9 〜征司 ver 3〜
じゃあ、俺も用意するかな。
彼女を見送った後、頭をかき、背伸びをする。
俺も彼女と一緒で、行きたくないけど…
仕方がない。
軽く身支度を整えると、タクシーを呼び、自分の家へと戻る。
しばらく、帰ってきてないから、なんとなく、埃っぽく感じるね、ハウスクリーニングでも、頼むか。
などと、独り言を言いながら、シャワーを浴びる。
彼女には、騙してしまう形になったけど、俺の家は、水浸しにはなってない。
彼女との繋がりを断ち切りたくなくて、咄嗟に考えた案。
ほんと…、幼稚だよな。
渇いた笑いが出る。
シャワーから出、体を拭き、髪をドライヤーで乾かす。
時間まで、しばらくあるから、音楽でも聴いて、気持ちを落ち着かせるか。
バスローブを身につけ、ソファーに腰を下ろすと、目を閉じた。
――ピー、ピー、ピー
アラームが鳴り響く。
少し、眠ってしまったか…
バスローブを脱ぐと、シャツを着、スーツを着る。
髪型を整え、鏡を見る。
まあ、こんなもんでいいか。
今日は、仕事で付き合いのある後輩のエスコート。
別に俺でなくても、いいのだか、顔見知りだという事で、断れなかった。
はあ〜、乗り気じゃないが、ビジネスだと思い、自分の気持ちを落ち着かせる。
なんでも、ドラマの為の親睦会とか。
お酒もアリみたいだから、タクシーで行くか。
身支度を整えると、家を出て、会場のあるホテルに向かった。




