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ヘレナとウィル〜隣国の王子と交わした約束〜  作者: シャルru


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28.新しい生活


「きゃー。ヘレナまた同じクラス!」

 ミーシャ、ルイーザ、ヘレナは手を掴み合って

 喜ぶ。

「奇跡だよ〜」

 ミーシャは祈りのポーズを取っている。



 新年度のクラスは、文系ということもあり

 あまり変わり映えしないメンバーだったが、

 戸惑う事なく過ごせそうだ。


 ……キーンコーン…キーンコーン…


 朝のクラスルームが終わりチャイムがなる。

 

 休み時間が来ても、もう廊下からヘレナを  

 呼ぶ声はしない。



 あのベンチで過ごしてから1週間後、

 ウィルはアルベルトに帰国した。

 公でないヘレナは見送る事も出来ず…

 

 そのあと、執事さんがこっそり家に訪ねてきた。

 

「殿下から預かっているものです

 お二人が幸せになれるよう、この執事も

 応援しております」

 

 と言って、あのシルバーブレスレットを

 渡してくれた。


「え、これは…」

 

 ウィルが身分を明かしたあの日。

 博物館の帰りにに寄ったショップで見つけた

 あのブレスレットだった。


 ウィル。

 本当にあなたは、私のことをよく見てるのね。


 そっと腕に付けると、彼と手を繋いだような

 優しい気持になった。

 


 それ以来、ヘレナは会えなくても

 ウィルの気持は直ぐ側にあると感じるようになっ

 た。


 それに、フェルラーにはずかしい成績で入っては

 カイ先生に申し訳ない。


 この一年は、勉強に捧げる。

 と心に決めたのだ。


 ヘレナの放課後は、

 思い出の詰まった図書室か、

 カイ先生の所。


 夏になるころには、ヘレナの成績は、カイ先生の期

 待を越えようとしていた。



 そして夏休み——


「ヘレナ、手紙が来てるわよ」

「ウィルだ!」


 待ちきれず、封を切りながら階段を駆け上がる。 部

 屋へ飛び込み、そのままベッドにうつ伏せになって

 手紙を広げた。

 

『ヘレナ。元気にしている?

 もう夏になったよ。

 ヘレナのことが好きになった夏だよ。


 だから急いで会いに行くよ。

 今度の週末、迎えに行くね


       ウィル  』


 ウィルに会える!

 ヘレナは、少し勉強をお休みして、

 髪を整えに行ったり、新しい洋服を買いに行ったり 

 鏡を見るたびに笑みがこぼれ、胸を弾ませながら週

 末を待った。

  

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