第六十八鈴 生存生物
響達一向は惑星の調査をするルミリとタモと共に宇宙船パラダイスの着陸地点に向かうのであった。
響達一行とタモとルミリはこの惑星の爆発で生き残った生存者と爆発の原因を探しに宇宙船パラダイス2の着陸地点へ向かっていた。
「みてみてモサ子さん!これがブロックムシよ!」
「わー!四角い巣だ!でもこれって何でできてるの?」
ルミリは道端の途中で見つけた四角い形の虫が出入りしている四角い巣をモサ子に見せる。
「この巣はね、亡くなったブロックムシを積み重ねてでできてるの!」
「ええ!?ルミリさんなんですかその生物!?」
「不気味な生き物だな」
のなかと響もドン引きする。
「これも彼らなりの生き方なのよ。とても丈夫な皮膚を持つブロックムシ達は息を引き取るの前に仲間達からどんな構造の建物を作るか確認して自身の硬い体を建物の一部にするの」
「そんな動かなくなった生物で家を作る必要はなくないか?」
「彼らの生態上、1番接続が強固になっているのが自身の体を重ねること。そして何よりも丈夫な皮膚。冬の寒さも耐えられる構造らしいわ。あとブロックムシを好物としてるサソリのジールという生物がいるのよ」
「そうなんだ。みんないろいろ工夫して生きてるんだね」
「ついでにさっきいた猛毒のツタを使う食虫植物はメリガロス。甘い果実を出して獲物を誘って襲ってくる生物よ。私が1人で散策していた時はとても大人かったのに突然暴れ始めて…」
ルミリは歩きながら先ほどまで戦っていた生物達について話す。
「確かにルミリさんその植物の果実たくさん持ってましたもんね」
「ルミリさんがお世話してくれてたから優しかったとかかな?」
「ええ、ですが、響さん達が来た途端にその様子も様変わりだったわ。何か生物的に響さん達が危険だと感じたということかしら?」
「うちのモサ子は食物連鎖の頂点にいるからな。可能性はありそうだぜ?」
「なるほど…究極の生物を生成するにはやはりモサ子さんの研究を進めるのが一番手っ取り早い話ね!」
「えへへ!たくさん研究してね!ルミリ!」
モサ子は笑顔で言う。
「ところでタモ…」
「はい、なんです?」
「お前のロケットを俺が運ぶのは分かるが、なんでお前までロケットに乗ってるんだよ」
「だってそうしないと行き先がわからないじゃないですか?」
「そうは言ってもよ。ある程度方向分かればみんなでそっちに歩いて行けばいいんじゃないか?」
「さっきみたいに、いつ敵が襲ってくるか分からないのでマップ上での索敵は大事なんです」
「そうか…じゃあなんかあれば言ってくれよ」
のなかは文句を言うのが、反論に疲れて黙り込む。
「ところでルミリさんパラダイス2で飼っていた生物の特徴とか覚えてたりしますか?」
響は生物の情報をルミリに尋ねる。
「んー…覚えてはいるけどたくさんいすぎて話すにはとても時間がかかるわ」
「そんな、たくさんいるんですか?」
「ええ、ざっくりと数千種類はといたわ」
「なんだその数。宇宙船というよりも化け物船じゃねぇか!」
「違うわ。私が管理していたのはDNAでの状態よ」
「DNA?」
「細胞組織の記憶、それを元に生物を復活する機械があるの。サイズ的にも小さなカプセルなんです。」
「だからそんなたくさん連れていたんですね」
「さっきいたメリガロスはパラダイス1で先にこの惑星に到着していた、だからあそこまで繁殖したのだと思うわ」
「そうなんですね…」
「ルミリが最後に研究していたのはなんなんだ?」
のなかの問いにルミリは少しためらった。
「…ドラゴンの研究よ」
「ドラゴン!?」
「ええ、でもまだ小さな体で飛ぶことも出来なかったの。ドラゴンは私が接してきたどの生物よりも賢かった。私は彼らと意思疎通できないか研究をしていたわ」
「へー!!そんなことができるんですね。あれ?」
「あー…ドラゴンか!そういえば俺たちも会ったことがあるぞ!」
「え!?ほんとですか!?」
「天空の王国って世界でな。ドラゴンに乗って王国を守ってる奴らがいたんだ」
「すごいわね!本当にそんな世界があるの!?」
「あったよ!ドラゴン美味しかった!」
モサ子は自信満々に話す。
「えぇええ!!ドラゴンを食べちゃったの!?」
えへへへへと自慢げに笑うモサ子
「ほんと…そのせいで大変な目にあったんだ」
「でも楽しかったよね!空飛ぶの!」
「響は楽観的すぎるだろ!」
そんな響達の会話を聞きながらルミリは羨ましく感じていた。
「すごい…私は今いる世界の生物しか知らないわ。なんだったら私が研究していたほとんどの生物は手元にいない。異世界…。手を出したら沼りそうな世界ね」
「いや、毎回毎回変なやつと戦うことになるし、こっちとしては厄介でしかないんだがな」
響達はそんな会話をしながら大きな湖にでた。
「爆発によってできたクレーターかしら?」
「だが、水があるのは助かるな。日も暮れてきたしここらで今日は休まないか?」
のなかの提案で響達は野営をすることにした。
「ねぇ!響!あれなに?」
果実をみんなで食べているとモサ子が水面に浮かぶ綿毛のような物を指をさす。
「え、なんだろあれ…」
そこには白い毛玉のようなものがポツポツと浮いている。
「おい!タモ!索敵はどうなんだ!?」
「いえ!周りに危険な生物はいませんよ!モニター越しのデータでしかないですが」
「じゃあ、あれはなんだ!?」
同様するのなかとタモ。
それを止めるようにルミリは前に歩き出す。
「あれは…ケセランの幼体です」
「え?ケセラン?」
「はい。私が研究していた生物の一部よ。一切の危険はないわ」
「そうなんですね」
「空気中を浮いて生活する不思議な生き物です。体にまとっているのは羽なのよ。でも体の部位は全体の1割しかなくて羽を閉じていても風に吹かれて浮くことができるの」
「すごく綺麗だね!」
「月明かりが反射した湖に照らされてとても綺麗な光景です」
ルミリはとても満足していた。
「私、本当に皆さんと出会えて良かったわ。いろんな生物と出会える機会を再びいただけた。そんな気がしているのよ」
「ルミリさん」
「そうだな。生物だけじゃなく、生存者が早く見つかるといいな」
「うん!きっと見つかるよ!」
「ありがとう皆さん。がんばるわ!」
そう言ってルミリと響達一行はその晩、湖で過ごすのであった。
◇
谷の上で居座る大きな巨大な生物がいた。
グルルル…
その生物は響達を遠くから見つめ、ゆっくりと後を追いかけるのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は様々な生物達に焦点を当てる回になります。
今までの世界や今後の話でも度々出していこうと考えております。
次回新たな生物との戦いが始まります。どうぞお楽しみください。




