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悪役令嬢レティシア、二人になりました  作者: 南蛇井


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Scene 4 正論を言いすぎた

「王都で何をした?」


そう問われて、レティシアは少し考えた。


普通なら、もっと別の答え方をするだろう。


『身に覚えのない罪で追放されました』


あるいは、


『誤解があったのです』


そう説明するのが、貴族としては正しい。


けれど。


レティシアは、正直に答えた。


「……正論を言いすぎたから、でしょうね」


「…………」


沈黙。


ハロルドは何も言わない。


隣に立つニーナも何も言わない。


部屋の中に、妙な静けさが落ちた。


レティシアは自分の言葉を思い返す。


(……なんで私はこんな答え方をしたのかしら)


少し後悔した。


もっと無難に答えればよかった。


そもそも、追放された理由を聞かれているのだから、こんな妙な返答をする必要などなかった。


(……『正論を言いすぎた』って何よ)


自分で言っておいて、かなり間抜けな答えに聞こえる。


レティシアが視線を逸らしかけた、そのとき。


「それだけか?」


ハロルドが言った。


「……え?」


「正論を言いすぎた。それだけか?」


レティシアは少し考える。


そして。


「……たぶん」


「…………」


また沈黙した。


ハロルドは腕を組んだまま、じっとレティシアを見る。


レティシアも、黙って見返す。


(……何なの、この人)


何かを見定められている。


そんな感覚がした。


まるで、追放された令嬢を見るのではなく――


一人の人間を見ているような。


ハロルドの視線は、しばらくレティシアから離れなかった。


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