↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新宝島  作者: たかたか
PR
27/31

第27話:執拗なシルバー

盗んだスループ船は風を捉え、港を勢いよく離れていった。

後ろからシルバーの部下たちの怒号と銃声が聞こえるが、距離は徐々に開いていく。

「帆を最大限に広げて! このまま逃げる!」ジムが舵を手にして、叫んだ。


騒ぎを聞きつけたシルバーは、アジトから飛び出すように港へ駆け下りた。隻眼で遠ざかる船を捉え、義足を強く地面に叩きつけた。

「ジム・ホーキンズ……!またしても俺の邪魔をしやがって!」

部下が慌てて報告する。

「船長! 宝の一部は奪われ、船も一隻やられました!」


シルバーは低く笑い、ゆっくりと頷いた。

「……いいだろう。ここが最後の戦いだ。トム・ゴールドから続いてきた因縁を、ここで終わらせる。俺が直接、あいつを仕留める!」


シルバーは残った船団を召集し、自ら旗艦に乗り込んだ。

「全員出航だ! 今度こそ絶対に逃がすな!」

大海原に出たジムたちの船は、逃げ切る思いで必死に帆をはらませていた。しかし、シルバーの船団はすぐ後ろまで迫ってくる。


昼は太陽の下で、夜は星明かりの下で、容赦なく追撃が続いた。

シルバーの船団は、まるで影のようにぴったりと後ろにつきまとっていた。


普通ならここまで粘らないシルバーが、今回は異常なほど執着している。

「まだ離されない……! どうしてこんなに執拗なの!?」ヘレンが後方を確認しながら叫んだ。

アダムスが銃を構え、厳しい声で答えた。

「シルバーはいつもなら損得を考えて引く男だ。だが今回は違う。目が据わっている……トム・ゴールドとの因縁を、ここで終わらせるつもりなんだろう」

「おじいちゃんの仇を……あいつは絶対に諦めないんだ。普通のシルバーじゃない。今度ばかりは本気だ」


波が船を激しく揺らし、帆が風をはらんで軋む。

昼間は強い日差しが甲板を照りつけ、夜は冷たい潮風が体を冷やした。それでもシルバーの船団は距離を詰め続け、時折銃声が後方から響いた。

「帆をもっと広げろ! 少しでも離すんだ!」ジムが叫ぶ。

ヘレンがロープを引きながら答えた。

「分かってる! でも相手の船の方が大きいし、人数も多いわ……!こんなにしつこく追ってくるなんて、本当に異常よ!」

アダムスが双眼鏡で後方を覗き、低く唸った。

「やはり近づいてきている。シルバー自身が旗艦の先頭に立っているのが見える……隻眼がこちらを射抜くように見ているぞ」


ジムは前方を睨んだ。「あいつは……僕を、いや、おじいちゃんを許さないんだ。ここで終わらせるつもりで追ってきている」

夜が更けても追撃は止まなかった。星明かりの下、シルバーの船団の灯りが不気味に揺れている。


やがて、水平線の向こうに懐かしい陸地の影が浮かび上がった。


「……あれは」


ジムの目が大きく見開かれた。「僕の故郷だ……! ジャマイカの港町だ!」

船が近づくにつれ、木造の家々や港の様子がはっきりと見えてくる。後ろを振り返ると、シルバーの船団が黒い影のように迫ってきていた。

複数の帆が風を受け、波を蹴って一直線にこちらへ向かっている。

ジムたちの船は、故郷の港へ向かって最後の加速を始めた。

島の陸地が目前に迫る。


上陸する一歩手前——


決戦の地が、すぐそこにあった——

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。