第2484話、わたくし、実はレプリカは『トカゲのしっぽ』のようなものだと思いますの★【つまり自己再生の外部化】
「──スナ○先輩⁉ いやあああああああああああああ!!!」
人気のほとんど無い、休日の学校の部室棟にて響き渡る、文芸部の後輩女子の悲鳴。
「──よし、『オリジナル』を殺ったぞ! これで『レプリカ』どもも、一網打尽だ!」
その言葉通りに、次々に消滅していく、スナ○の『レプリカ』である、無数の『ナ○』たち。
某国の最強かつ最凶の暗殺部隊『81ピンイン』の凶刃によって倒れ伏し、血の海に沈んで微動だにしない、愛川スナ○嬢は、明らかに致命傷を負っていた。
「『レプリカ』による不死身の軍隊なんて言う、非人道的なことなんて、絶対に許されないのだ! この『秘密実験』に関わった者は、根絶やしにしてやるから、覚悟しろ!」
「ひえっ⁉」
プロの人殺しの冷徹な言葉を突きつけられて、堪らず悲鳴を漏らす、たまたまこの場に居合わせただけのただの一般人である、スナ○の後輩の女子高生である『り○ちゃん』。
──まさに、その時であった。
「……出て来て」
とうに息を引き取ったはずの少女の唇からこぼれ落ちた、つぶやき声。
──それが、『真の地獄』の始まりであった。
「──うぎゃッ⁉」
「──がはッ⁉」
「──ぐえッ⁉」
鮮血をまき散らしながら、次々と倒れ伏す、特殊部隊員たち。
その背後には、消滅したはずの『レプリカ』のナ○たちが、忽然と現れていた。
「──レプリカが、また現れると言うことは、まさか⁉」
生き残りの兵士たちが、思わず振り返れば、全身真っ赤に染め上がったスナ○が、自らの血の海から身を起こし、すっくと立ち上がっていた。
「──そんな馬鹿な! 確かにあのオリジナルの娘は、念入りに殺したはずなのに⁉」
「……ええ、むちゃくちゃ痛かったです。──なので、今から皆さんにも、同じ思いをしていただきますね?」
「「「ひいッ⁉」」」
情け容赦なく、次から次へと湧いて出てくる『ナ○』に、みじん切りにされていく特殊部隊員たち。
何せ『レプリカ』のほうは、いくら切り刻まれようが、銃器で蜂の巣にされようが、痛痒にも感じず襲いかかってくるので、為す術が無かったのだ。
「──やはり、オリジナルだ! あの娘を今度こそ、完全に息を止めるんだ!」
どうにかまだ無事な特殊部隊員たちが、四方八方から銃撃して、スナ○の華奢な肢体を蜂の巣にした。
「──スナ○せんぱああああああああああい⁉」
その場に轟き渡る、後輩女子の悲鳴。
……いや、り○ちゃん、あんた今回の冒頭から、そればっかりだな?
再び血だまりに倒れ伏す、ただの女子高生であるはずの少女。
しかし今度は、彼女のレプリカたちは消えもせずに、そのまま攻撃を続行したのである。
そしてそのうち、あれだけ重症を負っていたはずのスナ○自身も、平然と立ち上がるのであった。
「──どう言うことなんだ、一体⁉」
「オリジナルのほうは、レプリカと違って、ただの人間では無かったのか⁉」
もはや半狂乱となって、叫び続けるしか無い、屈強なる戦士たち。
「……おまえら、馬鹿か? そもそもレプリカなんて生み出すやつが、ただの人間であるはず無いじゃん?」
「「「え?」」」
いかにもあきれ果てたかのような、相変わらず全身自分の血だらけの少女の言葉に、思わず動きを止める特殊部隊員たち。
「不死身のレプリカのオリジナルである私が、同じように不死身であっても、別におかしくは無いでしょう?」
「「「──いやいやいや、レプリカを生み出せるからって、本人まで不死身であるとは限らないだろ⁉」」」
「同じことよ、レプリカは私が創り出しているのよ? 細かく言えば、ナ○の右腕は間違いなく私が創ったわけで、だったら私自身の右腕が傷ついた場合には、レプリカの右腕を創った時と同じ要領で、自分の右腕も『自己修復』すればいいじゃん?」
「「「……レプリカの右手を、オリジナルが創っている?」」」
「おいおい、本体の私以外の誰が、私のレプリカを創っているって言うのよ?」
「「「つまりその力を、自分の肉体の『自己再生』に利用したと?」」」
「いや、むしろ話は『逆』かな」
「「「『逆』と、おっしゃいますと?」」」
「そもそも、『レプリカ発現能力』自体が、『無限の自己再生能力』の『外部化』だったわけ。つまり自分の肉体の修復を、自分の身体の内部でやるか、外部でやるかの違いであって、基本的にはやっていることは同じなの」
「「「……ええと、馬鹿は馬鹿なりに理解しようと努力いたしますと、大怪我をした時には、当然自分の肉体を再生するけど、健康な時にこの力を使うとしたら、自分の肉体以外に、まさしく『分身体』として、新たな『自分の肉体』を生み出せることになるわけですか?」」」
「そうだね、ちょっとグロい話になるけど、トカゲのしっぽの再生能力で言うと、実際にしっぽが切れた時では無く、ちゃんとしっぽが付いている時に、再生能力が『誤作動』してしまって、『しっぽが二本』になるようなものかな?」
「「「──すげえわかりやすい例え、ありがとうございます!!!」」」
「「「──ええっ、私たちって、『トカゲのしっぽ』みたいなものだったわけえ⁉」」」(レプリカ一同)
「──と言うわけで、私のような『レプリカのオリジナル』も、レプリカ同様『不死身』なわけで、レプリカを敵に回したあんたらは、私たちに殺されるしか無いわけよ」
「「「そんな、ガチで『不死身の軍団』だったわけ⁉ そんなもの、勝ち目が無いじゃん⁉」」」
「……まあ、核兵器でも使って、レプリカすべてをオリジナルもろとも焼き尽くせば、ワンチャン有るかもね」
「「「核戦争を起こして、下手すると人類そのものを滅亡させかねない、危ない橋を渡らないと、レプリカを殲滅させることができないのかよ⁉」」」
「むしろ『レプリカ』のほうが、核兵器なんかよりも、戦略的かつ戦術的に有効かもね。何せ『レプリカ』を生み出すことのできる『オリジナル』を、一人でもいいから敵国の中枢に潜り込ませるだけで、後は無限に『レプリカ』を生み出して、『自爆特攻』でも何でもやらせれば、都市機能を完全にマヒさせることだって可能ですからね」(※某作品の設定では、『レプリカ』が出現する際には、『オリジナル』の衣服等も複製するそうなので、服のポケットに超高性能小型爆弾を忍ばせておけば、『レプリカ』の数だけ無限に複製できるのだ!)
「「「凄いぜ、『レプリカ』! こりゃあ『学園ラブコメ』なんかで遊ばせておくのは、もったいないぜ!」」」
「……いや、うちはむしろ『学園ラブコメ』をベースにしているから、まだマシなのよ? 剣と魔法のファンタジーワールドである『杖と剣のウィスト○ア』なんて、分身一人一人が自律行動をとれるとともに、それぞれ別系統の魔法攻撃ができたりするんだから、ガチで世界征服をなし得たりしてね★」
「「「ただの女子高生のレプリカだって、我らのような特殊部隊が手を焼いているのに、魔法使いが分身したりしたら、もはや無敵なのでは⁉」」」
「そう、『分身』とか『レプリカ』とか言うと、あまり大したことがないように思えるけど、これってある意味『人体錬成』と言う、『異能スキル』的には『神様レベル』の禁忌の技なのだから、自分自身に応用すれば、『不老不死』と言う、ガチの最上級のチートスキルにもなり得るわけなので、このまま私たちが異世界に転生したり転移したりしても、『最強』になり得ることは、けして不可能では無かったりして☆」




