41ドキドキが止まらない
王城のホールは、まるで舞踏会会場のようだった。
これが玄関?!
ホールから、放射状に広がる通路。
上質な空間の中央には空まで吹き抜けた庭が
あった。
すごい…。
思わず立ち止まって、天井を見上げた。
まさに王城。ヘレナはその空気にのまれた。
「ヘレナ様、こちらのお部屋でございます。」
その後、案内された部屋はヘレナの好きな
柔らかい色調の落ち着いた一室だった。
「あ、荷物」
車に置いてきたままだと思い出して、
伝えようとすると、
「お荷物は、クローゼットに整えておきます。
何か急ぎ必要なものはございますか?」
「いえ。大丈夫です」
——本当に至れり尽くせりだった。
そしてニナさんがやってきた。
「ヘレナ様、長旅お疲れさまでございます。
お疲れでございましたら、スパの用意もございます
が… いかがいたしましょう?」
す、スパ。
「だ大丈夫です。まだ慣れなくて…このまま少し部屋
にいても良いですか?」
ヘレナの知らないところで、あらゆる準備が
整えられている気配を感じた。
「もちろんでございます。緊張されている
ご様子ですが、先日お伝えしたとおり、
……このような場所。でございます。」
と、いつもの笑顔を返してくれた。
な、なるほど。
「このあと昼食の前に一度、お着替えの支度にはいら
せていただきますので、それまでこちらでおくつろ
ぎください。すぐにお茶をお持ち致します。では」
ニナさんは軽く頭を下げ、退出した。
部屋に一人になり、これからの事を考える。
この王城の広さも想像つかないけれど…
もうすぐウィルに会える。
その事を考えると
ドキドキが止まらなくなったヘレナだった。




