10 〜 征司 ver 4 〜
「宮永先輩、今日は、ありがとうございます〜」
「いえ、仕事なので。」
そう言って、後輩の女性から、距離を取る。
相変わらずだな…
内心、ため息をつく。
社会人になって、少しはマシになったが、まだまだだな。
大学時代、彼女にいろいろと嫌がらせをしていたみたいだが、相手にされてなかったな。
まぁ、俺も、似たような感じか…
と、昔を思い出す。
あの時から、惹かれたんだろうな……
「先輩? ボーッとして、どうしたんですか??」
粘着質のある声とともに、腕を絡められて、現実に戻される。
俺は、絡められた腕を解く。
「藍澤さん、馴れ馴れしくするのは、良くないよ。 俺は、仕事で来てるからね。 これ以上、そういう態度を取られるなら、帰らせてもらっても?」
それとなく釘を刺す。
「宮永先輩、相変わらず、カタイですね〜」
「華元くん? ケンカ、売ってる?!」
俺は声の主をジト目で見る。
見られた本人は、身震いをし、お〜コワ、とオーバーリアクション。
やれやれ、つい、ため息がでる。
この二人といると、気分が滅入ってくる。
離れる(仕事)をするかな?
「まだ、『先生』とやらは、来ないよね?」
俺は、二人に確認する。
「ええ、まだかと……」
「じゃあ、挨拶周りに行くから、二人とも、悪ふざけは、しないようにね。」
「私も、いきます。」
「困るから、大人しくしといてくれ。」
そう言って、二人から離れた。




