5.「なんだこの状況」
ゴルンゴドの裏路地には、猥雑な魅力が溢れていた。
目抜き通りから僅か道一本を変更しただけで、立ち並ぶ建築物は大きく明るく清潔な佇まいから、狭く薄暗く小汚い物へと顔触れを変える。
店舗の主たちから品格や誠実さは失せ、訪れる客たちも少しでも安く多く買おうと欲を張り、皆が己が利得に正直かつ明け透けだ。
喧噪を縫って通行する者たちの顔にもどこか余裕がなく、頭上より足下に目線をやって、揉め事は避けるより先手を打つものと考えている風。人の数そのものは少ないはずなのに、自分の都合で立ち止まり譲り合う気持ちもないためか、ところどころに密集し導線は機能していない。
通りを漂う空気に混ざるのは、酒とゴミの匂い、始終ただよう煙と卑俗な看板、無遠慮な呼び込みと罵り合い。不潔で不快で不健康で、だが力強く活気に満ちている。
「申し訳ありません、勇者さま。私、そろそろ限界ですわ」
だんだん楽しくなってきた日出郎と裏腹に、真っ先に音を上げたのはチェイネであった。流石お嬢様、と変に感心した後で、慌てて近づき体を支える。
「うわ、ごめん。考えなしに連れ回し過ぎた。ハチェトリーも大丈夫か?」
「お気遣いありがとうございます、勇者様」
線の細い少年を気遣うと案の定、彼も顔色を少し悪くしており、普段であれば口をつく遠慮の言葉が出てこない。可憐な笑顔にも、無理をした感が漂っていた。
繊細な二人には裏路地の猥雑さが耐え難かったのか、免疫のない女の子をドヤ街や同人イベントに案内してしまったようなものかと思い、どっと汗をかく日出郎。
だが、チェイネの押さえた口元からこぼれたのは、弱音ではなく憤懣やる方ない……といった怒りの言葉である。柳眉を釣り上げ、腰あたりに手を彷徨わせるているのは、無意識に得物を探っているからか。
「七回、触られましたわ。しかも胸ばかり!」
「僕は、お尻と、その……言えません……」
最後は声を消え入らせ顔を覆ったハチェトリーであるが、よくよく見れば直前に覗かせた表情は、兄の話題を振った時のような冷たいものだ。
「あァン? なんでェ、人波に酔ッたとかじゃなくて、触られただけかヨ」
さもくだらないことのようにジャベリナは言うが、痴漢は立派な犯罪行為である。ファラスではいざ知らず、現代人たる日出郎にとっては許せるものではない。
「ど、どうしよう。〈四響羅衝〉であたり一帯、消し飛ばそうか」
「いや、なに急に物騒なこと言ってるんですか」
「個人的には賛同したいところですが、無辜の民を巻き込むわけにはいきませんものね。とにかく一旦、この通りから移動してしまいましょう」
そのまま大通り沿いの店で、食事を取ることにする。昨日の夕食を取った際に気になっていた店が昼営業もしていたので、折角だから入ってみることにした。
カウンターとテーブル席を有する一般的な食堂だが、店の内外に観葉植物が飾られ、調度類に東洋風の味わいがある。出迎えてくれた店員が珍しくも岩人種ではなく、天人種であった。
店と同様、なんとなくアジアンな雰囲気を持つ壮年の男女で、象明を見ると同姓であるので夫婦なのかと思われる。席に着いた日出郎たちに対し、男性は店の奥に引っ込んで、女性はメニューを持って近づいてきた。
「イラシャイね。メニュを、どぞ」
何故か片言だった。おそらく、仲間たちが日常使っているガルド語で喋ってはいるのだが、それが不得手なのであろう。
日出郎の〈共枢言語〉はゴブリンの喚きを不良語に変換したりと、相手の物言いに合わせて勝手な翻訳をしてくる。そのため、店員が本当はどういう風に喋っているかは、彼にはわからない。
手渡された紙のメニューを普通に広げて眺め始めた日出郎だが、仲間三人の驚いた表情に、なにかとんでもない無作法をやらかしてしまったかと慌てる。
「な、なに?」
「いえ、その……勇者様、それは、なんなのですか?」
聞けば、飲食店で品揃えを紙に書いて出すような文化は、ファラスでは一般的ではないと言う。普通は『鶏肉を焼いたもの』『葡萄酒と、なんか温かい物』『(銀貨1枚を渡して)これで四人分』といった注文が普通で、凝った店ならコース料理を事前に説明してはくれるものの、客から細やかな注文をするようなことはないらしい。
してみるとメニュー表というのは、この世界では最先端の文化なのであろうか。現代地球で言えば、注文をタブレット端末で行う店を、初めて見たような感覚なのかも知れない。
「ま、この方が手ッ取り早いわな……オレ、これ。あと酒な」
日出郎の肩に乗りかかるようにして、彼の広げるメニューを覗き込んだジャベリナが、腕を伸ばしてその一角を指さす。薄いが柔らかな胸やさらさらの髪が、日出郎の背中や首筋に当たるが、なにせ外見が幼いので変な気分になったりはしない。なったりはしないったらしない、と自分に言い聞かせる。
他二人、特にチェイネに同じことをされたら理性を保つ自信がないため、メニューは卓上に広げて皆で見ることにした。内容は料理の名前だけ書いてある物が半分と、材料および調理法と味つけまで書いてある物が半分だ。前者が定番メニュー、後者が馴染みのない料理ということなのだろう。
「私は酢漬肉の蒸し煮と、焼いた赤腸詰をいただきますわ。それから、鰻の薫製も」
「僕はレリ茎とコロ芋の卵黄ソースがけを」
「トリィ。貴方、もう少し食べた方が良くってよ?」
遠慮もせずに、ぽんぽんと決めていく。メニュー自体には不慣れでも、その中身の注文には悩むことがないようだ。一々伺いを立てられるより気楽で良いが、迷いなく選ばれてしまうと、自分も早く決めなければと焦ってしまう。
改めてメニューを睨むが、写真や絵がついているわけでなく、料理名も馴染みがないものばかりだ。
「この『アウフラウフ』ってなに?」
「野菜や肉や麺なんかを深皿に重ねて、牛の酪と乳を使ッたソースかけて、竈で焼いたもんだヨ」
つまりはグラタンであった。グラタンならグラタンと読み取って欲しいものだが、〈共枢言語〉に文句を言っても仕方ない。その他、説明文を読んで美味そうだと思った『腸詰と烏賊を生地で包んで揚げたもの』も頼んでみる。
ソーセージは『ヴルスト』と訳すのに烏賊は烏賊なんだなあ……と不思議がっていたら、仲間三人がまた微妙な顔をしていた。
「こ、今度はなに?」
「その……勇者さまが、勇気あるお方であることは、重々承知しておりますわ。ですが、やはり烏賊を食べるというのは、度胸試しが過ぎるのではありませんこと?」
こくこくと頷く、見た目年少組。
「あ、この料理って、そういう扱いなの?」
改めて説明文を読んでみると、名前以外に解説があるものの大半が、魚以外の海産物や生魚を使用した料理であった。日出郎からすれば馴染み深い素材であっても、異世界では奇食の類であったらしい。
「俺の居た国だと蛸・烏賊・海老は普通に食べてたんだけどなあ。蟹とか海胆なんて、高級品だよ?」
「いやいやいや、無ェから」
ジャベリナをして、この反応である。フランスでは海胆や海鞘などが昔から食べられていた、と聞いたことがあるが、フランスとファラスでは事情が違うようだ。
この分じゃ納豆の話なんかしたらリーダー失格どころかパーティから追い出されそうだな、なんて思う。それにしても鰻は良くて海老・蟹は駄目、というのも不思議な話であったが、それが食習慣というやつなのだろう。
注文を終え料理を待つ間にふと日出郎は、時間のかかるものが被ってしまったな、と気づいた。しかし彼らの他にも客が入り始めたこともあり、今更注文をやり直すことも躊躇われる。
「しッかし、内装や店員が妙だと思ッたら、海モノ出す店だッたとはね」
広げっ放しのメニューを改めて見やり、ジャベリナが言った。中世ヨーロッパがそうであったように、ファラスでも魚は豆とともに庶民の主食であるが、内陸部で海産物が食されることはほとんどない。
「バスオークンの方から輸送しているんでしょうね。他のお客さんにも、あちらの方がちらほら混じっていますし」
言われて失礼にならない程度に眺めやるが、店内の天人種は皆、日出郎の目にはざっくり『西洋人』としか見えない。店員夫妻がなんとなくアジアっぽいかな、程度のものだ。
「私には皆さん、同じように見えますけどねえ」
そう思っていたら、チェイネも同じ感想を抱いたようである。そもそも客の大半は岩人種なのであるから、それ以外は十把一絡げだ。
そんなことを話している内に各人の注文が順次、届き始めた。やはり案じていたとおり、日出郎の料理だけ時間がかかったが、待たせるのも悪いので先に食べてもらう。
「あ、美味しい!」
オランデーズソースを思わせる濃い黄色のソースがかかった、茹でたレリ茎とコロ芋――どう見てもホワイトアスパラガスとジャガイモだ――を口にしたハチェトリーが、声を上げる。
そつなく予備のフォークを店員に頼んで、手渡してくれたので、日出郎もお相伴に預からせてもらった。レリ茎はシャッキリ瑞々しく、コロ芋はホクホクで甘みがあり、どちらも濃厚で上品な酸味を持つソースとよく合う。
「本当だ。うまいねコレ」
「ン、良いな」
「爽やかなお味ですわね」
他二人も当然のように取っていったため、皿は空になってしまう。お返し、というようにジャベリナも、自分に届いた料理を少年の方に押し出した。
甘藍の漬物の上に肉と野菜のグリルが盛り合わされたもので、こちらは野趣溢れる味わいと香ばしさが、漬物とほど良く絡む。食べるに連れ食欲が昂進する感じで、酒の肴としても極上であろう、と思ったらジャベリナは既に呑んでいた。
陶製の杯に揺れているのは、葡萄酒ではなく蒸留酒だ。昼から呑むようなものではない。
「おーい、そこの飲兵衛のお嬢さん」
「あァン? 今日のオレぁ店仕舞いだヨ。服だの武器だのは、お前らで勝手にやンな」
なし崩し的に全員の注文を銘々で取り分け食べる中、少女は順調に杯を重ねていた。青白い肌にほんのり朱が差してはいるが、目に見えて酩酊している様子はない。
むしろつきあいで林檎酒など頼んだチェイネの方が赤ら顔で、にやにや悪戯めいた笑みを浮かべていた。
「ねえ勇者さま、そういうことならリナは置いて、私たちだけでお買い物いたしましょう?」
そう言って密着してくる。むにゅりと変形する柔らかな物体が二つ、日出郎の肩口を左右から包み込んだ。甘やかな声が耳を撫で、うっすら香水の匂いが鼻腔をくすぐる。
先ほど案じてた通りの破壊力で、一瞬にして理性を奪われそうになったが、ハチェトリーの手前きつく己を戒め紳士的に振る舞う――
「よっしゃよっしゃ、おっちゃんがなんでも買うたるでえ」
「きゃあん、素敵ですわぁ、勇者さまぁ」
――つもりが、変な小芝居になってしまった。
¶
宿に戻って、荷物番という名の昼酒モードに入ってしまったジャベリナを残し、のんびりと大通りを歩く。
「こうして見ると、そこまで広い町でもないんだな」
衣料品を取り扱う店を探しながら、改めて通りと店々、行き交う人たちを眺めた。
「住宅街というか、普通の住人が暮らしている区画とは、明確に分かれているみたいですからね」
そうした区画は蟻の巣穴のように長く細かく入り組んだ、正に地下迷宮と呼ぶに相応しい有様だという。
用がないなら立ち寄るな、と宿の亭主に釘を刺されたが、言われるまでもない。
ところで衣料品店であるが、日出郎としてはユ●クロとまではいかないまでも、なんらかの店があるものだろう……と考えていたのだが、甘かった。ゴルンゴドのみならずファラス全体でも、既成服の小売店というものは存在しない。
被服は基本的にオーダーメイド、あるいは生地を購入しての自作が主流であり、数少ない店売り品も古着のみであった。
「ハチェトリーは普段、服を買う時はどうしてる?」
「普段というか、服を買ったことがないので……ごめんなさい」
聞けば、法衣は師匠のお下がりで、貫頭衣も古着であるという。そう言えば日出郎自身、いま着ている物は全て貰い物、つまり古着であった。
なお聞くまでもないことだが、チェイネの衣装は全てオーダーメイドである。
「装いに関しては、私にお任せくださいませ」
そのチェイネが、大きな胸を張って宣言した。まだ少し酒が残っているのか、口元を手の甲で隠して『オホホホホ』なんて笑って見せる。普段なら絶対にやらない動作だ。
実は昨日の内に目星をつけておきましたのよ、などと言いながら意気揚々と歩き出す。上機嫌で闊歩する姿は颯爽としつつも麗しく、道行く男たちの視線を釘づけにした。
「ほら勇者様、エスコートしないと」
気の利く従者が小声で教えてくれたので、慌てて隣に並ぶ。車道側を歩くのがセオリーなのだろうが、そもそも明白な区分もなさそうな道であったので、とりあえず店舗側の反対だ。
はてここからどうすればいいんだ? と悩むより早く、にっと笑ったチェイネが腕を絡めてきた。
声にならない悲鳴が、美女の様子を窺っていた男たちから上がる。
大方なんであんな醜男が、羨ましい、妬ましい……といったところだろうが、日出郎としては優越感を感じるどころではない。異性と腕を組んで歩くなんて生まれて初めてな上、相手は見知った相手と言えど、すこぶるつきの美女なのだ。腕は幸せであったが、がちがちに緊張してしまう。
「固くならないでくださいな。むしろ私で練習する、くらいの心積もりで構いませんのよ?」
「そ、そんな失礼なことできないよ。朝の話どおり、言いたいことは言って」
「でしたら……トリィが後ろで泣きそうですわ」
思いも寄らぬ助言に振り返ると、なるほど少年は顔を赤くし目を潤ませていた。日出郎をけしかけておきながら、やはり羨望と嫉妬は抑えられなかったらしい。
もっとも、その対象は日出郎ではなくチェイネだが。
「え、えーと……こっち側、掴まる?」
迷いつつ、空いている方の右腕を上げる。最初は勢い良く首を横に振っていたハチェトリーだが、やがておずおずと袖を摘まみ、控えめに体を寄せてきた。
声にならない怒号が、少年の様子を窺っていた者たちから上がる。
「なんだこの状況」
「両手に花で、結構じゃございませんの」
「なんだかすいません……」
緊張は解れたが、別な威圧感で体が強張る。視線の圧力に耐えきれなくなる前に、チェイネが目当ての店を見つけてくれたのが幸いであった。
左右を菓子店と時計の工房に挟まれた細い路地の奥、彼女の選択だけあってシックな雰囲気を持つ、小さいが高級そうな構えの店だ。珍しくも板ガラスの嵌まった扉飾りが、『仕立屋』との文字を形作っている。
躊躇いもせずに扉を押し開けるチェイネ。本来は日出郎がすべきことであるが、左右が塞がっているので致し方ない。
「いらっしゃいませ」
軋み一つなくドアが開いたかと思うと、絶妙の間の後に、渋い声が迎えてくれる。静かに頭を下げたのは細長い体を白いシャツと黒いズボン、黒革のベストというファラスでは珍しい格好で包んだ、灰色の肌を持つ岩人種であった。
臙脂色の絨毯が敷かれた店内には、色とりどりの布が収められた棚がいくつも並べられ、中央には年季の入った重厚な作業台が鎮座する。壁際に展示されているのはシンプルだが上品な男性用の上着や、色鮮やかで豪華な夜会用のドレスなど、なんとも高級そうな品々だ。
「ごきげんよう。私の主と同僚に、服を仕立ててくださるかしら?」
「……これは、レイ・アルクスの姫君。わざわざお越しいただき、恐縮です」
相手の慇懃な態度に満足気に笑うと、チェイネは気後れする男二人を後目に、早々と話を進め始めた。予算を伝え、採寸を行ってもらい、期間を定める。
「職人の都合もありますので、今日明日というのは難しゅうございますな」
巻尺で日出郎の寸法を測り終えた仕立屋の男性が、事務的な口調で告げた。彼にしても少年にしても、店の雰囲気からすると完全に場違いなのだが、仕立屋氏は気にした風もない。
「べつに、一から作っていただかなくとも結構ですわ。今回は急ぎですもの、そちらの裁量で明日までに用意できるものをお願いできます?」
「かしこまりました。そういうことでしたら、失礼ながら型などを流用して仕立てさせていただきます。お客様がた、こちらへどうぞ」
そう言って作業台の前に案内をすると一度、店の奥に引っ込んだ仕立屋氏が、紐で束ねられた紙を抱えて持って来た。革張のスケッチブックのようなそれは、型紙の写しと仕上げ図をまとめた、いわば商品カタログのようなものだ。
(ああ、最初からこういう形で出してくれれば気楽だったのに)
職人の矜持を馬鹿にするようで口には出せないが、日出郎としては通販の延長感覚で頼めるだけに、非常に助かる。逆にハチェトリーは戸惑うことしきりであったが、そこは年長組二人で上手くフォローし、最後は仕立屋氏の経験に任せた。
「それではこちらの品を、明日の昼前までに仕立てさせていただきます」
へえそんなものか、と日出郎などは呑気に受け取ったが、実は仕立て服としては尋常でなく早い。おそらく、チェイネの顔を立ててたのであろう。
「ついでに、もうひとつだけ我儘を言ってよろしいかしら?」
再び人の悪い笑みを浮かべた美女が、仕立屋氏に意外な注文をし、必要な寸法を告げた。それを聞いた男二人は、呆れた表情になる。
「なんか企んでると思ったら」
「私なりの、お礼ですわ。このことはリナには内緒ですわよ」
そんな会話をしつつ代金の半額を前払いし、店を出ようとしたところで、店内に新たな来客が現れた。小さな、それこそ日出郎の半分にも満たないような背丈の少女であるが、顔つきは大人びており子供には見えない。
橙と黒が網目状になった溶岩を思わせる色彩の髪が、浅黒い肌の上にばさばさと、無造作に伸びている。太く真っ直ぐな眉の下に爛々と光る茶色の瞳、丸っこい体型を包むのは革の上下に白衣、という仕立屋氏とは別な意味でファラスらしからぬ格好だ。
「オーナー」
仕立屋氏が思わず、といった調子で言う。ぎょっとなって見つめる日出郎たちの視線の先で、その小さな女性は、キンキンとした大声で尋ねた。
「勇者が来てるってな、本当かっ!」
【アジアンな店員】
実は夫婦ではなく兄妹である。兄が調理担当、妹が接客担当。日出郎は見落としていたが、兄妹そろって戦闘もかなりイケるクチ。
なお、料理技能自体はジャベリナの方が高い。
【最先端の文化】
ゴルンゴドでは外食産業が、他の都市と比べて発達している。地下都市ゆえ、家庭ごとに竈を設置することが憚られる風潮があるためだ。
なお多くの岩人種は他人種に比べると、経口での食事をあまり必要としないため、食事という行為そのものが娯楽に近い。
【烏賊】
猫が食べると腰が抜ける、という話があるが、加熱してあれば大丈夫。
ましてや獣人種のチェイネには無縁の話である。単に食習慣の問題に過ぎない。
【レリ茎、コロ芋】
見た目を裏切らずホワイトアスパラガスとジャガイモ(の一種)である。たまにはこういう野菜も存在する。
【甘藍の漬物】
ザワークラフト、とも。お馴染みのキャベツの漬物である。キャベツ自体ファラスでは別な名前で呼ばれており姿も少々違うが、味と利用法は同じ。
【蒸留酒】
コロ芋と麦芽で作成する蒸留酒。アルコール度数は40度近く、ストレートでぐびぐび呑むと大変、危ない。
【林檎酒】
こちらはアルコール度数も低く、発泡性で甘くて軽い。見た目がお洒落だったため日出郎は頼まなかったが、まさに彼が求めるチューハイ代わりになる飲料である。
【仕立屋】
現代地球でテイラーと言えば紳士服の仕立てが頭に浮かぶが、この店は上流階級の人間が普段使いの服を仕立てる店である。位置づけ的には百貨店の良い位置に店を構えるプレタポルテ、という感じ。




