一髪』であったのだ。




 本来なら、私が召喚獣を、もう一度集合的無意識とアクセスさせれば、それで済む話であった。


 しかし、今にも召喚獣の大木のような前足が、ティファに振り下ろされようとしているのを見てしまっては、そんな余裕なぞ無く、自分が身替わりとなって致命傷を負うしか無かったのだ。




 ──皮肉なことにも、私の生命力=魔力が大幅に弱まった途端、私のオドで中核が構成されていた召喚獣も、肉体自体を維持できなくなり、あっと言う間に消滅してしまった。




 ……傍目から見たら、何と言う馬鹿なことをしたものであろうか。




 自分の命を懸けて守ったのは、あくまでも『召喚物』なのだ。


 私の『分身』もろとも、改めて召喚し直せば、それで済む話では無いか。




 ──だが、そんなことなぞ、私にはできなかった。




 私にとって、『このティファ』こそが、自分の『本物の娘』になっていたのだ。




 ……だから、これでいいのである。


 今度こそ、私は間違えなかったのだ。


 ティファには、一人でも生きていけるすべは、十分に叩き込んである。


 仮に独りが寂しければ、伝授した『召喚術』で、いくらでも仲間を増やすことができるであろう。


 だから、最愛の『娘』の身替わりに死のうとしている私は、何も間違っては──







「──どうして、こんなことをしたの!




 私、こんなことされても、全然嬉しくは無いわ!




 私は、『召喚物』でも、『娘』でも、無い!




 あくまでも『一人の女』として、あなたのことを愛していたのに!」







 え?







「……あなたが今も、『本物の私』のことを想っているのは、知っている。私は彼女の『身替わり』でも無く、あくまでも『娘』と見なされていることもね。




 ──でも、こんな私にだって、『心』は有るの!




 ──あなたに対する想いだって、けして『つくりもの』なんかじゃ無く、『本物』よ!




 ──あなたを、私の手によっていつの日にか、本当に『幸せ』にしたいと思っていたのに!」







 ……何だと?


 ……つまり、私は、




 ──また間違って、しまったのか?




 ……結局、すべては、自分の都合ばかり優先して、生命をもてあそんだだけだったのか?




 ……相手のことを想っているように思い上がりながら、相手にもちゃんと、『想い』が、『心』が、『欲望』が、有ることに、全然気がつかなかったなんて。




 ……これじゃあ、『召喚術士』失格、




 ──否、




『人間失格』じゃ無いか。




 ……だがもう、すべてが遅かった。




 もはや気力も体力も魔力も、尽き果てようとしている私は、




 今更になって、『相思相愛』であることを知った少女の腕の中で、事切れるしかなったのである。




   ☀     ◑     ☀     ◑     ☀     ◑




転生法ちゃん「……おお、三話も続いた【突発短編】なんて、久方振りの『大作』よね? どうしてこんなのを急に、ぶっ込んできたの?」




ちょい悪令嬢「事の発端は、サブタイトルに示しているように、今期夏アニメの注目作の一つである、『ヘルモ○ド』を見ていて、『魔物と魔石との真の関係』と言うものが、解明できたからなのですよ」


転生法ちゃん「ほう?」




ちょい悪令嬢「──それを起点にして、更に発想を飛躍させることで、むしろ魔物だけでは無く、森羅万象すべてが、『魔石』を中心に構成されているのであって、魔石とは『内なる魔法要素たるオド』であり、その周囲に『外なる魔法要素たるマナ』が集まってきて、魔物の肉体や、各種の魔術的現象を象っているのであり、『ヘルモ○ド』にも描かれている『召喚術』とは、術士が自らのオドと周囲のマナを使って、召喚獣を(『召喚』ならぬ)『創造』しているわけで、実は神様レベルの『万物創造』のスキルであることに思い当たったのです!」




転生法ちゃん「──何ソノ、壮大すぎる『連想ゲーム』は⁉ 下手すると、『天地創造』まで行き着きそうじゃん!」




ちょい悪令嬢「まあ詳しくは、次回以降の【解説編】をご覧になってくださいませ」


転生法ちゃん「いやでも、肝心の【突発短編】は、そんなに壮大な内容じゃ無かったのでは? 確かに主人公は『召喚術士』だったし、『万物創造』みたいな力は有していたみたいだけど、そんな神様そのままの力が有ると言うのに、何もかも『うまくは行かないまま』終わってしまったじゃないの?」







ちょい悪令嬢「むしろ、神ならぬ身で、そんな大それた力を振るったからこそ、罰が当たったのですよ」







転生法ちゃん「──ッ」







ちょい悪令嬢「自分自身人間のくせに、『人間』そのものを創ろうとしたり、『死者』を甦らせようとしたりなんて、おそらくほとんどの宗教において、『天罰』レベルの『禁忌タブー』でしょう」




転生法ちゃん「……つまりは、召喚術を極めれば『万物創造』に行き着くかも知れないけど、そんな『大き過ぎる力』は、人間のポテンシャルでは持て余してしまうってこと?」




ちょい悪令嬢「相手が『召喚獣』であれば、ただ従属させればいいし、相手の『自我』なぞ気にする必要は有りませんが、新たに生み出すにしろ、死人を甦らせるにしろ、『人間』相手には、そうもいきませんからね。自分に都合良く自我を歪めたのでは、もはや『かつての自分にとっての最愛の相手』では無くなってしまうし、不幸な最期を遂げた時のままの自我を与えたんじゃ、せっかく甦らせたのに、精神的に不幸なままになってしまいますからね。うまく行くはずが無いのですよ」




転生法ちゃん「……しかも、いかにうちの作者の根性がねじ曲がっているかと言うと、召喚術士のほうがついに諦めて、かつて亡くしてしまった恋人を、真っさらな状態で甦らせて、あくまでも『娘』として育てて幸せにしようとしていたところ、自分の召喚獣が暴走した際に、『娘』を庇って致命傷を負ってしまうんだけど、何とそこで『過去のことを何も知らない』はずの『娘』が、自分に対する愛を告白してくるなんて、むちゃくちゃ皮肉に満ちた幕切れにしやがるんだよねえw」




ちょい悪令嬢「まあ、作者の根性が曲がりきっているのは、言うまでもありませんが、そのような『悲恋モノ』も切なくていいですからね。今回の【座談会】のテーマとは、少々ズレているかとは思いましたけど、思い切って作品化してみましたの☆」

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