語られた召喚士。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
この新しい年が、皆様にとって幸多く素晴らしいものになりますように。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
皆満腹になって、思い思いに寝転がっている。ミュゼさんに至っては、早くも寝息が聞こえている。
「全く、腹いっぱいになったら寝るなんて子供だな」
笑いながらマシュさんがミュゼさんの頭を撫でる。
「ふふ、私もミュゼの事は言えません。眠くなってきました」
そう言いながら、モーリーさんもころりと横になり、すぐにスースーと寝息が聞こえ始めた。
「私も少し休みますね。見張りはいつもルビーがしてくれるので、マシュさんもたまには休んで下さいね」
ありがたいな、とマシュさんも横になった。
『(……今のところ近くに敵と認識出来るものは居ない)』
ルビーが丸くなったまま、気配探知をしてくれた。ありがとね、と背を撫でる。
『(イオリ、話があるのだが)』
うん、言ってたね。どうしたの?
『(我とイオリが初めて会った洞窟で、召喚術を使った魔導士が居たと言ったであろう)』
そのせいで私の部屋と繋がるドアが形成されたんだよね。
『(その召喚士には連れが居たのだ。パーティのようにも見えた)』
あんな洞窟の奥にひとりでは中々行かないだろうしね。パーティであっても不思議はないよ?
『(そのパーティの一員……召喚士に召喚術を使うよう命じていたのは、多分モーリーの父親だ)』
え……えぇっ!?
『(モーリーとよく似た風貌の、頬に紋様のある男だった)』
し、召喚士は、あの洞窟で一体何を召喚したの?
『(興味が無かったのでな、見ていないのだ)』
そっか。他の者と関わるのが嫌で引きこもっていたくらいだもんね。その巨体でどこに隠れていたのかが気になるけれど。
『(気にするな。それだけ伝えておこうと思ってな)』
そっか。
何となく、モーリーさんのお父様達が良いことをしていたようには思えないけれど、思い込みもよくないし、頭に入れておくね。
『(そうしておいてくれ)』
そう言いながらも、偶然とは思えないモーリーさん達との出会いについてや、召喚士を従えたモーリーさんのお父様のこと、辺りが薄ぼんやりと明るくなる時間まで考え込んでしまったのでした。




