表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘレナとウィル〜隣国の王子と交わした約束〜  作者: シャルru


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
58/79

58.楽しい日々


 夏休みいっぱいアルベルトに滞在し、

 フェルラーに戻ったヘレナ。


「ヘレナ、ゆっくり旅行出来た?」


 レイチェルはずいぶん日焼けして帰ってきた。

「お土産も沢山かってきたから、一緒に食べよう」


 午前中からレイチェルの部屋で土産話をずっと

 聞いている。楽しくてまた話し足りない。


 ホッとした。

 大声で笑ったり、驚いて叫んだり…

 どんな格好でいたって気にならない。

 この夏一度もない事だった。

 

 ——ああ、楽しい!

 

 レイチェルの夏休みが、どれ程楽しく、充実した

 ものだったかがよく伝わってきた。

 

「それで、ヘレナはどこいってたの?」

 レイチェルは、ヘレナの話にも興味津々だ。

 

 すこし…間があいてしまう。

「それがね…。アルベルトへ行ったのだけれど

 すぐ体調を崩してね。結局夏休み中、自宅で過ごし

 たのよ」


 友達と共有できないことの苦しさ。

 それは学園にいた時も同じだった。


 けれど今回は……ウィルとの違いを感じて

 しまった。


 その日は遅くなってもまだ話が尽きず、

 レイチェルの部屋にそのまま泊まる事にした。


 レイチェルに会えてよかった。



 翌日から早速授業が始まった。


 夏休みの間、全く勉強をしなかったヘレナは

 一瞬で周りとの差を感じた。


 また、ここでも居心地の悪い生活。

 ぐっと胃が締まる感覚。


 遅れを取り戻すのに、毎日遅くまで勉強した。

 私が今いる世界はここなのだから…。

 この世界は、自分の足で生きているのだから…。


「ヘレナ嬢」

 ふと校内で声をかけられた。

 振り返ると、すこし複雑な表情の先生がいた。

「…カイ先生!お久しぶりです」

 いつもの笑顔で答えた。

 

 カイ先生は、ヘレナをしばらくじっと見ていた。

「……どうした?少し痩せたか?顔色も…」


 ヘレナはアルベルトから帰国後少し痩せた。

 それは疲れもあったはずだが、

 フェルラーで勉強にかなりの時間を取られ、

 どんどん痩せていたのだった。


「……夏は…毎年痩せてしまうんです」

 そう答えてごまかす。

 

「そうか…それなら大丈夫か?大切にな。

 ところで、また手紙だ」


 差し出された手紙を見つめたまま、指先が

 少し止まった。

 それにカイ先生が気付いた。

 

「初めてのことは皆、誰でも戸惑う。仕事も同じだ。

 よい経験だと前向きに考えるんだ」


 カイ先生に励まされ、笑顔が戻った。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ