2.振り向いてほしい
ウィルは、話しやすい男子だった。
この学園でもどちらかといえば、女子の友達が多いタイプ。多分、女子の集団に1人混じっていても変じゃない。
それだけに、全然分からなかった。
——私の事が好きになったなんて。
リリアナに恋していた頃と違って、ウィルはヘレナに
猛アタックしてきた。
「ヘレナ、試験勉強一緒にやろう」
「ヘレナの好きそうお店、出来てたよ一緒に行こう」
「ヘレナが食べたがってたやつ。はい、どーぞ」
え、ウィルってこんなに積極的な人だったの??
恋愛相談なんて必要??
「なになに〜?最近、二人の時間長くない?
あやしい」
共通の友達、ミーシャとルイーザがからかって来る
「そう?」
「あ。今、ヘレナを彼女にしたくて頑張ってるから邪
魔しないで」
「え——!」
「あ——!」
ウィル…言っちゃったよ。
ルイーザは冷静だった。
「ウィル、それはさ、狭き門よ」
ウンウン。
ミーシャも頷いている。
「分かってるよ。他にもヘレナを狙って奴いるし…
でも僕が今、一番近くに居るんだ!
ヘレナと仲いいし」
隣で聞いていてはずかしい。
恋愛相談受けていた時よりずっとウィルは
恋愛に前向きだ。
「それは…友達だからって事でしよ?」
ミーシャは、厳しくつっこむ。
「それで、ヘレナはなんて言ったのよ…」
ドキっ。急に振られて言葉に詰まる。
「そ…れは…。」
正直なところ、ヘレナはよくわからなかった。
人の恋愛話を聞いてドキドキするのと、
この人が好き。って思う気持ちの違い…。
「保留かな…。」
「——お前達…だから邪魔するなって。」
ウィルは、がっかりしつつも諦めてはいない。
「本当?じゃー頑張って。」
ミーシャとルイーザは私とウィルを残して
去っていった。
それからというもの、クラスが違うのに
日々ウィルとの時間が増えていく。
それと同じくらい、学園内での
ヘレナを見つめる視線も増えていった。
ある日…
「あの…ヘレナ·ウォズリー令嬢。」
振り向くと、学園トップクラスの成績を取っている
ダニエル·エルドラドがいた。
「君に…ずっと惹かれていたんだ。
良ければ、私と付き合って
貰えないだろうか?」
突然のことに驚く。
「あ、あの。ダニエル様のことあまり存じ上げなく
て…すみません」
この頃こんな、急な告白が増えた。
それもこれも、ウィルの発言が広まってからだ。
「誰より僕がヘレナを知ってるし、大好きだ!」
もしかしたら、ヘレナがウィルのモノに
なるかもしれない——
そんな噂のせいで、今までヘレナを遠巻きに
見ていた男子達が、いっそ当たって砕けろと
こぞってヘレナに告白するようになった。
そんな中でも
ウィルは今日も当たり前のように誘って来る。
「ヘレナ、昼食は食堂の窓ぎわの席で、
待ってるから!」
「どーして毎日ウィルと食べるのよ?」
これじゃ、付き合ってると思われる。
「だってさ、ヘレナとご飯食べると、幸せじゃん」
まさに推しの一手。
「まぁ、ウィルとは何故か話題が尽きないから
いいけどね…」
不思議な事に、ウィルといるとあっという間に
時間がすぎるのだ。
「ヘレナも結局、彼の背景に釣られたのね」
どこかのテーブルから聞こえた言葉にヘレナは
戸惑う。
(彼の背景って?)




