第22話:勝利の美酒
シルバー一味は宝を積み込んだ船に戻り、宝島の浜辺にある自分たちの拠点へと戻った。
夕闇が迫る中、海賊たちは野営地に大きな焚き火を起こし、樽からラム酒を次々と注ぎ始めた。
シルバーは義足を鳴らしながら、金貨の山の上にどっかりと座り、大きな盃を掲げた。
「はははっ! 見ろよ、この輝きを!トム・ゴールドの宝が、ついに俺の手に落ちたんだ!今夜は遠慮なく飲め! 食え! 歌え!明日からは俺たちがこの海の王様だ!」
部下たちが大歓声を上げた。
「船長万歳!」「シルバー様万歳!」「これで一生遊んで暮らせるぜ!」
ケローネも盃を傾けながら笑った。
「ああ、長い間待った甲斐があったな。ジムの小僧どもは今頃、洞窟で骨になっているだろうよ」
海賊の一人が酒をぶちまけながら叫んだ。
「おい、あのガキどもの船はどうするんだ?まだ浜辺に残ってるぞ!」
シルバーは盃を口に運び、満足げに頷いた。
「明日の朝、壊してしまえ。船を失えば、あの連中はもう島から逃げられねえ。たとえ生き残っていたとしても、ただの虫けら同然だ」
夜は更け、拠点は完全なドンチャン騒ぎとなった。酒が飛び交い、歌が響き、金貨を手にした海賊たちは踊ったり転げ回ったりした。シルバーは隻眼を細め、黄金の山を眺めながら低く呟いた。
「ふふ……最高の夜だ。トム、お前の孫は俺に負けたぜ」
翌朝。
シルバーの部下たちが浜辺に降り、ジムたちの元拠点に向かった。斧や槌を手に、船体を次々と破壊していく。帆を切り裂き、マストを倒し、船底に穴を開ける。
部下の一人が笑いながら叫んだ。
「これで終わりだ!」
もう一人が船の残骸を蹴って言った。
「シルバー様も用心深いな。あの小僧どもは生きてることはねえのに」
船体が傾き、海水が流れ込み始める。船はゆっくりと沈み始めた。
シルバーは浜辺に立ち、それを眺めながら満足そうに義足を鳴らした。
「よし、片付けは終わりだ。さあ、出航の準備をしろ!宝は全部積んだ。次は俺のアジトだ。そこでゆっくりと、この財宝を数えてやる」
部下たちが歓声を上げた。
「出航だ!」「シルバー様のアジトへ!」「もう誰にも邪魔はさせねえ!」
ケローネが船に乗り込みながら言った。
「船長、ジムの連中は本当に大丈夫ですか?もし生き残っていたら……」
シルバーは大笑いした。
「生き残ったところで何ができる?船は壊した。武器もほとんど奪った。島で野垂れ死にするだけさ。さあ、帆を上げろ!」
帆が風をはらみ、シルバーの船はゆっくりと宝島を離れていった。甲板には金貨と宝石の箱が山積みになり、海賊たちの笑い声が潮風に乗って遠ざかっていく。
シルバーは船尾に立ち、島を振り返りながら隻眼を細めた。
「じゃあな、宝島。そして、トム・ゴールド。俺たちの冒険は、ここで終わりだ」
こうして、宝を手にしたシルバー一味は、宝島を出航した。
島には、沈みかけた船と、静かな波の音だけが残された——




