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ヘレナとウィル〜隣国の王子と交わした約束〜  作者: シャルru


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42/79

42.磨かれた美

 コンコン。

「ヘレナ様、失礼致します。お支度に伺いました。」


 振り向くと、侍女2名とニナさんだった。

「ヘレナさま、どうぞハーブティーを飲みながらで構

 いませんので、衣装のご相談をさせてください」


「は、はい。お願いします。」

「この後のお食事でお召しになる衣装は、

 こちらはいかがでしょうか?」


 ニナさんは薄いラベンダー色のシンプルなワンピー

 スドレスを見せてくれた。

 

 素敵!


 ヘレナは平民なので、王城の装いなどはまだ

 必要でないと思っていた。

 王城らしい装いを無理に勧めないところに、

 ニナさんの気遣いが感じられた。


「アクセサリーは、今のイヤリングのままでも構いま

 せんし、こちらの準備もごさいます。

 そう言って見せてくれたのは、

 高価なパールのイヤリングだった。

 

「扱いに慣れていないので、今のイヤリングで

 十分です。よろしくお願い致します」

 丁寧な対応に自然と頭が下がる。


「ヘレナ様、王族の皆様以外への丁寧なお礼のお言葉

 は不要でございますよ。それに皆ヘレナ様にお会い

 出来て喜んでおりますから」

 ニコリと微笑むニナさん。

 

……そうだった。すっかり雰囲気にのまれて、

 つけ焼き刃で身につけたマナーは、

 飛んでいた。


 その後、ワンピースドレスに着替え、髪と化粧を

 施してもらうと、

 ニナさんたちは満足そうに微笑んだ。

 

「まぁ…ヘレナ様。普段からお美しいですが、

 より一層美しいです」


 侍女の2人も嬉しそうにヘレナをみている。

 ヘレナも鏡に映る自分の姿に大満足だった。


「それでは、晩餐室へご案内致します」

 部屋から出るヘレナを二人の侍女が頭を下げて

 見送ってくれた。


 王城のカーペットの上をヒールで歩く。

 歩き易さも考えられたそのカーペットは

 どこまでも続いていた。

 

 1つ下の階の奥に、その晩餐室はあった。

 ニナさんがノックする。

「失礼致します。殿下、ヘレナ様をお連れ致しました」

 ——ようやく、ウィルに会える!

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