当て馬2号リカルド・ラン・ロズウェルとの遭遇
新キャラ登場
私の記憶が確かなら、原作の当て馬2号は
隣国の第2王子リカルド・ラン・ロズウェル
現在の隣国は、立太子を巡る泥沼の権力争いの真っ只中のはずだ。
権力争いの上、謀殺や裏切りが日常茶飯事に廻らされており、お世辞にもよろしくない国内情勢のはず。
現在の皇王陛下には正室と側室が2人いて皇子は4人だったか…。
ともかくいまは皇位継承争いが激化しているころだろう。
ただ、リカルド自身は継承争いに混ざる気はなく、しかも同母兄である第一皇子を皇太子にすべく暗躍中だったはず。
(……あぁ、思い出したわ。原作の彼は、そんな殺伐とした日々に疲れ果てていたのよね)
リカルドと第一皇子は第一側妃の御子で、第三皇子が正妃、第四皇子が第二側妃の御子。
皇帝は長男を皇太子とすると明言しているが、正妃と第二側妃は納得がいかず、あの手この手で横やりを入れてくる。もちろん暗殺も目論まれては何とか交わしている状態だ
だからこそ隣国であるライシエル王国に王太子エルヴィンの力を借りようと留学を隠れ蓑にこの国へやってくる。
そこでヒロインのエリーゼに出会い、彼女の純粋な人柄に癒しされ心惹かれてしまう。
だが自分は第二王子でエルヴィンに比べれば身分が低い。
しかも継承権が第三皇子や第四皇子に移れば、その身分すらも危うい。
何より、エリーゼ自身がエルヴィンに恋い焦がれているため、自分の心を隠していたのだけれど。
そんな彼が唯一、感情を爆発させたのが、悪役令嬢アイリーンに害されそうになったエリーゼを守った瞬間で、思わずこぼれた「好きだ」という告白シーンはこれまた胸キュンしたわ。
結局、エリーゼはエルヴィンを選ぶけど、リカルドはその後も彼女を思い続けた。
アイリーンの断罪劇やその後の魔王アイリーンを倒すメンバーにもまざっていたわね。
そうそう、魔王アイリーンに容赦なく攻撃魔術くらわしてたわ。
魔王様にはあんまり効かなかったけど…。
そんな彼と、ここで遭遇するなんて…うそん、なんでよう。
関わりあいたくないのにこんな偶然ってあり得ない。
とりあえず早くここから退散しよう、そう思っていたのに。
「レディは、観光でこの地に?」
「えっ、ああまぁはい、そう…です」
声をかけてきた、ほんとやめて。
「僕も観光で来てるんですよ。あ、出身は隣国です。」
「そう、デスカ」
「このあたりは初めてでしてね。温泉が有名と聞いてどんな雰囲気かと思いまして。それにしても随分と活気がありますね」
平和でいいねと副音声聞こえてきそうだ。
そりゃあ、王家が、とういか公爵閣下が統治頑張ってるからね。私はもう関係ないけど。
隣国が荒れてるのも私のせいじゃないからね。
「レディは湯治目的ですか?」
「ええ、まあ…」
曖昧に答えながら、彼の視線がふいに自分の胸元あたりに落ちたことに気づく。
まるで、何かを測るように見ている。
そりゃアイリーンは立派なモノ持ってるけど皇子ともあろうお方が公衆の面前でレディの胸元をジロジロ見るなんて、いやらしいわね。
けれど、次に紡がれた言葉は、穏やかなトーンのまま核心を貫いてきた。
「……魔力の流れが妙ですね」
(まさか、魔力を失っていることがわかるの?)
心臓がドキリと強く打った。けれど顔には出さないよ、淑女教育万歳。
「……何のことでしょう」
「魔力が無いわけではないけど、うまく循環していない?」
彼は首を傾げる。
「壊れている、というより……意図的に閉じている?」
(え、何のこと?循環って?閉じているって何?)
私が魔力を失った原因を公爵家お抱えの医師は「魔力の流れる道筋が過度の負荷で一部損壊している」としか言わなかったのよね。
まー私もよくわかんないから「そうなのね」で納得してたんだけど、意図的に閉じてるって…破損じゃないの?
はっまさか、うちのお抱え医師ってば藪医者だったのか?
しかし、さすがは当て馬2号、医師の資格でも持ってるのかな?エリーゼに執着するだけあるわね。
詳細ぷりーず
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