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異世界帰りな最強魔女の気まぐれ観光 ~帰ってきた日本はニチアサヒロインが戦う世界でした~  作者: 龍翠
第五話 最終決戦にも遠慮しない魔女さん

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まるくおさまって、めでたしめでたし……

「ちなみに、こんなこともできるよ」


 そう言って、指を鳴らす。なお指ぱっちんできないので魔法でそれっぽく音を鳴らしました。

 そうして、その直後。


「魔法が……!?」

「ばかな、どうなって……!」


 勇者くんたちは魔法を、というより魔力を使えなくなった。正確に言えば、すごく弱くなった、かな?

 魔力の支配。ただそれだけ。周辺の魔力も扱ってるみたいだったからね。こうして制限させてもらった。この先は自分自身の魔力しか使えないわけだ。


「ん……。まあ、さすがにかわいそうか。やめとこ」


 支配解除。いやさすがに、自由に魔法を使えないのはかわいそうかなって。魔法が楽しいのって、自由に使えるからだし。


「貴様……! 余裕のつもりか!」

「だから余裕だって言ってんだろ阿呆。悔しいならもっと死にものぐるいになれよ」


 おっと、汚い言葉が出てしまった。気をつけないと。

 勇者くんは忌々しげに私を睨んで……。そして、両手を上げた。降参、じゃない。魔力のうねりが見える。


「あ、あわわわわ……」

「こんなやつを相手に……私たちは、戦っていたの……?」


 明菜ちゃんたちが怯えちゃってる。んふふ。かわいいね。まだ子供なんだから、それぐらいでいいんだよ。


「俺の……切り札を、見せてやる……!」

「おん。楽しみだね」

「ほざけ!」


 勇者くんが長い詠唱を始める。長いので割愛します。ぱちん、とね。


「開け! 終焉の扉!」


 上空に大きな穴が出現した。穴の先は宇宙のようにも見える。穴の直径は軽く百メートルはあるね。なかなかだ。

 そんな穴から、巨大な岩石が落ちてきた。


「ほほう。隕石を落とす魔法か。分かりやすく強力な魔法だね」


 シンプル。でもだからこそ強い。これなら私の結界も破れるかもね。多分だけど。


「言ってる場合ですか!?」

「い、隕石が! 恐竜が絶滅しちゃう!」

「落ち着いてシズちゃん! 恐竜はとっくに絶滅してるよ!」


 後ろも大混乱だね!


「終わりだ! ラグナロク!」


 おお! 魔法名がかっこいい! 少年してるなあ!

 さて。さすがに私も無視はできないかなって。


「ズドン、とね」


 指先から魔法を射出。レーザーみたいな白い光の魔法。その魔法は隕石に当たると、粉々に打ち砕いた。さらに極小のブラックホールのようなものが出現して砕かれた岩も呑み込んでしまう。全て呑み込んで、そのブラックホールも消失した。


「まあ、こんなもんでしょ」

「…………」


 勇者くんが呆然としてる。いや、勇者くんだけじゃないね。明菜ちゃんたちもメルトたちもだ。私がまともな攻撃魔法を見せるのは初めてだったかな? こんなもんですよ、ふふん。


「さてさて。次の魔法は何かな? 後悔しないように、全力で来なよ。死んでから後悔なんてできな……、いやそうでもないかな。こうして転生した実例があるわけだし」


 まあでも、どうせなら後悔せずにしっかりやりきってほしいよね。まだ実は手段があった、とか後で言われても、あとから蘇生とかできないわけだし。

 勇者くんの反応を待っていたんだけど……。ただただ呆然として立ち尽くしていた。


「あー……。戦意喪失ってやつかな」

「…………」

「マジかあ。もうちょっと頑張ってくれるかなと思ったんだけどなあ」


 いや、私も痛いのが好きってわけじゃないから、これで終わるならいいんだけどね。うん。でもちょっぴり不完全燃焼です。

 どうしようかな。このままぼけっとするわけにもいかないけど……。

 そんなことを考えていたら、キャスティアが勇者くんに歩み寄った。


「勇者様」

「…………」

「ごめんなさい。全然気付かなくて……。私が、真っ先に気付くべきだったのに……」

「何を……言っている……?」

「本当に、ごめんなさい。ツルギ様」

「……っ!?」


 勇者くんが目を見開いた。キャスティアをじっと凝視してる。あり得ないものを見るような目で。キャスティアはそんな勇者くんを、優しく微笑みながら抱きしめた。


「孤独にしてごめんなさい。追い詰められるまで放っておいて、ごめんなさい。遅くなりましたけど、また一緒にいますから……」

「まさか……。ティーネ、なのか……?」

「はい……!」


 たしか、ツルギは勇者くんの名前だったかな。ティーネがキャスティアの向こうでの名前だ。うろ覚えだけど、ね。


「まさか……。こんなことがあるなんて……。俺は、もうずっと一人だと思っていたのに……」

「そんなことは、もうさせません。私が一緒にいます。改めて、支えます。だから、もうやめましょう?」

「やめる……? 復讐を……?」

「はい……。復讐をしても、ツルギ様の故郷には戻れません。ですから、どうか……。また、私と一緒に、平和に過ごしましょう。悪意を向けられない場所で、静かに。復讐なんてすれば、きっと心穏やかに過ごすことはできなくなりますから」

「…………。ああ……。そうか、そうだな……」


 ふむ。ふむ。なるほど。

 かんどうてきだなあ。すばらしいなあ。これでまるくおさまって、めでたしめでたしだなあ。


「リッパー。メルト。あなたたちにも、迷惑をかけました。一緒に行きますか?」

「は、はい! もちろんです!」

「ディザスター様に拾われた命だからね。あたしは、ディザスター様に尽くすよ」

「ふふ。ありがとうございます。誰も知らない世界に行くとしましょう」


 あくのそしきが、いなくなって、めでたしめでたし。


「もしかして……。戦いが終わるの……?」

「本当に……?」


 明菜ちゃんたちも安心してるね。うん。

 でも。


「いや逃がすわけないだろうがバカかよ」


 勇者くんの胸を、私の右手が貫いた。


壁|w・)魔女さんは人の心なんてどっかにポイしてるからね、仕方ないね。


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― 新着の感想 ―
危ない…カレー好きの子供から貰った謎の皿を胸に入れておかなかったら即死だった
そういえばニチアサヒロインがいるだけで、ニチアサ世界に合わせる必要ないもんなあ…
……ですよね~w
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