第18話:宝までの道のり
一行は岩場を下り、ジムの傷を手当てしながらも先を急いだ。
ケローネが先頭に立ち、ヘレンがジムを支え、アダムスが後方を警戒する。血の匂いを残しながらさらに進むと、岩壁の隙間に不自然な裂け目を見つけた。
「ここ……」
ジムが息を切らしながら指差した。「地図にあった隠し入り口かもしれない」
隙間は人一人がやっと通れるほどの狭さだった。ケローネが最初に体を横にして入り、松明に火を点けて中を照らした。
「入るぞ。気をつけろ」
洞窟内は最初は極端に狭く、肩を擦りながら進まなければならなかった。
ジムは傷ついた左腕を庇いながら、歯を食いしばって体を横にし、岩の突起に服を擦りながら進んだ。
「くっ……狭いな、ここ」
後ろからヘレンが心配そうに声をかける。
「ジム、無理しないで。腕の傷が開いたら大変よ」
「大丈夫……みんな、頭を低くして。天井が尖ってる」
松明の炎が壁を橙色に揺らめかせ、影が不気味に踊る。
空気は冷たく湿り、苔の生えた岩からは水滴がポタポタと落ち続けていた。
さらに奥へ進むにつれて、徐々に天井が高くなり、道幅も広くなっていった。
足元には無数の動物の骨が散乱しており、白い頭蓋骨が松明の光を受けて不気味に光った。
ケローネが低い声で警告した。
「気をつけろ……ここは獣の通り道だったようだ。虎か、もっと大きなものが住んでいたのかもしれん」
道は複雑に折れ曲がり、迷路のように分岐していた。
アダムスが地図を松明に近づけながら言った。
「右だ……次の分岐は左の細い道。潮の匂いが強くなってきたぞ」
ヘレンがジムの袖を軽く引いて支えながら、
「聞こえる……遠くで波の音がするわ。海と繋がってるのね」
やがて一行は、急に視界が開ける大きな空洞へと辿り着いた。
そこは洞窟の中でありながら、海と繋がっている不思議な場所だった。
天井の一部が崩れ、陽光が筋状に差し込んでいる。床は潮の満ち引きで現れる岩棚になっており、ジムたちが到着したちょうどその時、潮が大きく引いていて、宝が眠っているはずの場所に普通に立っていられる状態だった。
ケローネが松明を高く掲げ、地図と照らし合わせた。
「……ここだ。地図の最後の印と完全に一致する。潮が満ちればこの場所は海に沈む。まさに、トム・ゴールドが最後に仕掛けた隠し場所だ」
全員が息を飲んだ。
岩棚の中央には、明らかに人が掘った跡のある地面があった。大きな石がいくつか積まれ、目印のように置かれている。
ジムは傷の痛みを堪えながら、興奮と緊張が入り混じった声で言った。
「ここを……掘るんですね」
ケローネはゆっくりと頷き、持ってきたシャベルを地面に突き立てた。
アダムスと残った船員たちも道具を構え、ヘレンはジムの傷を気にしながらも、他の船員たちを見守った。
潮が引いている今が、唯一のチャンスだった。松明の炎が揺れる中、ジムたちはついに宝を掘り始める直前、固唾を飲んで地面を見つめた。
宝島の奥深く、トム・ゴールドが命を懸けて守り続けた財宝が、今まさに目の前にあった——




