40長い旅
おはようございます。お支度に伺いました」
え?いつもと違う朝の始まりだ。
「今日は、湯浴みからお支度させて頂きます
こちらへ」
そう言って、部屋と続きのお風呂の様な部屋へ
連れて行かれた。
「まだ慣れないと思いますので、簡単に湯浴みされまし
たら、バスローブを羽織ってこちらまでお越しくださ
い。」
なんと朝から突然の練習だった。
バスローブを羽織った出てきたヘレナを
二人の侍女が着替え、ヘアメイク、飾り付けを
施していく。
もちろんヘレナは一般市民なので、洋服などは
上質だが、普通のものだ。
「このように、毎日お支度が入りますので、
驚かれませんように。」
ニナさんは、ペンギンの様に固まっている
ヘレナを見て微笑む。
彼女も、ヘレナがどんな女性なのか、少し
分かってきたようだ。
それから、車、列車、また車と、
乗り物を乗り継いで
アルベルト王城へとたどり着いた。
王城の入口で頭を下げたまま待機する使用人。
「お待ちしておりました。ヘレナ様」
一人の男性が一歩前に出て出迎える。
その男性がどういう人かもわからず、
「わざわざお出迎えありがとうございます」
と答えると
「あ、いえ…お礼の言葉をいただく様な事では…」
と、躊躇った男性。
あれ?ちょっと違ったみたい。
でもいいや。
「……まず滞在中のお部屋へご案内致します。
それから殿下とのお食事をお楽しみくださいませ」
——ん?
すぐにウィルに会えると思っていたヘレナは
ちょっとがっかりした。




