↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢レティシア、二人になりました  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
114/178

第8場面 クラリスが気づく


――ある日のこと。


クラリスは、レティシアと二人で庭園を歩いていた。


「レティシア様」


「はい?」


「……少し、気になっていることがあるのですが」


クラリスが、ためらうように口を開く。


「なんでしょう?」


「最近のレティシア様って……」


そこで一度、言葉を止める。


「何をお願いしても、断りませんよね?」


「……そうかしら?」


レティシアは不思議そうに首を傾げた。


「はい」


クラリスは頷く。


「以前なら、嫌なことは嫌だとおっしゃっていたような……」


「…………」


レティシアは少し考えた。


昔の自分。


誰かに無理を頼まれれば。


「それは難しいのではありませんか?」


「それは、あなたがするべきことでは?」


「申し訳ありませんけれど、お断りしますわ」


そんなふうに答えていた。


「……そうだったかしら」


レティシアは、ぽつりと呟いた。


「はい」


クラリスの声は優しかった。


「だから……少し心配なんです」


「心配?」


「無理をしていませんか?」


「…………」


レティシアは一瞬、目を瞬かせる。


けれど。


「大丈夫ですわ」


答えは、すぐに出た。


「本当に?」


「はい」


そして、レティシアは微笑む。


「私は幸せですもの」


「…………」


クラリスは黙った。


レティシアは、いつものように穏やかな笑顔を浮かべている。


何も問題などない。


そう言っている顔だった。


けれど。


クラリスには。


なぜか、その言葉だけが引っかかった。


――私は幸せですもの。


まるで。


自分に言い聞かせているように聞こえた。


「……そう、ですか」


クラリスはそれ以上、何も言えなかった。


レティシアは笑っている。


本当に嬉しそうに。


だからこそ。


クラリスは、余計に不安になった。


(……どうしてかしら)


以前のレティシアなら。


嫌なことには、嫌だと言った。


腹が立てば、怒った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。