第2492話、わたくし、クラスで2番目に人気な女の子と友達になりましたの☆
「──じゃあ、私だけ電車の路線が違うから、ここでお別れだね。マック君、ひるまちゃん、また明日!」
まさに『天真爛漫』を絵に描いたようなクラスメイトの女の子が、笑顔で手を振りながら別れの挨拶を投げかけてきた。
「お、おう」
「ソラちゃんも、また明日♡」
そんな眩しすぎる彼女に対して、しどろもどろに挨拶を返す俺に引き換え、余裕綽々でにこやかに返事する、すぐ隣に寄り添っている、もう一人のクラスメイト女子。
……さすがは、他称『クラスで1番目に人気な女の子』様であられることよ。
そのように心の中で愚痴りながらも、二人連れ立って、丁度ホームに滑り込んできた電車へと乗り込む。
夕方のそれなりに混んでいる車内の中ほどで、肩が触れ合う距離でお互いにつり革を握って立っていながらも、別に会話一つ交わしはしなかった。
……俺が興味が有るのはあくまでも、『クラスで2番目に人気』の暁月ソラさんのほうだからな。たとえ隣に立っているのが『クラスで1番目に人気な女の子』であろうと、わざわざ言葉を交わす必要も無いだろう。
──て言うか、女の子に向かって、『1番目』とか『2番目』とか言っていること自体が、失礼なんじゃ無いのか?
高校生になって初めてのクラスが、こんなくだらない『女子の順序づけ』をしでかす男子しかいないことに、めまいを覚えるほどに怒りを感じた。
もちろん俺自身は、ソラさんのことを好きになったのは、『2番目』だからとかの、馬鹿げた理由なんかじゃない。
彼女の、誰に対しても分け隔てなぞ一切しない、あけすけの『親しみやすさ』に、大いに好感を覚えたからなのだ。
……それに比べて、今すぐ隣にいる、クラスメイトのほうは、どうだ。
確かにとても一般庶民とは思えないほど絶世の美少女だし、成績も新入生代表に選ばれるくらい超優秀だし、コミュニケーション能力もずば抜けていて、既にスクールカーストのトップに君臨し、完全にうちのクラスを掌握しているしで、『完璧超人』であることは間違い無いだろう。
──ただし、俺は知っている。
こう言う手合いは、一見『人当たり』が良さそうでいて、『本物』のソラさんとは違って、あくまでも『上辺』だけであり、
心の底では、他者を見くびっており、策を弄して手玉にとろうと企んでいて、
下手に気に入られてしまおうものなら、一生粘着されかねない、言うなれば『蛇』みたいな女なのだ。
……そのようなことを心の中で思いつつ、家の最寄りの駅で降り、夜道を歩きながらも、相変わらず俺たちは肩を並べて歩いていた。
もうそろそろ俺の家が見えそうになってから、俺は我慢の限界を迎えて、とうとう口を開いてしまった。
「──おい、今日は一体、どういうつもりなんだ?」
そんな俺の詰問じみた台詞にも、少しも動じること無く、平然とし続ける隣の女。
「あら、園崎君、学校では他人の振りをしろって話だったけど、いいのですか?」
「もうこんな家の近くでは、他のクラスメイトの目も無いだろ?」
「ふうん、それで、『どういうつもり』とは?」
「『ひるま』のことだよ⁉」
「……私が、どうかした?」
「えっ、いや、違う! ──紛らわしいな⁉」
「ふふ、オリジナルの名前が『夕』だから、ちょっとひねって『アサ』とか『まひる』とかにしたかったんだけど、『アサ』だと、同じ本年度春アニメスタートの『黄泉のツ○イ』と被るし、『まひる』だと、またまた春アニメの『お隣○天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』に被るもんで、苦肉の策として私の名前を、『ひるま』にしたのよねw」
「やかましい! ──とにかく学校でのことだよ⁉ 何でせっかくソラさんと仲良くなって、お昼ご飯を一緒にしようとしたのに、おまえが割り込んでくるんだ⁉」
「そりゃあ、私もソラちゃんの友達になったからよ。『1番目』の私が『2番目』の彼女と友達になっても、おかしくは無いでしょ?」
「……こ、こいつ、自分が『クラスで1番目に人気な女の子』であることを、自認しているだとお⁉ 相変わらず、何て嫌な女なんだ!」
「うふっ、お褒めに与り光栄よ♡」
「──褒めてねえよ!…………………いや、こいつの歪んだ性格からすると、褒めていることになるのか?」
「さすがは、『幼馴染み』! 私のことは、何でもお見通しね♡♡♡」
「ふざけるな! 好きでこうなったわけじゃねえ! それからいちいち語尾に『♡マーク』を付けるな、うっとうしい!」
「またまたあ〜。好きだからこそ、こうなったくせに。マックは子供の頃から、私のことが『大好き』だからね♡」
「──わかった! おまえ『クラスで2番目に可愛い女○子と友だちになった』の『1番目の女の子』じゃ無くて、『アホガ○ル』だろう⁉」
「失礼な、学年一の優等生に向かって、『アホ』は無いでしょう」
「頭脳と言うよりも、『幼馴染みに対する執着』と、その底なしの『自己チュー』なことを言っているんだよ⁉ ──いいか、俺は『高校デビュー』をするって、決めているんだ! 幼馴染みだったら、少しは協力しろ!」
「してるじゃん。マックが『クラスで2番目に人気な女の子』に粉をかけると言う、身の程知らずなことをやろうとしているから、サポートしてあげているのよ」
「……何だと?」
「どうせ、『友達』と言うのはあくまでも建前で、あわよくば『彼氏彼女』になろうとしているんでしょ?」
「うぐぅッ⁉」
「そう言う浅ましい願望がミエミエのマックが、気が急いて先走りし過ぎて、ソラちゃんに嫌われないように、私が一緒にいてフォローしてやろうと言うわけ」
「……それが本当なら助かるけど、本当に本当なんだよな? 何か企んではいないよな?」
「ええ、もちろん。──『私の持ち物に手を出す泥棒猫には死ぬほど痛い目を見せるし、鈍感主人公を気取る愚かな幼馴染みにもキツくお灸を据えてやる★』なんて、つゆほども思っちゃいないわ♡」
「──いきなり、すべてを白状するなよ⁉」
☀ ◑ ☀ ◑ ☀ ◑
メリーさん太「……おいおい、またしても『クラスで2番目に可愛い女○子と友だちになった』ネタかよ? いい加減にしないと怒られるぞ?」
ちょい悪令嬢「違いますよ、作中でも述べましたが、実はあれって『アホガ○ル』なんですよ」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「丁度先日公式チャンネルにて、『アホガ○ル』の全話一挙無料配信が行われていたから視聴したところ、むちゃくちゃ面白かったのです!」
メリーさん太「ああ、そういえばうちの作者って、同じ原作者様のアニメ化作品の、『カノジョ○彼女』もむちゃくちゃ評価していたっけ」
ちょい悪令嬢「本作の作者は、『学園ラブコメ』は基本的には苦手としていますが、『ギャグ作品』は別なのですよ。『アホガ○ル』や『カノジョ○彼女』以外でも、『生徒会役○共』や『月刊少女野○くん』なんかも大好きですからね」
メリーさん太「同じ『学園恋愛モノ』なのに、『コメディ』と『ギャグ』とで、そんなに違うものか?」
ちょい悪令嬢「『ギャグ』って、どのキャラも『容赦が無い』のですよ」
メリーさん太「は?」
ちょい悪令嬢「ここで大原則を一つ、『──恋愛とは、闘争である』。その『闘争』において『ヌルゲー』をやっているのが、『ラブコメ』であって、あれって作者が能無しであるほど、ラストに『本命ヒロイン』を勝たせるために、2番手以下の『幼馴染みヒロイン』に、自ら身を引かせたりするでしょ? その御都合主義さ加減に、反吐が出そうになりますわ」
メリーさん太「……ああ、まあ、言いたいことはわかるよ。そう言った展開は、読者からも叩かれ気味だよな」
ちょい悪令嬢「それに対して、『アホガ○ル』の貪欲さはどうです! 『幼馴染み=負けヒロイン』のお約束なんか、どんな手を使ってもぶち壊してやると言う、気概の程は見上げたものですよ!」
メリーさん太「な、なるほど、『負けヒロイン』がどうしても勝つためには、世の常識どころか、相手の気持ちすらねじ曲げて、実力行使でもって、とにかくGETした者勝ちってことか?」
ちょい悪令嬢「そもそも『ギャグ作品』なんだから、ヒロインのみならず、登場人物のほぼ全員が、『人格破綻者』ばかりですからね。別に遠慮する必要なんて無いのですw」
メリーさん太「そこら辺のところが、原作者のヒ○ユキ先生の上手いところだよな。特に『カノジョ○彼女』なんかは、倫理観的にはとても褒められない内容だけど、全主要キャラは元より、作品自体が狂っているから、見ている読者や視聴者も、その勢いに流されてしまうんだよなw」
ちょい悪令嬢「──そう言うわけで、『2番手』とか『レプリカ』とか、気をてらったモチーフを使うくらいだったら、いっそのこと『ギャグ調』にしてはっちゃけたほうが、よほど面白い作品になるかと思うのですが、読者の皆様はどうお考えでしょうか? むしろギャグ調の『レプ○カだって、恋をする。』なんて、見てみたいとは思いませんか?」
メリーさん太「……ギャグ調の『レプ○カだって、恋をする。』って、具体的にはどんなのだよ?」
ちょい悪令嬢「自分から逃げ回る幼馴染みの男の子を、無数のレプリカで捕まえてモノにするとか? それともせっかく同じ魔法学院に入学したのに、寄宿舎では男女別々になってしまったから、性別が自分とは逆のレプリカを創って、無理やり主人公と同室になるとか?」
メリーさん太「──『杖と剣のウィスト○ア』じゃねえか⁉」
ちょい悪令嬢「……ここで、重大発表をいたします。今回の本編終了後に本作の作者がWeb上で調べたところ、何と『アホガ○ル』のメインヒロイン(つまり正真正銘の『阿保少女』)である、花畑よ○こ嬢の『中の人』は、
──かの『悠○碧』さんであられたのです☆」
メリーさん太「──はああああああああああああ⁉ 何だってえ!」
ちょい悪令嬢「わかります、そのお気持ち。とても鹿目ま○かちゃんや猫○ちゃんや蜘○子さんとは思えない、ガチでアホな現役女子高生っぷりを演じきっておられて、しかもシリアスシーンもたまに有るのですが、そこでも某『ラインの悪魔』さんとも似ても似つかぬ怪演ぶりで、とにかく『……声優さんてすごいんだなあ』と言う他はありませんでした★」




