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51話 なんで私の話題で盛り上がってるんだろ

 出立時期は不明瞭。日時を決めるのはアスタルトの偉い人らしいし。


 私の勝手な予想だけど。諸外国が後ろ楯をしてくれるミステクタ側からは強気だろうから、不利な要求してくる可能性が高そう。


 きっと難航するだろう。でも私達はあくまで同行するだけ。王族とか上級貴族らへんはせいぜい頑張ったらいい。応援はしないけど。ナルシュ君とかミステクタ狩り被害者だしね。






 あのあとは特に大きなイベントもなく。娑婆に戻ってきたお兄様がやたら興奮してた他はごく普通の一日だった。


 で、翌朝。

 日課のリリファさん直伝の戦闘訓練なんだけど、今日のは一味違う。


 ナルシュ君はいつものジャマダハル。そして私は今回ランキスさん特製のガントレットを装着して対峙、そして模擬戦をしたんだけど。


 特筆すべき点はあのリリファさんが狼狽えて、私の初撃が入りそうだったこと。寸前で避けられたけど。リリファさん曰く。想定してた動きじゃなかったと。


「アリスも実力を上げてきたのね。嬉しいわ」


 こんな褒められ方は初めて?


 もっともその後はリリファさん、やや本気モードに突入しちゃって。勝てるはずもなく、さんざん股間や胸などを揉まれ撫でられ刺激されての敗北だったけど。


 増長するにはまだ早いってことかな。でもステータス的には後衛なのに、まるで歯が立たない。って実力差から徐々に抜け出しつつある認識だけはしときたい。






 ナルシュ君と木陰でしばしの休憩タイム。この一時って大体いつも気まずいんだよね。よく胸とか狙ってくるし。

 その直後なものだから隣で座ってるナルシュ君を、意図せずフェロモンで性的に誘ってる形になってしまう。


 うーん毎度ながら気まずい

 ねえナルシュ君。


「ん? どしたアリス」


 私って、魅力的なのかな。

 

 いやいやなに質問してるんだ。ナルシストかっ。

 勿論リリファさんから見ての話なんだけど! ゴメンね変な話を振っちゃって。


「アリスは」


 ナルシュ君が普段よりか細い声で。


「アリスは、その、俺から見ても可愛い、女の子、だと思う」


 モニョモニョって呟いてる。小さな声で。だーってリリファさんがー。うーん変に言い訳すると余計に恥ずかしいや!


「私の話かしら」


 いつの間にかリリファさん。肌と肌を、頬と頬を密着させて手指は私にぐっと近づけてて。


「なあリリファ。お前はアリスの事が好きなのか」

「当然よ。アリスは可愛いでしょう」

「俺もアリスは可愛いし、好きだけど」

「ふうん。ねえナルシュ。貴方はアリスのどこが好き? 可愛い以外で答えてちょうだい」


 え゛何の話?


「ア、アリスの好きなところは……」

「好きなところは?」

「アリスは優しいし、綺麗だし、笑顔が素敵だし、その俺、一目惚れした時よりも何倍も何倍も好きになってるし」


 なんで私の話題で盛り上がってるんだろ。照れるし、なんか恥ずかしい。


 戦闘訓練は早めに切り上げてそれ以外の雑務の練習。まず最初はキャンプセット。それを屋敷の庭で組み立てては解体してのタイムアタックを始めた。


 ナルシュ君とは互角のスピードだけど回を重ねるごとに私の方が勝率上がってきてるのが嬉しい。


 このキャンプセットはリリファさんの特製。仮縫いで、ボタンの金具で留める風に改造してくれた。


 炎熱魔法を利用した焚火の起こし方とか、あと野外での簡単な調理法とか。約一時間、セクハラ混じりながらも丁寧に指導してくれた。


「素晴らしいわアリス。今日一日頑張ったご褒美に、ベッドの中で、お互い一糸纏わぬ姿で愛を交わしましょう」

「アホか」


 ゴツゴツした浅黒い拳骨がリリファさんの頭に降り注いだ。あぁ仕事終わったんだ。


「痛いです。骨身に沁みます」

「うっせ。ようアリス、改善のアイデアはどんどん出してくれ。お前が頑張ってくれれば俺が楽できて睡眠時間が確保できる。んれから依頼内容に変更あったから伝える。おーいナルシュ」


 ジト目のリリファさんを無視して、遠くでジャマダハルの素振りしてたナルシュ君を呼んだ。


「会談にお前も連れてくことになった」

「俺も、ッスか?」

「それからグリッドさんも」

「店長もッスか?」






 訓練後、ナルシュ君が洋服店へと帰宅する時間。もう夕方近い。最近は店員よりも訓練がメインになりつつあるかも。


「なあアリス。店長に教えて貰ったんだけどさ、もうすぐ王国祭が開かれるらしいんだ」


 へーお祭り。日本にいた頃は全然行ったことなかった。引き籠もってたし。

 じきに夏の暦になるから祝うのだろう。


「なぁ、アリス。……2人で一緒に回らないか」

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