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第七十鈴 宇宙船の跡

響達は、惑星909で起こった爆発事故の生存者を探す為宇宙船の着陸地点へと歩いていた。

響達はタモの乗るミドルロケットの地図を頼りに広い荒野の中を突き進んでいた。


ズドン!


突然地面が揺れる。


「ビジャ!!」


地面からサソリの形をした大型の生物が響達の前に出現する。


「な、なに!あの生物!?」


「あの子はジール、サソリのジールよ!尻尾の毒針に気をつけて!」


ルミリは瞬時に敵の情報を教えてくれる。


「わかったよ!ルミリあっ!」


モサ子は返事をすると同時に体を針で刺されてしまう。


「うわ〜〜」


モサ子はそのまま霧状になってヘタっと倒れる。


「こらモサ子、遊んでる場合じゃないぜ?」


のなかがモサ子を起こす。


「攻撃があんなに早いなんて思わないよ〜」


「まぁあ確かにな、ぐはっ!」


のなかも尻尾に吹き飛ばされる。


「二人とも大丈夫?」


響が平然とした顔で話しかける。


「響さん彼らのこと全く心配してないんですか?」


エンジニアのタモは恐る恐る響に尋ねる。


「うん、だって私たちスキル保有者だもん」


響は明るく返す。


ーーーチリン


サソリのジールは響に棘を繰り出した。


タン!!


響はサソリのジールの爪の攻撃をノーツで弾く。


「二人とも私も戦おうか?」


「いや!響、お前がでなくても俺一人で大丈夫だ!」


「そうだよ!私だって食べちゃうもん!」


のなかは腕、脚からミサイルポットを出して一斉射撃を行う。


ガガガガガガガガガガガッ!!


それに怯んだサソリのジールは動きが止まった。


「いけー!モサ子!くっちまえー!」


ーーーチリン


モサ子は煙上からモササウルスに変身して大きな一口でサソリのジールを丸呑みにする。


ドン!


サソリの尻尾の部分だけ噛み砕け地面に落下してくる。


「まさかジールが生きていたなんて彼らはブロックムシを主食としているので人間を襲うことは無かったのに、どうしてこうも凶暴化してしまったの…」


ルミリは尻尾の棘のデータ収集に向かって針を通してサソリのジールの体液を回収した。


「今の生物もルミリさんの研究生物だったの?」


「そうよ、私が母星から連れてきた生物だわ。みんな爆発の後、巨大化して凶暴になっている気がするわ」


「なんでだろうね。でもルミリさんは約一年くらい一人で生活していたんだよね?」


「はい、その時は全く持って姿も見せず襲ってくるなんてことはありませんでした」


「モサ子のお前の存在に他の生物が恐怖してるとか?」


「私そんな凶暴じゃないよ!生き物全員と友達なって食べてあげたいもん!」


「食べるのは余計じゃないか?」


そんな会話をしているとミドルロケットでマップを見ているタモが声をかける。


「ところでみなさん。まもなくパラダイス2の着陸地点に着きます」


空に向かって峠がある。その先を指差してタモは嬉しそうに話す。


「戻ってきたのね…全く景色が違うから気づかなかったわ」


「ルミリさん…誰かいるといいですね!」


響は励ますように声をかけた。


「ありがとう。響さん」


ルミリ先頭を歩きその後を響達は追うように向かう。


「きっと宇宙船の残骸だけでも残っていれば…」


ルミリが峠を乗り越えて見えた景色。そこにはクレーターが出来ていた。


「うわー!すごい!ここ!湖だったのかな?」


モサ子が広い景色にぴょんぴょんと飛び上がる。


「タモさん…本当にここがパラダイス2の着陸地点?」


「間違いありません。あのクレーターの中心部あそこにパラダイス1、2が着陸していると記録で残ってます」


「そうなのね…でもここには何も…」


「爆発ってどんな規模なんだよ。何一つとして残ってないぞ」


「何よりも地面がえぐられています。宇宙から爆発を見てましたがまさかここまでの威力とは思ってもいませんでした」


「タモさん…」


「おい、ちょっとまて。あれ見てみろよ!」


「どうしたののなか?」


のなかは一人後ろを向いて指を刺していた。


「俺たちが歩いてきた道。やけに凸凹だと思ってだが、あれ足跡だぞ!」


「え?あ!うそ!?」


響達は改めて背後の地面を確認すると地面の凹凸は巨人の足跡になっていた。


「パラダイス1でも巨人に関しては報告はなかったわ」


「ルミリさん。でもあれはクレーターで足跡が消えかけてますね。もしかすると爆発前の生物だったりするのでしょうか?」


「確かにそうね。原生生物、先住民。そこに関しては私が惑星909へ到着する以前の情報は既に無くなってしまってるわ」


「とりあえず、クレーターの中心部に向かってみるか?何か手がかりが見つかるかもしれないし」


のなかはそう言って、クレーター中心へ歩き出す。


「のなかー!まってー!」


響達はのなかを追うように緩やかな坂道になっているクレーターの中心部へ向かった。雨水が溜まり始め草木が少しずつ成長している。クレーターの周りからは新たな生命が生まれ始めていた。


「宇宙船のカケラも何もない…すごい規模な爆発だったんだね」


「いったい誰がこんなことを…」


響とのなかが話しているとルミリが黙り込んでしまう。


「…この爆発の原因…まだ確かなことは言えない…」


「ルミリさん…?」


「しかし私は必ず解き明かして見せる…みなさん後もう少し付き合っていただいてもいいですか?」


ルミリはみんなに提案する。


「クレーターの峠を超えた先に私の姉のお墓があるはずです。そこを確認させてください」


「もちろんだ!」


全員が同意してルミリについていった。


「あ!みんなみんな!みてみて!なんか動いているよ!」


モサ子が草むらから何か生き物が動いているのを発見する。


「どうしたのモサちゃん?」


「響!ルミリ!見て!あそこなんかあるよ」


モサ子が指さす先。そこには赤い塊が見えた。


「なんだあれ?生物か?」


「え?あれも生物?」


「いえ、その可能性はあります」


「「え??」」


ルミリは二人を否定してその赤い塊を摘んでみる。


「これは人の肉片です」


「「は??」」


ルミリが拾い上げた塊は人間の肉片であった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

パラダイス2着陸地点到着しました。今回の話で惑星調査編の中盤に差し掛かります。

果たしてこの惑星に生存者はいるのか、次回もどうぞお楽しみください!

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