07.ひらめきは突然に
夕方遅く山小屋の苔部屋の発光苔の観察と水槽の点検に行き、子どもダンサーズ隊の見守りから帰ってきていたカーラさんにスライムのことを聞いた。
「私が山小屋に戻ってきたときもここにいたみたいだったわ」
「そうですか」
カーラさんの言うこことは苔部屋の扉の前。
ネダヤラリを干し始めた頃から、苛立っているわけではないがどこか落ち着きがないスライム。私は妖獣の朝の餌やりで山小屋を出てしまうと、夕方まで山小屋に戻ることはほとんどなくて、山小屋を中心とした場所で妖獣たちが遊び回りたいときにトイレに寄ることがあるくらい。日中のスライムの様子を事細かに知っているわけではないので、今回ニット先輩に山小屋を貸して教えてもらったことだった。
「掃除を怠るとビシビシ鞭打ち音で脅すって聞いていたけど、前回も今回もそんなに掃除できていないのにまだ見たことなくて」
「あー、あれは多分私以外にはやらないと思います。掃除は頑張らなくて大丈夫です。カーラさんが落ち着くのが先決ですから」
「ええ。本当にありがとう。だいぶ落ち着いた気がするわ」
カーラさんの表情が柔らかいので、落ち着いてきているのは見てもわかる。
妊娠したのを機に教師を退職したカーラさん。育児が落ち着いたら復帰を考えると行っていたけれどまだ先のこと。エバンスくんの泣きじゃくりで鬱々としていた自分から脱却でき、子どもたちと触れ合える時間があるのは嬉しいらしい。けれど子どもアルバイト兼ダンサーズ隊の見守り役を張り切ってしまい、一人ひとりの子の性格などを考え、いい方向に向かうようアドバイスしなきゃと向き合いすぎて、気が付かないうちに心が疲れてしまった。
カーラさんはとても優しく、とても真面目だと思う。でも体調を崩したら子どもたちも心配する。
今回カーラさんに心の疲弊に気づかせてくれたのは、「かぁらおばさん、なやみごと?」と声をかけてくれた子どもの一言だった。
無意識に表情が険しくなっていたようで、子どもに気を使わせてしまった。すぐにこのままではいけないと夫であるニット先輩に相談できたので、閉じこもって鬱々していた頃とは違う。
「山小屋を使わせてもらってごめんなさいね」
「いいえ! いいえ! 私こそ部屋をお借りできて助かってます! 空き部屋を借りる費用が浮きましたし!」
カーラさんが申し訳ない顔をして言うのですぐに否定した。
山小屋と職員寮のニット先輩たちの部屋を、期間限定で住まい交換する話は、利害の一致があって実現した。なのに謝られてしまうと違うと思ってしまう。私の言葉に続いて、ヤスさんが「まあまあ、こういうときは『ありがとう』ですよ!」とカーラさんを冗談交じりに窘めてくれた。
私も「部屋を使わせてもらえてありがとう」だし、カーラさんも「山小屋を使わせてくれてありがとう」でいい。
ヤスさんからのウインクに私も瞬きでお礼を返した。
カーラさんから話を聞いて、今はどこにスライムがいるのかと探したら、ニット先輩とヤスさんが上だと天井を指した。
私が来る直前に壁伝いに登って行き、平べったくなって張り付いたという。言われなければどこに張り付いているのかわからない。照明が少し反射するあの辺りがスライムか。
「スーラーイーム、ちょーっと話があるんだけどなー」
天井は無反応。
少し呼びかけ続けてみたけれど、見上げている私とニット先輩の首が疲れてきてしまった。
「首が痛くなってきました」
「スライムの動きがわからないと何の応答なのか読み取れないからなぁ」
ルシア先輩のところに行く時間もあるので、今日は諦めようと視線を床に戻して首のマッサージをしていたら、目の前にロープのようなものが垂れ下がってきた。
デローン。
一本のロープのようになって床にとぐろ巻きになったスライム。
エバンスくんはきゃっきゃと楽しんでいるけれど、カーラさんにしっかり抱いてもらって近寄らせない。
特にトゲトゲしていないので怒っているわけではないのはわかるけれど、やっぱりいつものスライムではない感じがする。
そのままヘビのようにウネウネと動き、寝床にしているボウルに収まってしまった。
「うーん。職員寮に連れていきます」
「そう? とくに悪さはしないから置いていっても大丈夫だよ?」
「スライム、どうする?」
無反応。
「山小屋に残るならボウルから出る。私と職員寮に行くならこのまま」
無反応。
「連れていきますね」
「うん。そうそう、ルシアがだいぶ煮詰まっているって聞いたから無理しないように」
「わかりました」
スライムが干していたネダヤラリは私の部屋の床にレジャーシートを敷いて並べておき、カーラさんに一日数回の換気をお願いした。
浮遊バイクの前カゴにボウルを置き、職員寮に向かう。
夕闇が迫っていて、ライトがあっても闇に飲み込まれそう。
「リリカー」
「あ、チビ。練習長かったね」
山小屋がある山から下りて平地を走り出したら、チビが管理所の方向からふよふよと漂ってきた。
「子どもたちはちゃんと早く帰したけど、 追加の練習で延長したんだ」
「追加?」
「うん。ユリアンヌちゃんがさ、お姫さまの生まれ故郷のお祭の曲ができないかって」
「そう……」
「立てないんだってね」
「うん。午後にあったご挨拶は車椅子でお姿見せてくれたけど」
一般報道された王子殿下と領主の挨拶の場に、王子妃殿下もお姿を見せてくれた。
車椅子に乗っていて、微笑まれていた表情に苦しげな雰囲気はなく、こうしてお姿を見せられるくらいはいいという認識を世に見せた。
──そう演じられた。
お化粧でかなり誤魔化していたと思う。
「ユリアンヌちゃんもお姫さまの姿を見て何か思ったのかなー」
「そうかもね」
侯爵様などとも話をしているだろうし、ユリアンヌちゃんも思うことがあったんだろう。
お祭りの曲を実際に演る演らないは決定事項ではないけれど、急いで楽譜を探して数回練習していたらこの時間になったという。
「ところで、なんで、スライム?」
「なんかね、苔部屋の前にジッと佇んでいたりしたんだって。理由がわからなくて。カーラさんの休息の邪魔にならないように連れてきたの」
「ふーん?」
妖獣の仮の姿のままだと妖獣同士が交信し合う異能も通用しない。
なぜ苔部屋の前に佇むのか教えてもらいたいけれど、スライムが言葉で教えてくれるわけではないので、連れてきたけれどわからないだろう。
「チビはまたこの辺で寝るの?」
「だってリリカが山小屋にいないし」
だよね。
私が入院すると、ここにチビが鎮座して動かなくなるので、もはやチビの第二の寝床と認識されている。今回は入院ではないので勘違いされないといいな。
「ルシアさー、昼過ぎにうわうわ言いながら走ってて、追い詰められてんなーって工事の人たちと見てた」
「え? そんなことあったの?」
「声をかけても泣きそうだったからさー」
「そっかー。今日は頑張らずに飲み食いで慰めるだけにしてこようかな」
「それもありだと思うなー。じゃ、オレっちはここ! ちょっと疲れたからもう寝る~」
「うん、お疲れさま」
チビと別れて職員寮の駐車場に浮遊バイクを置き、スライムの入ったボウルを持ってニット先輩んちである部屋に移動。育児支援班が寝泊まりするときに使う寝床がリビングにあったので、私はそれを使わせてもらっている。
「ここはニット先輩たちの部屋。物を壊したりしないでね」
台所のテーブルにボウルを置いたらスライムがのろりのろりと這い出てきた。
多分キョロキョロしている。どこが目なのかわからないけれど。
「私はルシア先輩のところに行かなきゃだから、大人しく留守番しててね」
フヨ……フヨ……。
何か言いたげ。そんな感じがした。
「……何か、私に伝えたいことがある? 苔部屋の前にいたのもその何か?」
フヨ……フヨ……。
なんだろう。
スライムは機嫌が悪いわけではない。それならトゲトゲした姿になったり、体の一部を鞭のように長くして床や壁を叩いてビシビシと音を立てて主張する。機嫌がいいと踊るからそれもわかりやすい。
落ち込んでいると思われるときは平べったくなる。モラさんに謎茶分析で不許可が出たとき、最初は憤慨のトゲトゲとなったけれど、そのうち悄気たのか平べったくなった。空き瓶盗難事件のときも牧場の棚の中であれは多分泣いていた。
このスライムも自分が妖獣の仮の姿だとバレたことは認識している……と思う。
私が妖獣の記憶の断片を言わない覚悟をしたあの夜から、スライムも明らかに変わった。
体を自由自在に変化させて、いろいろと主張が強くなった。わかりやすくなったのはいいのだが、それでも言葉ではないのでこちらが考えて答えを導かないとならない。
苔部屋の前。
苔。
ここ最近で変わったことは発光苔が成長した。
「発光苔は関係ある?」
ブヨン。
あるのか!
それだけで驚きで、ここから何を聞けばいい?
「発光苔、発光苔、……成長したこと」
ブヨン。
「それを喜んでくれている」
無反応。
だよね。私のことで喜んでくれるときは踊る。
「テノヒラ魔苔が枯れたけど関係ある」
無反応。
テノヒラ魔苔を枯らしてしまったのは私のミス。湿気があり過ぎても枯れるのに水をやり過ぎてしまったのが原因なのもわかっている。あれは研究とは関係なく、手のひらのような形になっていくのが面白可愛いので個人的に育てていたもので、また見つけたら採取してこよう。
発光苔が関係するなら聞き出したい。スライムも何かを教えようと訴えたくて行動してくれているのだろう。しかし、チラリと時計を見たらルシア先輩の研究室に行く約束の時間が迫っていた。
「ごめん。ルシア先輩のレポート作成に行くから、また帰ってきたら質問していい? 寝てたら起こさないから」
デローン。
スライムはテーブルから流れるように床に落ちた。私が質問を止めたので部屋の探索を始め……訂正、掃除点検が始まってしまった。お借りしているから最低限は掃除してるけど、人様の家だし、手を出しにくいところもあってだな。
ビシッ! ビシッ!
「……帰ったらそこも拭くね」
久しぶりに怒られた。
多少の埃で人は死なないのに、わかってくれないかなー。
保冷庫に食べるものはほとんど入っていない。さっきはスライムの入ったボウルを抱えていたので売店を通り過ぎてきたのが地味に時間のロス。一階まで降りて売店でサンドイッチを購入して廊下のベンチで急いで食べて、ルシア先輩が実験で使っている研究室に向かった。
ルシア先輩はデスクに向かって黙々と何かを書いては唸り、並べている情報端末のモニターを凝視していた。目の下は隈が酷くて、これはおそらく寝ていない。チビからの話もあったのでレポートまとめの手伝いよりも、ルシア先輩を寝かせないとまずい気がする。
「あー、リーリーカーだー」
「ルシア先輩、睡眠不足で頭が働かないのもだめですって。寝ましょう。データはまとめておきますから」
「寝られないのー」
「ああ」
わかる。とてもわかる。気になって眠れないその感じ。
でも、今のルシア先輩は頭が働かなくなっている。この眠れない状態を超すと気絶するように寝てしまうけれど、その一歩手前だなと思った。
今回ルシア先輩が実験していた中に失敗が出てしまった。メインの研究のやり直さないとならなくなり、それで落ち込んでしまい、レポートまとめに難航。「この条件だとこういう失敗になるという報告だって一つの成果です。発光苔は成長ゼロ経過ばかりだったんですから!」と自虐しつつ慰めたけれど、ルシア先輩が気持ちを切り替える力には足りず、悶々としているルシア先輩を見守りつつの手伝いだ。
ルシア先輩は菌研究者。一口に菌と言っても多種多様で、その中でも変形菌を研究している。よくキノコやカビと間違われるけれど、まったく別のアメーバー動物の仲間でルシア先輩が研究テーマとする変形菌の主な生息地は森の中。
妖獣が飛び回って遊ぶのを見守りつつ、森の中で出会う変形菌を研究している。
妖獣たちの遊びに付き合って森の中を動き回るのは体力がいるのでつらいこともあるが、ルシア先輩は変形菌と出会えることが嬉しくて「これだから妖獣見守りは止められない」とニコニコしていて、妖獣にぶん投げられることを喜んだりする。それもどうかと思うとぼやいたら、「その先に苔があったらリリカも同じ」とチビに言われた。否定はできなかった。
ルシア先輩は一年前くらいからとある変形菌の成長過程を調べていて、借りている研究室で観察を続けていたけれど、何がいけなかったのか全滅してしまった。
レポートをまとめようとしていた矢先だったこともあり、パニックになったルシア先輩。ルシア先輩の様子を知ったまわりの研究職員の方々から、「今回の落ち込み方はやばい」と教えてもらったこともあって私がレポートまとめの補助に就いた。
「レポート提出したら心機一転で採取しに行きましょう。だから今は寝ましょう。寝ないとまとめたいものもまとまりませんって、ルーシーアーせーんーぱーいー!」
「せっかくここまで育ってたのにー」
あー、睡眠不足によるマイナス思考落ちに突入している。
これはだめだ。本格的にだめだ。
ルシア先輩の研究室の常備薬の箱を開けたが飴玉とキャラメル菓子が出てきた。そういう用途の箱じゃない。でもルシア先輩らしい。
ルシア先輩の研究室を出て、明かりがついている研究室をいくつか覗いたけれど、接点のない職員さんには声をかけにくい。躊躇っていたら、少し先の研究室からピンクセロロラペリル毒苔の処分でお世話になったメジャルドさんが廊下に出てきた。
「どったのー?」
私のことを知っている人に会えた! 救世主!
「すみません! 盛ってもいい睡眠導入剤をお持ちではないでしょうか? 弱いのでいいのですが」
「ん?」
「あ、あの、ルシア先輩がやばくて、その、一度寝かしたくて」
「ああ、悶々としているのを見たけど、寝てない?」
「寝られないと」
なるほどね~、と肩を竦めてわかってくれた。
寝食忘れて没頭するのは研究者あるある。医務室連行というには微妙で、しかし寝かせないと危ういときに睡眠導入剤を盛る。盛っても問題がないと許可が出ている睡眠導入効果のある薬草茶が多いが、盛るときは三人以上で判断しないといけない。
メジャルドさんが明かりのついている研究室に声をかけて、三人よりも多い六人を集めてくれた。
「いつもはどれ盛ってんの?」
「ルシア先輩は普段は薬を飲まなくて、私が盛るのも初めてで」
「そっか、そっか。待ってろ。えーと、盛った記録あるといいけど……ってあった、あった。四年前だがこれだ」
「一番弱い薬草茶ね。妊婦も飲める安全なものだし、寝てないならこれでいけるんじゃない? 誰か持ってる?」
「あるぞー」
「ありがとうございます! あとで返します!」
「いらない、いらない。あ、だったらさ、謎茶つーのを分けてくれない?」
「全種類持ってきます!」
眠りを促す薬草茶のティーバッグを分けてくれたのは、これまで話しかけにくいと思っていた男性研究者さんだった。とてもいい人だった!
「おーい、ルシアが『リリカが消えたー』って泣いてるぞ!」
「ええ!?」
「行きなさい。お茶は持っていってあげるから」
母と同じくらいの年齢の女性研究者さんが苦笑して追い立ててくれたので、お茶の用意をお願いしてルシア先輩のところに走って戻る。
「リリカが見捨てたー」
「ルシア先輩ー! 見捨ててないですよ! お茶もらおうかなってちょっと出てただけですから!」
「リリカー」
ルシア先輩の思考が完全にどん底。もうこのまま泣いて疲れて寝てもいい。
すぐにさっきの女性研究者さんが「ルシア、一息いれなって!」と、薬草茶と焼菓子を差し入れのように持ってきてくれた。
メソメソ泣きながら薬草茶を飲み、マイナス思考全開で自分のミスを責め続けていたけど、ほどなく無事に寝てくれた。
「ありがとうございました」
「おーう。いいって」
「結構寝るの早くてよかったわね」
デスクに突っ伏して寝たルシア先輩は、搬送用のベッドで医務室の急患用一時入院室に運ばれて行った。本人の意思を確認せず寝かせてしまったので、直近いつトイレに行ったかわからない。万が一でも寝たまま漏らしたら困るけれど、そのあたりは医務の方々がよくわかっていて手慣れた様子で預かってくれた。
「はい、リリカさんも『盛りました報告』にサインしてもらっていい?」
「何から何までありがとうございます」
本人の了承なく睡眠導入効果のある薬草茶を飲ませた始末書にサインをしようとしたら、主犯になる欄にメジャルドさんの名前があった。主犯は私だと思う。訂正してもらおうとしたけれど、役職付きが主犯にいるほうがいいから気にすんなと言ってくれて、一番最後に名を連ねた。メジャルドさん、ありがとうございます!
ルシア先輩、何日まともに寝ていなかったんだろう。
少々散らかっていたルシア先輩の研究室のデスクを片付けたら、書き殴られた紙がいくつもあった。情報端末のモニターには参考文献や死滅した変形菌の分析結果表が映っていて、昨日までに諸々の分析結果表をレポート用にグラフ化したけれど、それとは別のものだった。
「これは~、……変形菌死滅後のバクテリアの増減かな? うん、バクテリアだ」
バクテリアはルシア先輩の研究テーマ外。なぜルシア先輩がバクテリアのデータを見ていたのだろうかと少し考え、変形菌死滅の失敗から知ることができたバクテリアの増殖について、バクテリア研究をしている誰かに役立てばとまとめていたのかもしれない。
「じゃ、この分析もグラフにしたかったのかな?」
それならグラフにしておけばいいかな? と作業を始めた。
小さな小さな生命体の世界。顕微鏡を覗かないとわからない世界。目に見えない生命がそれぞれに関係しあっているのを知るのも楽しく、そうして世界はできている。
「……! あっ!」
キーボードを打ち込んでいた手が止まった。
頭の中を縦横無尽に思考が駆ける。
もしかして? いやまさか? を数万回と繰り返したくらい頭の中がぐるぐるして、ひらめいた仮説に一人問答を繰り返していたら、ふいに肩を叩かれた。
「うわあっ!」
「うわあって叫びたいのはこっちだ。何回声をかけてもボーッとしてるから、リリカさんまで目を開けて寝たんじゃないかって驚いたぞ?」
「メジャルドさん?」
「なんで疑問形なんだ。リリカさんも寝てないのか?」
「……あ、いえ、すみません。自分の研究のことで思いついたことがあって、考えごとしてました」
ジャルドさんの後ろから、さっき薬草茶をくれた男性研究者さんも顔を覗かせて私の様子を伺ってきた。
「今夜はもうあがったほうがいいんじゃないか?」
「おう、俺らも今日はあがるぞ? やっぱ寝ないとな」
レポートをまとめないとならない本人がいないのだからと諭され、私も引き上げることになった。
ニット先輩の部屋に戻って、玄関扉を閉めてすぐに情報端末を起動し、モラさんからもらった謎茶分析表を出す。
あるはずだ。このデータにあったはずだ!
「……どこ、……どこ? んー、あった!」
仮説の答えに近づけるかもしれない文字がそこにあった。
評価や感想などを頂戴できましたら、執筆の励みになります。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。




