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新宝島  作者: たかたか
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13/21

第13話:クック&ヘンリー&アン

「誰だ!」



鋭い声とともに、三人の人影が甲板の向こうから現れた。

中央に立つ太った男が、左右に一人の男と一人の女を従えていた。

ジムは見つかったことに開き直り、胸を張って言い返した。

「俺はジム! そっちこそ何者だ!」

太った男が鼻を鳴らして答えた。

「なんだお前は。俺はクック。この船の舟番を任されているのだ!」

その左側にいる細身の若い男が、ため息をつきながら言った。

「僕はヘンリー……お前らのせいで怒られるのが決まっちゃったじゃないか。もう今日の晩飯は抜きだよ、きっと……」

右側の派手な赤毛の女が、腰に手を当てて笑った。

「私はアンよ! ヘンリー、そんなこと言ってる場合?こんな奴らを捕まえて、むしろシルバー様に褒めてもらいましょうよ!」


クックが目を輝かせ、腹をゆすって笑い出した。

「そうだな! お前らを倒してご褒美をもらって、一気に副船長の座に……ふふ、ぐふふふ! 俺の時代が来るぜ!」

ヘンリーが肩を落として呟いた。

「と言っても、雑用の身じゃこんなガキども捕まえても大して上がらないって……いつも通り、俺が後始末させられるんだろうなあ」

アンがヘンリーの頭を軽く叩いた。

「そうよ! むしろ敵に侵入されたことがバレたら、まず叱られるのが先に決まってるわ!あなたのせいよヘンリー! 見張りサボってたでしょ!」

「俺じゃないよ! クックが昼寝してたからだろ!」

「うるさい、お前ら二人とも黙れ! 俺が一番偉いんだからな!」

三人が甲板の上でわちゃわちゃと揉め始めた。

ジムとヘレンは思わず顔を見合わせた。シルバー一味とは思えない、間の抜けた掛け合いに拍子抜けしてしまう。


「よし、お前らを捕まえるぞ!」クックが意気込んで刀を振り上げ、ジムに向かって突進してきた。しかし、勢い余って刀が船の木の柱に深く食い込み、びくとも抜けなくなった。

「ぬ、抜けねえ……!」

クックが慌てて刀を引っ張っている間に、ヘンリーがピストルを取り出した。しかし狙いがひどく下手で、ジムの遥か後方の海に向かって発砲した。

「当たれー! ……あれ?」

アンは意気揚々と刀を持ったが、予想より重かったらしく、刀を上げるだけで顔を真っ赤にし、ふらふらとよろめいた。

「重っ……! 久々に抜いたから!」


ヘレンは呆れたようにため息をつき、ジムの腕を引いた。

「あなた達と遊んでる暇はないわ。ジム、行きましょ」

「待てっ!」

三人が一斉に襲いかかってきた瞬間、ヘレンが突然大きく両手を広げて叫んだ。


「わっ!!!」


「うわあああ!?」

三人は驚きのあまり後ろに飛び退き、互いにぶつかって派手に転倒した。クックは甲板に大の字になり、ヘンリーとアンはその上に重なって気絶した。


ジムは呆然としながら呟いた。

「……何だったんだ、こいつら」

ヘレンは小さく笑って答えた。

「分かんないけど……でも、お土産がたくさん手に入ったわね」

二人は素早くボートに乗り込み、手早く縄を解いた。

ヘレンが櫂を握り、ジムが火薬の小樽と地図の包みをしっかり抱える。ボートは静かに波を切り、シルバーの船から離れていった。

沖合いに漕ぎ出すと、島の緑が遠ざかり、風が心地よく吹いた。ジムは後ろを振り返り、笑いを堪えながら言った。

「シルバーの船番があんな連中だったなんて……少しだけ気が楽になったよ」

ヘレンも頷き、微笑んだ。

「ええ。でも油断は禁物よ。さあ、早く拠点に戻りましょう。みんなに新しい地図を見せないと」


二人が漕ぐボートは、陽光を浴びながら島の浜辺へと戻っていった。

手に入れた火薬、ピストル、そして二枚の重要な地図を抱えて——

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