病院-先輩と超能力者-
「ええ〜っと…
今回真理チャンが持ってきてくれたアレ、前総理大臣のDNAと一致しましたぁ!」
声の主は『政府機関特別病院〈超能力者R科〉』に勤務している元同級生の
藤色香奈。
「え…?前総理大臣?」
そしてこいつが後輩なわけだけど、上下関係は…まあ良好?
「そ、どっかで見たと思ってたらそーり大臣だったワ・ケ・。」
「しっかし、情けない顔して総理大臣だったんですね。」
結構毒舌なのがアオに定着した私なりのイメージである。
それも仕方が無い…。
「で…なんですけどぉ
何で前総理大臣がコンナコトしていたのか調べるのをぉ
お二人にして欲しいとのことですぅ。」
甘ったるいしゃべり方に少しイライラしてしまう。
「あのさ…そのしゃべり方なおんないの?
なんか聞いててイライラするんだけど!」
「仕方ないわよぅ
ずぅーっとこのしゃべり方なんだからぁ。」
「………。」
やめてアオ。
沈黙+蔑みの目はヤメテ。
「で、やるのぉ?やらないのぉ?」
「やるわよ。やれば良いんでしょ?調査。」
「そうそう。さっすが真理チャン話が早ぁい。
真理チャン、アオくん昇進をお楽しみにぃ。」
その声をバックに『研究室』からでる。
「しっかし先輩。
先輩の知り合いはクセの強い人が多いですね。」
と少々馬鹿にした口調に
「…アオ君は自分の立場わかってるかなぁ?」
と返すものの、「はぁ?」という表情を返された。
ざまぁ。一番下っ端はその表情で一生居るんだな。
「先輩。」
「ん?なに?」
「俺、怖いんです。
のめり込めばのめり込むほど回りが敵が多くなってきている気がして。
もう…怖くて怖くてたまらないんです………。」
初めて見るアオの顔。
小さくガタガタと震えながら言う言葉は蚊のようにか細いものだった。
「大丈夫。私がいる。」
「あんしんですね…。」
「そりゃどうも…。」
「先輩といると安心します。」
「始めてだよそんなこと言われるの。」
ケラケラと笑っていると、アオは
「こんな気持ちになったのも…。」
と言った。
どんな気持ちなのかはロボットのように人の言いなりに動いてきた私には
到底理解し難いものだった。




