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Ⅳ その場所は ~丘~


「『招かざる者』を知らない?」

 思わず、白美は呟いていた。

「ああ」

 とうなずくブルに対し、舞子が口を開く。

「災厄を引き起こす、そしてものすごく強い奴です。……なぜ知らないのかが気になるんですけど……」

「災厄を引き起こす? ものすごく強い? 『招かざる者』……やはり聞いたことは無い。規制か何かか? 情報を閉ざすため…………いや、今は考えるのを良そう。…………ところで君たちの名前は? 群像を探していたようだが……」

「私は平城白美です。……こっちは生駒舞子、こっちは郡山こおりです」

 白美がまとめて自己紹介し、そして舞子が続ける。

「舞たちは地球から来たんですけど、ある学校の空き教室のロッカーの中にこの世界への入り口のようなものを見つけた、群像が先に行き、返ってこなかったのでこちらの世界に探しに来たわけです」

 なるほどな、とブルは理解し、そして疑問を自分の中で一度止める。

 今ここでするべきことは疑問を解消することではないと、ブルは分かっていた。

「……話は分かった、が。君たち……平城、生駒、郡山は『招かざる者』と戦う者に撤退するよう言ってもらえないか。いくら『招かざる者』が強いといっても、飛竜と戦えばすぐ殺される。どちらにしろ人が死ぬ。早く撤退してもらってくれ」

 と、そこにアズ・ハン・セルのメンバーの声が届く。

「逃げるのは俺たちだ、ブル! いや、あいつ等もだろうが…………今はとにかく、飛竜の動きを出来るだけ止めつつ、『招かざる者』とやらと直接対決で両者自滅することだけを祈り、そうなるように努力することしかできないぞ!」

「そんなに……そんなにやばいんですか? 『招かざる者』ってのは」

「飛竜と戦わせたらどうかは分からないが…………俺たちが太刀打ちできないのは事実だ。今、女性が目にも留まらぬ速さで立ち回っていたが、彼女は俺たちより遙かにLv.は高いだろうが、それでも押されていた。――隊長、撤退命令を出しましょう!」

「…………いや……撤退、といっても肉眼で見える位置までだ。万が一、というときもあるからな」

「了解。皆、麓の方へ徒歩で一時撤退しろ!」

 ブルに言葉を話った男が、皆に指示を出し、皆は疑問を抱きつつも、命令に従う。

「群像、動けるか? そちらの3人も早く下がれ」

 そのとき、飛竜の火の玉以上の爆発音と衝撃波、空間を揺るがすほどの飛竜の声が聞こえ、足下が揺れた。

 ブルや群像、白美やほか全員が、振り返る。

 そこにあった光景は、皆を絶句させるほどのものだった。


 普通の剣より長く太い獲物を構えるローズの、全身から血を流しながらも全くスタミナ切れしていない立ち姿は凛々しく。

 空を羽ばたく翼の右半分が致命的なほどに潰された飛竜の、必死に滞空しようと翼を羽ばたかせ、怒りに燃える用に口から炎を吐く姿はあまりにもギャップがあり。


 最も驚かせたのは。



 何一つ動いていない。

 何一つ傷ついていない。

 何一つ興味をしめさない。


『招かざる者』の様子だった。


 彼女が体を向けている方向は、

 彼女の本体がいるべき場所で。

 彼女がこの場にいるのは、

 異世界からたった今来たから、

 という理由ではないことを、


 誰も知らない。



 突如、彼女の後頭部から10センチほど離れた位置で何かが発生し、一気に一方向に膨張、爆発で生じる衝撃波に似たような力が、一直線に、そして時に折れ曲がりながら、カーブしながら、飛竜の片翼を直撃した。

 両翼を潰され、ついに地に落ちた、たたき落とされた飛竜は、何とか足を使って着地し、すぐに彼女に突っ込むが…………


 見ることもせずに、『招かざる者』は飛竜の顔面に力をぶつけ、顔面を吹き飛ばし、殺しきった。

 その瞬間に出来た隙を埋めるようにローズが動く。



「『異常融合・限界突破・俊足加速』」




 そうローズが呟いた瞬間、ローズの体が、水平に跳ぶ。



すいません……

最近予想以上の疲れで昨日は10時 一昨日は9時に寝てしまって、書くにもかけず、投稿することができませんでした……

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