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サースコッコとネチスタの木。





 シャラトと別れて、私達が目指すのは本都! ……なんだけれど、ルビーにうまいこと言い包められて本都に向かいがてら、どこかのダンジョンに寄らなければいけないようです。



 イレイドの谷を抜けて、更に南へと下っていく。ルビー曰く、逆三角形になっているここ、エラリア大陸の最南端にあたる岬にダンジョンがあるらしい。昔の話だがな、と言っていたから在るかどうかは解らないみたい。



 で、出来ればありませんように……!



『(……ひどい祈りだな。イオリが行ってもいいと言ったのではないか)』



『ダンジョン行くのー? ぼく、頑張って戦うからね!』







……………………………………







 ルビーの背に揺られて、気づけば辺りもずいぶん暗くなってきていた。草原を抜けて、小高い丘を越えて野営場所に選んだのは葉がたっぷりとしげった大きな木の上だった。この木なんの木みたいな見た目の、かなり高い木。何を言っているのか解らないと思うけれど、私も解らない!!



「ルビー!? 何でいきなり木の上なの?」



『(ここいらは好戦的な魔物が沢山いるのだ。空を飛んでくるものも居るが、地に居るよりは安全だと思ってな)』



『大きな木だねー! この葉っぱ、食べられるかな?』



 こらっ! 何でもかんでも口に入れちゃだめっ!



『主、かんていしてよー』



 そういえばそんな便利なスキルがあったんだった。

 鑑定使用っ!



“種類︙ネチスタの木。葉は煎じて薬となり、実は数年に一度実る。サースコッコが好み、巣を作るので有名な木である”



 ……だって。一応食べられるみたいだよ。美味しいのかどうかまでは解らないなぁ。これは私のレベル不足なのかな?



『食べてもいーい?』



 いいよ、毒はないみたいだし。



 いただきます! と、もっしゃもっしゃ大きな緑色の葉っぱを食べていくエンリル。一枚食べては、また一枚。お、美味しいのかな。



『おいしいよ! シャリシャリしててね、ちょっとだけ苦い!』



 苦いのもイケちゃうのは葉っぱだから? 鳥補正的な?



『(イオリ! こっちに来てみろ!)』



 離れた所からルビーが呼ぶ。太い木の枝は私が歩いても全然しならない。

 そばに行き、ルビーがちょいちょいっと手を指した先には、私の顔くらいの大きさのほんのり桃色に色づいた丸っこいものがあった。



 何これ。石?



『(サースコッコが産み落としたものだ。これから雛が孵る)』



 サースコッコ見た事ないから想像つかないんだけれど、コッコって言うくらいだから、ニワトリみたいなのかな。



『(孵る前のこれを割って、中身を喰うのがうまいのだ)』



 言葉にすると、とっってもグロいね。要はたまごなんだね。ニワトリのたまご!



 想像を巡らせていると、期待に満ち溢れたキラキラした瞳で私を見つめるルビーとエンリル。

 これは……このたまごを使って料理を作れという眼差しかな……。



『(正解だ)』



『わーい! ごっはんー!』



 大きなたまごを前に、よだれがぼたぼたの二人。こんなの調理した事ないから自信はないけれど、やれとおっしゃるのならやってみせましょう!






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