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魔王様の溜息  作者: 黒筆猫
第7章 召喚の儀?
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「つまり、対になっている魔法具から送られてくる書状を、受け取るだけって事?」


 アルフレッドからの贈り物の、説明を聞いている所です。見た目はなんと言うか、変な模様の箱です。


「はい、こちらの魔法具は書状1枚までならば、どんな遠距離でも届き、送られて来た事を明滅して知らせるようになっているそうです」


「書状1枚って、それ以上の大きなの物は無理なの?」


「はい、書状1枚を送るのにも多大な魔力を消費するそうで、1回送れば魔法使いが1日かけて魔力を補給する必要があるそうです」


 それはちょっと残念ですね、それなりの大きさの物を送ることが出来れば、前の世界の宅急便よりも凄い輸送方法になるんですけどね。


「こっちからは送れないの?」


「送る為の魔法具は重要機密でシーリン国のでも、ある程度の地位にいる者しか見ることも出来ず、受け取りのためのこちらの物は、受け取る為の目印と中に何かが入っていると明滅する機能しかないそうです」


 うーん残念、送る機能があればこっちでも研究できたかもしれないのに。重要機密では仕方ないですね。


 後は何処に置いておくかですね。使った後にかなりの魔力を補給しないといけない道具です。送られてきたのに、誰も気がつかなかったら勿体なさ過ぎです。


「何処におこうか?」


 私はその場にいる、サーナ、シャーナン、アヴァに相談しました。


「執務室でしたら、ミナ様か私、それに補佐官がいる可能性が高いかと思われますが?」


 まずは、シャーナンがそんな提案をしてきました。


「それですと、夜間に送られてきた時、誰もいませんよ」


 アヴァは、夜に送られて来たときの事を、気にしているようですね。


 それはそうですね、わざわざこれで送ってくると言うことは、急使を送るよりも早く知らせたい時です。みんなが眠った時に届いて朝に受け取るなら、急使で間に合います。


「なら、夜間は誰ぞに見張らせればよいだろう」


 サーナが、そんな簡単なことに何を言っているんだ、という感じで答えました。


「ミナ様の執務室に、夜間とはいえ1人でか? いや2人以上だとしても、日頃ミナ様が使用されその香りが染み付いている部屋に、しかも夜間に待機するのは危険であろう。私は、正気でいられる自信ないっ!!」


 ・・・・・・は? シャーナン、何を言ってるの?


「ミナ様の残り香の漂う部屋に、夜間に待機・・・・・・確かにっ!」


 ちょっと、サーナまで何を納得してるのっ?!


「そうじゃっ! その夜間の待機は、慣れておるわたしが担当しようっ!」


 ちょっとシャーナン、それっていつ寝るの?


「いやっスルネイト殿! 日中の勤務で疲れておるのだろう? 我が担当しよう!!」


 だから、サーナもちょっとね・・・・・・


「それなら一番若い、わしが担当しようっ!」


 バタンッとドアを開けて、ガリアが入室しながら声を上げた。


 ちょっとガリア! 何処から聞いてたのか教えてくれる?


「皆さん、少々落ち着きが足りませんよ」


 ガリアに続いて入ってきたイルが、みんなを止めようとしてくれています。ああ、よかった。イルは落ち着いていますね。


「そのような麗しい役目、私以外の何者が出来ると言うのでしょう? いいえっ、居るはずがないのですっ!!」


 ああ・・・・・・イルもなのね。


「ねえアヴァ」


「いかがなさいましたか?」


 われ関せずを決め込んでいたアヴァが、目の前の様子が見えていないように、落ち着いた声で返事を返してきました。


「何かいい案ないかな?」


「いくらでも有りますよ」


「どんなの?」


「一番簡単なものでしたら、専用の部屋に置き、担当者を、そうですね・・・3交代で配置すればよいかと思われます」


「じゃあ、任せるからやっておいて」


「承りました」


 落ち着いて受け答えをするアヴァに、いつも癒される気がしています。


「疲れたから休憩してくる」


「お気をつけて」


 深く礼をしたアヴァと、4人の喧騒を部屋に残して、中庭に向かうことにしました。


 抱っこして運んでくれる人がいないと、この城はとても広くて中庭まで行くのでも時間がかかります。


 なんて言うんでしょうか、あの4人は隠さなくなったと言いますか、たがが外れてきたと言いますか、どうにかして欲しいです。


「はぁ」

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