第六十五鈴 食虫植物
天界世紀111年、地上全土を覆う爆発に生き延びた生物研究員ルミリとエンジニアのタモは地上での惑星探索を始めることにした。そんな二人の前に巨大なモササウルスが上空に出現する。
地上の植物に捕まったタモとルミリは上空に出現したモササウルスに驚く。
「ルミリさん!海洋生物も研究されていたんですか!?」
「生態系が変わったから?いや、だとしてもあのサイズは大きすぎる!」
ルミリはミドルロケット越しにその大きなモササウルスの飛び立つ姿に見入ってしまった。
「ってタモさんそれどころじゃいわ!」
周りの植物達は完全に周囲を囲み始めていた。
「ルミリさん…僕は地上に降りられて良かった…僕はもうここまで…です」
タモは植物のツタにぐるぐる巻きにされ気を失う。
「タモさん!!」
ルミリはどうにか助けられないか考えたがどこにも方法は無かった。
「タモさんごめんなさい」
ルミリを乗せたミドルロケットもツタにどんどんと浸食されていく。
「せっかく私が育てていた生物達の生息を確認できたのにここまでなんて!」
シャキシャキシャキシャキ!!
ルミリが下を向いた瞬間ルミリの周りの植物のツタが切り刻まれていく。
「え!?な!?なに!?」
「お!?なんかあると思ったら宇宙船か?おーい響!こっちに人がいるぞ!」
ルミリの乗るミドルロケットの前にパワードスーツを着た男がいた。名前は“のなか”
「わかった!そっちは任せたよのなか!じゃあ私はもう一人の方を助けるね!」
響という少女はツタに捕まったタモに近寄る。
「植物?人を食べるなんて趣味が悪い」
響は譜面の円盤に乗りながらゆっくりとタモに近づく。
「気をつけてください!その植物は猛毒を持っています!」
ルミリはミドルロケット越しに響に忠告をする。
「そうなんだね…いいじゃん!弾きがいがありそう!」
ーーーチリン
響はにっと笑いツタに向かって飛び立つ。
「この音ってもしかして鈴…スキル保有者!?」
ルミリは響の鈴に気づく。
「スキル保有者を知っているのか?話は早いな。今まで出会った異能力者の中でも響は違う。最強だ」
タン!タン!タタタタタン!
ツタが響によって弾かれて飛んでいく。
タタタタタタタタタン!!
その数に追いつくように響は攻撃を続ける。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!
「な!すごい!」
響きに向かっていった無数のツタは一瞬のうちに吹き飛んだ。
ルミリは響の攻撃に驚きを隠せない。
「大丈夫ですか?」
響はタモを助け地上にゆっくりと寝かしつける。
「がはっ!あ、あなたは…」
「私は響、通りすがりの異能力者だよ」
「異能力?」
バシュッ!バシュバシュ!
響の両腕と右足にツタが絡まる。
「おい!響、捕まってるぞ!」
「うわ〜〜!!」
響はそのまま吊るされる。
「油断してるからだ!響!今行く!」
のなかは周りの敵を倒して響の元に行こうとした。
「大丈夫だよ、のなか。私一人でいける」
響は集中して鈴を鳴らす。
ーーーチリン
「スピリチュアルダイブモード」
響の体の中に細胞サイズのエネルギーの形をした響が浮かび上がる。そして響と体に触れているツタの表面を弾き始める。
タン!タンタンタン!タタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!
響の体に触れていたツタは響の体の接触面から次々と消滅していく。
「気安く触ると吹き飛ぶから」
響は周りのツタを消滅させた後譜面の円盤に乗り、周りの植物を弾き始める。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!
「私はなんて光景を見ているの…すこし植物達に同情してしまうわ」
「それはわかる」
ルミリとのなかは響の戦いをみて唖然とするのであった。
「モサちゃんそろそろお願いしちゃおうか!」
響は上空にいるモササウルスに合図を出す。
「はーい!!」
モサ子は合図を頼りに空間に入り消えていく。
「え!?あの海洋生物も仲間なの!?」
ルミリはさらに驚く。
ギュルルル!!
地上に空間が開きそこからモササウルスが口を開き周りの植物を丸呑みする。
「いただきまーす!」
パクッ!
周辺にいた食中植物は綺麗さっぱりモササウルスの口の中に吸い込まれる。
しゅるるるる〜
食虫植物を丸呑みしたモササウルスは人の姿に戻りとてとてと響に近寄る。
「敵を倒してくれてありがとね!モサちゃん!」
「えへへへ!野菜食べたみたいで美味しかったよ!」
慣れ親しむ二人をみてルミリは目の前で起きたことが信じられずにいた。
「運よく生き延びた植物達も逃げて行ってる。まるで命の危機を感じてるみたい…いったいなんなのあなた達!!」
ルミリはミドルロケットから飛び出して響達に声をかけるのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
食中植物とのバトル回です。今まで使ってきた力で無双するシーンが個人的気にってます。
この惑星調査編では様々な生き物との戦いを描いていきます。
次回もどうぞお楽しみください。




