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新宝島  作者: たかたか
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23/31

第23話:希望の船

シルバーの船が水平線に向かって小さくなっていくのを、ジムたちは森の奥から静かに見つめていた。



帆が風をはらみ、船体がゆっくりと遠ざかっていく。甲板に積まれた金貨の輝きが、陽光に反射して時折きらめく。海賊たちの笑い声が、潮風に乗ってかすかに聞こえてくる。


ジムは拳を強く握りしめ、悔しさを隠しつつも。

「……行ってしまった。シルバーは宝を全部持って、出て行ってしまった……」

ヘレンが隣で悲しそうに小さく呟いた。

「私たちの船も、壊されてしまったわ……このまま、この島で終わりなの……?」

アダムスも厳しい表情だったがヘレンと同じ気持ちだった。

「船がなければ、島から出ることもできない。シルバーを追うことも、宝を取り返すことも……無理だ」

重い沈黙が三人を包んだ。


森の木々が風に揺れ、遠くで波が岩を叩く音だけが響いている。希望が、急速に遠ざかっていく気がした。

その時、トッポが静かに口を開いた。

「……諦めるのは早い」

ジムたちが振り返ると、トッポは森の奥を指差していた。


「俺はな、ずっとこの島で一人で暮らしてきた。いつかタイミングが来れば島を脱出しようと、何年もかけて黙々と船を作っていたんだ。誰にも知られない場所に隠してある。小さなスループだが、十分に速い」


ジムは驚いたように目を大きく見開かれた。

「船を……持っているんですか!?」

トッポは頷き、少し笑った。

「ああ。シルバーの船を追うなら、今しかない。風向きも悪くない。俺の船で追いつけば、隠れ家に着く前に追いつけるかもしれない」


「本当に……追いつけるの?」

「保証はできねえが、やってみる価値はある。シルバーは油断してるはずだ。宝を手にして浮かれてる今が、チャンスだ」


ジムはトッポの手を強く握り、力強く言った。

「お願いします、トッポさん!シルバーを追いかけて、おじいちゃんの宝を……そして、みんなの仇を取り返しましょう!」


アダムスも深く息を吐き、表情が少し明るくなった。

「恩に着る、トッポ。お前の船が頼りだ」

トッポは森の奥へ歩き出した。

「ついてこい。船はすぐそこだ。準備は整ってる」


ジムたちはトッポの後を追った。森の葉を分け、隠された入り江へと向かう。そこには、木々に覆われて目立たないように造られた、小さなが頑丈なスループ船が静かに浮かんでいた。

シルバーの船はすでに遠く、水平線に溶けかけていた。


だが、ジムたちの目には、再び炎が宿っていた。

まだ、終わってはいない。追いつけば、すべてを取り返せる——

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