第六十四鈴 惑星探索
母星を腐敗させて新たな新天地を探す人類はパラダイスという宇宙船に乗り『パラダイス計画』という計画のもと人類の新たな移住が可能な惑星を探していた。天界世紀110年、人類は移住可能な惑星を発見し2隻目の宇宙船パラダイス2が地上に着陸した。その3ヶ月後地上全土を覆う大爆が起き惑星は火の海と化した。天界世紀111年、不意な事故により大気圏に漂っていたパラダイス2のエンジニア『タモ』は惑星の重力に引かれ地上に降り立つのであった。
宇宙船パラダイス2のエンジニアのタモは不意な事故でミドルロケットに乗ったまま宇宙に取り残されてしまった。
タモが漂流してから数ヶ月、タモはパラダイス2が着陸した惑星が謎の爆発で飲み込まれるのを目の当たりしていた。
それから一年の月日が経ち、彼はミドルロケットと共に惑星の重力に引き寄せられる。
ビービービービービー!
ミドルロケット内部にアラームが鳴り響く。
「う…う…」
酸素残量が残りわずかになっていた為タモは意識を失いそのまま地表に落下していく。
「こ、ここは?」
重力による不安定な揺れに起こされタモは意識を取り戻す。
「わ、惑星に落ちてるのか…?」
タモはメイン制御システムを確認してミドルロケットを安定させる。
ゴシュッ!
ミドルロケットはスラスターを出力する。
ゴッ!
しかしミドルロケットには十分な燃料は残っていなかった。不安定な傾きのままタモは地上に向かって落ちる。
「こらえてくれー!」
ゴスッ!
岩を擦って機体が大きく回転する。
ゴッゴッゴロゴロ…
そのままミドルロケットは岩山を転がり落ちて森林に落ちたのであった。
「…い、生きてる…良かったー」
タモは一安心して肩の荷を下ろす。
「こ、ここが惑星909…やっとつけた。宇宙で見た爆発は大規模だったけど、きっと生き残ってる人はいるはずだ。まずは外に出よう…う…」
タモは約一年の時を宇宙で過ごしていた為重力になれていなかった。
「体が重い…だめだ…うごけ…ない…」
タモは落下したミドルロケットから体をはみ出した状態でその場に倒れた。
◇
「…確かにこっちの方に落ちたはず…」
同じ頃、森の中でタモの乗ったミドルロケットを探しに一人の少女が森の中を歩いていた。
「パラダイス計画の宇宙船は実は3隻目があったって噂があったけど…さっきのロケットのサイズ、あれは宇宙での修繕用のロケットだった。希望は薄いけど救助が着てくれてたら嬉しいだけど…」
少女はそう言いながらロケットが落ちた周辺を捜索する。
ジュッ!
手には先端がレーザーになっている槍を持っていた。
「または別の惑星の敵の可能性もある。あの爆発から生き残れたのは私だけじゃないはず…」
少女は草木をかぎ分け、ついにミドルロケットを発見した。
「あ、あった!ロケット!あれは…間違いなくパラダイス2に乗っていたものだけど…あれ?誰か倒れてる!?」
少女はミドルロケットの入り口に倒れているタモを見つけ声をかける。
「だ、大丈夫ですか?生きてますか?」
返事はない。
「地上調査に進展があると思ったのに!お願い!目を覚ましてー!」
少女は肩を揺らして無理矢理にでも彼を起こそうとする。
「う…う…」
あまりの衝撃でタモは目を覚ます。
「あ!あ!起きた!?起きたね!?良かったーー!!」
少女はタモを振り回して喜びを体全体で表現する。
「お、起きたから…振り回すの…やめてください…」
タモは振り回されながら少女にお願いをするのであった。
ぐるるるるるる〜〜
タモのお腹が壮大になった。
「あ!あなた!お腹空いてるのね!私果実持ってるの!どうぞたべて!」
少女はタモに果実を渡す。
「…あ…あ…」
むしゃり。
タモは一口食べその果実の甘さに驚く。
「お、おいしい…おいしい!!」
しゃりしゃりしゃり…
タモは少女のリュックから出てくる果実を何個も何個も食べ続けたのであった。
「あ、あの助けてくださりありがとうございます!おかげで助かりました!申し遅れました、僕はパラダイス2のエンジニア担当タモといいます」
「私はパラダイス2の生物研究員のルミリよ。タモさん無事で安心したわ」
「ルミリさんですね!助けていただきありがとうございます!実は着陸前の緊急修繕作業で船に回収されずに大気圏周辺で漂ってました。この恩は忘れません!」
「大気圏ってずっと宇宙に?大変だったわね」
「いえいえ、危うく新たな新天地を目の前に諦めてしまうところでした。ところでルミリさんが生きてるということは、あの爆発で生きている人達はまだいるということですか?」
タモはルミリに恐る恐る聞く。
その答えは明るいものではなかった。
ルミリは暗い顔を隠しながら答える。
「残念だけど、今のところ見つかっていないわ」
「そうなんですね…」
「でも、私やあなたみたいに運良く生き残っている人達はきっといるはずよ!諦めてはダメ」
「そうですよね!一緒に探しましょう!」
タモとルミリは共に惑星の調査に出ることにした。
「そのロケットは飛びそう?」
「母船パラダイスの燃料を入れられれば動きそうです。今は完全に眠ってしまってます」
「そうなの…そしたら歩くしかなさそうね」
「そうですね」
タモとルミリは母船であるパラダイスが着陸していた場所へ歩き始める。
「そうだわ。近くに果実があったの。案内するわ」
「ありがとうございます」
タモとルミリは森林を歩く。一年前にこの場所は爆風と共に平になっていたはずだ。しかしここの森は不自然なほど豊かに果実が実っていた。
「タモさんと出会うまで一人で冒険をしていたけど…ここの森は私の研究実験対象の植物にそっくりなの」
「そうなんですか?」
「あの爆発によって私の研究していた生き物達が野放しになってしまっている」
「もうすでに確認しているような言い方ですね」
「ええ、私は運良く、彼らにまだ気づかれていないだけよ」
「それってどういう…」
ギュルルル!!!
突然異様な音が聞こえる。
「なにこれ!?あ!空に大きな穴が!!」
「え!?うわ!なんだあれ!ワープ装置ですか!?」
突然の空気の流れに二人は驚き空に大きく開いた異世界のゲートを見る。
ーーーチリン
「な、なんだ!?鈴の音!?」
「これってまさか…!?」
ゲートから聞こえる鈴の音に周りの木々が揺れ暴れ出す。
シュルル!
タモの足に木のツタが絡みつく。
「え?」
「ま、まずい!」
「うわー!!!」
タモはそのまま足に絡まったツタによって逆さ吊りに吊るされる。
「タモさん!」
ルミリはタモを助けようと武器を構える。
「ルミリさん!僕は大丈夫です!ルミリさんは早く僕のロケットに逃げてコックピットを閉めてください!」
タモの言葉にルミリはハッと気づく。
この周りの木々そしてその植物達は全員タモを吊るしている食虫植物であった。
「気づかれた?…というよりは、反応してるみたい…」
ルミリはタモに言われた通りタモが乗っていたミドルロケットに乗り込む。
ガチャン!
コックピットを閉めたが植物のツタは窓を叩き中に入ってこようとしている。
ドン!ドン!
「この生物間、違いない。私が育てていた子達だ!」
ルミリはそのツタの作りや攻撃の仕方に記憶があった。
「うわーーー!!!なんだあれーーー!!」
外から植物に吊るされたタモの声が聞こえた!ルミリは真っ先にその方向を向き思いもよらない光景をみた。
「ルミリさん!!もしかして海洋生物も研究してました!?」
「嘘でしょ!足のない大きなトカゲが空に飛んでいる!?」
上空の異世界のゲートから巨大なモササウルスが現れたのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
惑星調査編2話目です。可能な限りSFチックな設定を出しつつ、そこに響たちと合流するというストーリーにしました。生物研究員のルミリは一年安全に暮らしてましたが、響達の登場をきっかけに地上の生物達は豹変してしまいます。次回響達の合流回お楽しみください。




