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ヘレナとウィル〜隣国の王子と交わした約束〜  作者: シャルru


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51/79

51.そのままで

 「ウィル…ごめんなさい。私…。」


 しかし、ウィルはヘレナの言う通りだと思った。


 初めての場所なのに…育ってきたかの様に

 振る舞うなど。

 

「やはり急過ぎたんだ。負担になっているはずだ。

 アルベルトを楽しんで欲しかったのに…。

 ヘレナに辛い思いをさせたくないんだ…」


 ——しかしヘレナは…。

 

「そうじゃないの。いつか身に付けなければいけないのだから…。それが、今なのか後なのか。それだけなのよ」


 そう言うとまた、ドレスで歩く練習を始めた。


 ※※


「ヘレナ様、堅い雰囲気がなくなって、柔らかな

 動作が馴染んできましたね。」


 夜会の1週間前にようやくニナから褒められた。

 努力が報われた気がして、ヘレナは嬉しかった。


 ——あと少しだわ!


 それからは、階段を登ったり降りたり。

 カーテシーを何度も練習したり…。

 グラスを持っての会話など。


 なんとか、他国から来た学生の客人としてなら

 失礼は無い程度に仕上がった。

 

「ヘレナ様、頑張りましたね!1ヶ月でここまで!

 あとは……会場の空気に慣れていただければ。」


 ニナは、ヘレナの頑張りを心から讃えた。


「本当によく頑張ったねヘレナ。

 明日は隣には居られないが、ニナも会場に居るし

 王城の皆が見守っているから安心して」

 

 このところ、ヘレナを心配したウィルは、最後の

 練習を見に来ていたのだ。

 

「ありがとうございます。殿下。ニナさん。明日は楽しむ余裕はないけれど、よい時間になるといいな」


 明日のドレスと靴を確認して、

 ヘレナは早く休む事にした。



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