Ⅱ 神隠しにあった ~ローズ宅~
「つまり……私たちが脅されたのは、その、招かざる者を判断するために必要だったってこと……」
「……究極的に言えば……怯えすぎ何じゃないかしら……」
こおりがさりげなく、しかしブスッと言葉の針を刺す。
図星、確信を衝かれたように、ローズは顔を歪めて微笑する。
「その通りだ……怯えすぎだよ、私たちは。……でも」
と、逆説を繋げて表情を堅くする。
「でも……怯えるんだよ……自覚してても。怯えすぎだと自覚してても、尚、怯える。理由もある……」
苦い過去を思い出すような目。
悔しさをきつく噛みしめる歯。
何かの衝動に駆られている腕。
「昔はこの一体には10以上の村があった……最近――ほんの5年前までだが……7つの村があった」
「7……つ? でも今さっき5つって……――っあ、す、すいません」
「謝らなくていい……私から話したことだからな。それに忘れたくても忘れられないものなのだよ」
ため息を一つ。
早く忘れたい。
けど忘れたくない。
二つの想いが、五年間、ローズの中を駆け巡っている。
「……一つは私の故郷だった。……ことが起こったのは私が帰郷する前日。私はそのころ最も近くにある街の外壁近辺に存在する森の中の、ツリーハウスで、師匠に修行させてもらっていた。すでに私はLv.100はあった。だけど、間に合わなかった」
一夜にして、
崩壊した。
消滅した。
住民は全体の一分程度しか生き残っていなかった。
もちろん、ローズの親が助かるなんて奇跡が起こるはずもなく。
ただ。
ローズは燃え逝く二つの村を。
二つの村を繋ぐ道の、丁度真ん中で、二つの村を見比べることしかできなかった。
そして。
ローズは見た。
村人は見た。
村を襲った人影が、丘の方に去っていく姿を。
その人影こそが、招かざる者、または、ヘルズ・メッセンジャー。
ローズにとって招かざる者に対する感情は、他人よりかなりキツいのはそこが原因だ。
再び、その招かざる者が現れる時。
一瞬でそいつを殺せるように。
技術を磨き、
Lv.を上げ、
力を付けた。
そうしてローズは、ナチュラ村守護団代表を、やっている。
ん?
若干話が変な方向に行きかけている……?




