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Scene 11 正式な評価
ハロルドは広げた地図を片づけると、レティシアをまっすぐ見た。
「一つ、言っておく」
「……何かしら?」
ハロルドは、少しだけ間を置いた。
「グランフェルでは、お前を『追放された悪役令嬢』として扱うつもりはない」
レティシアの目が、わずかに見開かれる。
「……では?」
ハロルドは、あっさりと言った。
「レティシアとして扱う」
「…………」
あまりにも簡単な言葉だった。
けれど。
レティシアは、すぐには返事ができなかった。
王都では、自分の中の一部分を切り離された。
そして、その部分を――
『悪い部分』と呼ばれた。
だから追放された。
自分でも、一時はそれでいいと思った。
嫌われる自分なんて、いらないと思った。
けれど。
この場所では違う。
悪役でもない。
追放された令嬢でもない。
ただ――
レティシア。
それだけだった。
「…………変な人ね」
ようやく、それだけを口にした。
ハロルドは少し笑う。
「よく言われる」
「お嬢様もですよ」
ニーナが横から付け加えた。
「あなたは黙ってなさい」
「はい」
即答だった。
ハロルドが笑う。
レティシアは少しだけ頬を膨らませた。
けれど。
その表情は、どこか嬉しそうだった。




