第六十九鈴 オオカミ男
謎の爆発が起きた原因と生存者の手がかりを探すべく、響達一向と、生物研究員ルミリ、エンジニア担当タモは宇宙船パラダイスを目指して旅をしていた。
響達一行と生物研究者ルミリ、エンジニアのタモは生存者を探す為パラダイス2の着陸地点に向かっていた。
「皆さん森を抜けました、ここからは荒野が続きます」
「爆発源にさらに近くなっているってことか?」
「危険な生物も出そうだね。みんな警戒していくよ」
「そうですね。私の調べによりますと今のところ確認できる敵はいなさそうです。先ほどのケセラン同様センサーに感知しない敵もいると思いますので注意していきましょう」
「ねぇ、そのセンサーって私にも反応してるの〜?」
モサ子はミドルロケットの周りを煙状にふわふわと漂いながら聞く。
「反応してます。モサ子さんは生命探知よりもスキルの反応の方が大きいです」
「そうなんだ!すごーい!」
ミドルロケットにへばりつくモサ子をのなかはひょいっと持ち上げる。
「注意しろってお前に対して言ってるんだぞ?ちょっとは警戒心もてよな!」
「はーい!」
モサ子は地面に降ろされ歩き始める。
ビューーーーー!!
爆発の影響により地上に建物や木々がなぎ倒されて荒地になり、砂嵐が起きやすくなっていた。
「皆さん、砂嵐よ!視界が悪くなるわ!」
ルミリがみんなに注意を促す。
「砂嵐?あ、本当だ。でもまだ昼間だぞ?」
のなかは砂嵐に警戒をする。
「これ…もしかして敵の攻撃だったりしますかね…?」
タモが弱腰になってしまった。
「ルミリから聞く限りこの世界で魔法を使うやつはいなさそうだ」
「そうですね。最近の雨天があまり続かない状況、そしてさっきいた森の湖の存在。これは自然現象です。敵の攻撃ではありません。」
「それじゃあ安心だね、早く行こう!真っ直ぐだよね?」
「あ、待ってくださいモサ子さん!」
ルミリはとてとてと走っていくモサ子を追いかけ砂嵐の中に消えていく。
「霧が深くなってきてる…のなか気をつけて!」
響は見えなくなったルミリに気づきのなかに注意を促す。
「のなか?」
しかし、そこにのなかはいなかった。
「あ、あれ?もしかしてみんな迷子になったの!?」
ため息をついて響は歩き始める。
「しょうがないな。私が見つけてあげないと。そしたらまずはルミリさん達と合流かな…あれ?」
響は後ろを振り返ったが、ルミリ達がいた方向が分からなくなっていた。
「あれ、どうしよう…みんな。どこ?」
響は砂嵐のなか迷子になってしまっていた。
「え、どうしよう…もしかして迷子になったのって私!?」
ザッ!ザッ!
響の背後から足音が聞こえてくる。
ザッザッ!
それは大柄の男の影だった。
「もう、のなか脅かさないでよね!」
響はそう言って影に近づく。
「いつ敵が襲ってくるか分からないんだから仲間とは逸れないようにね!わかった?」
人影は無言であった。
「あれ、のなか、なんかずいぶんと毛深いスーツだね…?」
「グルルルルル!!!」
響がのなかとおもって話しかけていたのはオオカミの顔をした人型の生物であった。
「え、こんな近距離まで近寄っちゃって…私警戒心0じゃん!」
オオカミ男は息継ぎする間もなく、拳を繰り出す。
ーーーチリン
響のスキルが発動した。譜面の円盤が浮かび上がり、オオカミ男の上段突きをリズムよく弾いていく。
タンッ!!
オオカミ男は技が弾かれたことが悔しいのかさらに回転をかけて回し蹴りを行う。
タンタタタンッ!!
回し蹴りを弾かれたがその反発した力を使い、さらに響に踏み込み裏拳を入れる。
タンタタタタタタタンッ!!
「ずいぶん交戦的だね!私に近距離戦を挑んでくる相手は初めてだよ!」
響はにっと笑い。オオカミ男からの繰り出される連撃を綺麗に弾いていく。
タンタンタン…タタタタタタタタタタタ!!!!
響はオオカミ男の戦い方に人間技を感じた。
「適当に攻撃してるように見えて、しっかりと隙をみて攻撃している。私の弾きをも利用してカウンターを狙ってる。面白い!面白い!面白い!まるで神ゲーだね!」
響はノーツと共に相手の動きまでも把握できるほど目が慣れていた。
タタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!
「じゃあ、ちょっとここから本気でいくよ。オンステージモード」
ーーーチリン!
響の瞳、譜面の円盤が赤く光り響がフリルの衣装をまとった。
「私のリズム!受け取って!」
響はリズムを生み出しその曲に乗りながら相手の隙をノーツで決める。響のリズム、響のタイミング、響の込める力によって攻撃はさらに増していく。
「ギャフ!」
オオカミ男は顔面にノーツの弾きが直撃して怯む。
「右足!」
ダンッ!
「お腹」
ダンダダン!
「最後は胸に!」
ダンッ!!
怯んだオオカミ男は全く手が出せない。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
これでもかというほどに響は連撃を止めない。
いや、止められなかった。
「ギャフ…」
オオカミ男は気を失った。
ダンッ!
最後の一撃を与えるとオオカミ男は遠くに飛んでいき砂嵐の中に消えていった。
「やっぱりフルコンよね!」
響はガッツポーズを決めたのだった。
オオカミ男が倒れた先から別の人影が見えてくる。
「あ!おーいのなか!ルミリさん!びっくりしたー迷子になったのかと思った〜」
響がそういうが二人は反応がない。
「え、まさか…」
そこにいたのはオオカミ男の大群だった。
「ディリーミッションはここまで。本番いくよ!」
響はにっと笑いオオカミ男との戦いを始めた。
◇
「おーい!ルミリ大丈夫か?」
のなかとタモは霧の中で彷徨っていたルミリとモサ子と合流する。
「あ!のなかだ!もー迷子にならないでよね!」
モサ子はのなかを怒る。
「おいモサ子!もともとお前が勝手に走り出すのがいけないんだろ!」
のなかは逆ギレしてモサ子を怒る。
「あれそういえば響さんは?」
タモがふと思い言葉にする。
「あれ…あいつどこにもいないぞ…まさか!迷子になったんじゃ!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
突然四人の周りからこれでもかと言うほどの連撃の音が聞こえる。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
その音は一周二周と周囲を周りそして爆風を起こして砂嵐も流していく。
しゅ〜〜〜
砂埃が晴れた先に響が立っていた。
「あ!響だ!」
「あ〜!みんなやっと見つけた!迷子になっちゃダメでしょ!」
響の周りには大量のオオカミ男が倒れていた。
「あ、こりゃ迷子になってたのは俺たちみたいだな」
のなかは響のところに向かうのであった。
「響さんこれは?」
ルミリは周りに倒れているオオカミ男達を問う。
「みんなが迷ってる間に戦ってたオオカミ人間達。なかなかいい動きをする相手だったよ」
「響さんたった一人で…この数…」
周りの半径5メートルの間にオオカミ男達は倒れ込んでいた。
「とてもたのもしいわ…あなたと共にこれてとても光栄よ」
ルミリは笑顔で語りかけ、響達は宇宙船パラダイス2の着陸地点跡へと向かうのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
惑星調査編の冒険編も終わりになります。様々な生物を出しましたがもう少し生物達に焦点を当てたエピソードが欲しかったなという印象です。
次回パラダイスの跡地に到着します。どうぞお楽しみください。




