第六十三鈴 前日譚(惑星調査編)
ノーツ化スキルで異世界無双の新たなる章の始まりです。
天界世紀001年、人類は環境汚染を止められず母星を腐敗させてしまった。人類は移住可能な惑星を探す為、『パラダイス』という宇宙船に乗り広大な宇宙へ旅に出た。住みかを地上から空に移したその時代を『天界世紀』と刻まれる。
『パラダイス計画』それは新たなる生息地になる惑星を探し移住をするという計画であった。宇宙船パラダイス1が先行調査、パラダイス2が住民の搭乗で構成されている。
長きに渡る惑星から惑星へと渡る旅をしていたある日、惑星909と名付けた人類の母星に似た惑星を発見した。
天界世紀100年、人類はその惑星に宇宙船パラダイス1を派遣し地上調査、環境調査行い調査は問題なく終わった。パラダイス2の到着までに調査隊達は先住民達との接触に成功。先住民達との共生の道を約束された。
天界世紀110年、更なる住民の移住を行う為パラダイス2が惑星909へ到着する。
パラダイス1の情報通りの豊富な自然が整った環境、パラダイス2に乗っていた住民達の移住も成功し人類は新たな都市を築くほど大きくなっていた。しかしその頃には先住民達は誰一人ともいなくなっていた。
◇
「トア!ねぇ!トア!開けて!!私を出してよ!トア!!」
人影のない森の中でカプセルに閉じ込められた少女が泣き叫んでいた。
「ルミリ、君がこの行動を取ることも分かっていた。でもこれが僕の宿命なんだ」
白髪の少年はカプセルに入った彼女を置き去りにして歩き始める。
「トアー!!トアーー!!」
カプセルに閉じ込められた少女は後悔をしていた。少女の名はルミリ。パラダイス2にて生物の研究を行う研究員であった。ルミリはこの惑星で出会った謎のトアという少年をカプセルで捕まえるはずだったが彼には彼女の考えはお見通しであった。トアはルミリの手を掴み逆にルミリはトアに捕まってしまったのだ。
「私は知っていたのに…もっと早くにみんなに話すべきだった。彼が原生民であること…私の姉と同じ異能力者だって」
彼女はカプセルに入ったまま嘆き悲しんだのであった。
「…彼の言葉が本当なら私も助からない。これが彼の生きがいってことなんでしょうけど…私は絶対に否定する」
ルミリという少女は死ぬ覚悟をして体を丸めた。
「希望に満ちた光、人々の積み上げた文化。それを一瞬で崩す瞬間が最高なんだ」
トアは空高く舞い上がり広大に広がる都市部を前に一言つぶやいた。
ピカッ!
ルミリの周りは薄暗い森の中いきなり朝日を浴びたような強い光が照らされる。
ズン…
次に鈍い振動が聞こえた。
「トアだ」
ドドドドドドドドドドドドドドドド
振動がさらに激しくなる。
ドガーーーン!!!
遠くで空気が爆発する音が聞こえる。衝撃波であった。
ルミリの入ったカプセルの周りは土砂崩れが起き、上下逆さまになる。どこが上かなんてわからない。彼女はそのまま頭を打ちつけ気絶してしまうのであった。
◇
惑星の大気圏外の宇宙に取り残された小さなロケットがあった。
「はーー、みんなひどいよ。惑星着陸前に宇宙船の修復に出た僕を置いてけぼりにして…ミドルロケットに乗ったままもう数ヶ月…生命維持装置もあと、数日。僕の命もこれまでか…」
ロケットにしては丸く左右のアームがついたロケット。通称『ミドルロケット』と呼ばれる小さなロケットにタモという小太りな少年がいた。タモはエンジニアとしてパラダイス2に搭乗していたが、着陸前に船の異常に気付き宇宙空間にて修復作業を行なっていたところそのまま置き去りにされてしまった。
「着陸軌道に入っていて救出できなかったのはわかるけど、だとしても遅くないかな」
気弱なタモはそのまま宇宙空間にミドルロケットと一緒に漂い続けていた。
ピカッ!
「わ!眩しい!?」
タモが惑星の地上で直視できないほどの光を確認する。
「なんだ!なにが起きているんだ」
その光は爆発の光であった。
ドドドドドドドドドド
その光から円を描くように衝撃波が広がっていく。
「嘘だろ!!あの爆発!パラダイスに乗ってた人達が!!先に生活していた人達の街も全部巻き込まれていく!!!」
タモの目の前に広がる巨大な惑星それが火の海と化していく。
「こんなの人が住めたものじゃない。パラダイス計画は失敗だ…」
タモはそのまま丸焼けになる惑星を目に焼き付けた。
「いったいなにが起こっているんだ?こんなひどいこと人の手じゃできない…自然現象?でも、これはあまりにも酷すぎる…せっかくみんなここまで希望を持って来たのに…」
タモは静かに自分の死の覚悟をするのであった。
「僕が地上に降りれたとしても…生存者はいないだろうな…もうおしまいだ」
タモはそう言って目を瞑る。
◇
天界世紀111年パラダイス計画で発見された惑星は謎の爆発により地表が焼かれ、約一年の月日が経った。上空に漂っていた灰の雲は全て地上に落ち、地上には新たな生命が芽生え始めてきた。
ビービービービービー!!
アラームと共に鳴り響くミドルロケット内部。タモは少ない酸素で意識を失い惑星の重力に引き寄せられ、地表に向かって落ちていくのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
新章に入りました。今回の章ではSFチックな設定で行かせていただきます。
この物語の舞台や世界観を簡単に触れていきますのでどうぞよろしくお願いします。
次回惑星909の地上調査が始まります。




