表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/60

第五十八鈴 暗黒のなか

この世界を包み込む謎の魔力の原因が勇者ハリオの持つタイムリープのスキルとわかった響達一行は魔王側に協力を頼み勇者ハリオが繰り返しを使わせない満足できる戦いを用意することにした。勇者ハリオは『地獄の砂粒』でモサ子を倒し『暗黒のダンジョン』に向かうのであった。

勇者ハリオは魔王に捕まった響を助ける為に魔王に向かっていた。


「来たか。暗黒のダンジョン」


ハリオが『地獄の砂粒』の次にたどり着いたのは、『暗黒のダンジョン』と呼ばれる洞窟であった。


「今回は響達は一緒じゃないからな。いつもの裏魔法を使わせてもらおうか」


ハリオは近くの看板と岩の間に立ち素振りを初める。


ふわっ!


ハリオの体は周囲の魔力が反発し合い浮き始め、ハリオは素振りを続けることによって上空へ上がっていく。


「この裏魔法なら簡単にダンジョンの上から攻略できる。響の真っ向勝負ではないが今は先を急いでいるからな」


ハリオは暗黒のダンジョンの上の平な地表を駆け足で走っていく。


ガラ…


「ん?」


ハリオの足元の岩が崩れる音が聞こえる。


ガラガラガラ…


「は?」


さらに音は激しくなる。


「なっ!」


ガラガラガラガラガラ!!


ハリオの足元岩が崩れ、ハリオは暗黒のダンジョンに落ちていく。


「くっ、なんだ?まさかトラップか。ダンジョンの上は常に安全だと思っていた」


ハリオは洞窟の周りを見渡す。そこには3人の人影がいた。


「よう!ハリオ!よく来てくれたな!」


「その声はのなかか!?」


「そうだ俺だぜ!」


そう言って3人はこちらにゆっくり歩いてくる。


「だがな、俺は一人じゃ無い。俺たちだ」


そこには3体のMPSがいた。


「ほう、数で俺を圧倒しようというのか」


「そうだ。うまくいくとは思ってないけどな!」


3体のMPSはハリオに攻撃を仕掛ける。


「MPSマーク19爽凛そうりん、MPSマーク43 換毛機(ハンモウキ)、MPSマーク11幻影(ゲンエイ)ハリオに攻撃を仕掛ける!!」


MPSマーク19はボードに乗りハリオを巡回してミサイルを放つ。


バッバッバッ!!


そのミサイルの間をMPSマーク43のドローンが器用に動きハリオにビームを与える。


ビーーー!ガッ!


ハリオはビーム攻撃をレンガで防ぎ、飛んできたミサイルを華麗に避ける。


「ったく本当に攻撃が効かないやつだな!また時間を巻き戻してるのか?」


「違うぞのなか。お前の攻撃パターンがわかりやすいんだ」


ハリオはそう言ってMPSマーク43に攻撃を仕掛ける。


「甘いなハリオ!」


ハリオの背後からのなかの声が聞こえた。


「後ろから?」


そこには銀色の装甲のMPSマーク11が構えていた。


「ぐはっ」


MPSマーク11はハリオの顔面に一発、拳で攻撃を与えた。


「どうだ?MPSマーク11の装甲は銀色で輝いているんだぜ?周りのミサイルとビームの攻撃の中じゃ見えにくいだろ?」


「くっ、ステルスというやつか…」


MPSマーク11は再び煙の中に消える。


「こうも囲まれると戦うのが困難か…」


ビーーー!!


煙の中からビームが飛んでくる。


「くっ!」


ハリオは再びレンガで防ぐ。


ババババンッ!!


ミサイル攻撃がハリオに降り注ぐ。


「頂いたぜハリオ!」


そしてのなかの声と共にMPSマーク11の近距離攻撃。


「一撃で仕留めないようにわざと小さな攻撃を与えているのか…?確かにこのくらいならスキルを使うほどではないからな」


ハリオのスキルは自分の命が危険な時に自分の意思で発動することができる。しかしのなかの地味な攻撃はハリオのスキルを使うほど強力ではなかった。大きな攻撃を一撃与えて時間を巻き戻されるよりハリオに小さなダメージを与え地道に攻撃を蓄積させる作戦であった。


「もし危険になったら時間を巻き戻せるが、まずこの攻撃パターンと対策を考えなければ」


ハリオは再び周囲を確認する。


「MPS3体の攻撃…そして完璧な連携、いや、待てどうしてMPSが3体もいるんだ?もしかして2体は影武者なのか?」


ハリオはMPSの攻撃に違和感を感じた。


「そうなれば、狙いは近距離戦をしてくる銀色のやつだ!」


ハリオは再びビームとミサイルの攻撃を避けMPSマーク11の登場を待つ。


ぶわっ!


煙の中からMPSマーク11が拳を振りかぶった状態で現れる。


「試行回数にも当たらないな!」


ハリオはMPSマーク11の攻撃を避けてレンガを使ってMPSマーク11の頭部を殴りつける!


「ぎゃああああ!!!」


「ん?」


MPSマーク11からのなかではない魔物の叫び声が聞こえた。


「ずいぶん変だと思ったが、やはり魔物か!」


MPSを着た魔物はその場で倒れ込む。


「つまり残りの2体のどちらかにのなかがいるのか!」


ハリオは周りの2体に目を向ける。


ビュンッ!


MPSマーク19はスラスターの付いたボードに乗りこちらに向かってくる。


ビーッ!ビーッ!!


MPSマーク43 はその間を狙いビームを打ち込んでくる。


「しかしこの連携は一体なんだ?」


ハリオは絶え間ない攻撃に防戦一方であった。


「もらったぞ!ハリオ!」


のなかはボードにブレードを出現させハリオに突撃してくる。


「やらせてたまるか!」


ハリオは突撃を空中で間一髪で避け、体制を整えレンガを構える。


「そこだ!」


ハリオはレンガをビームを打ってくるMPS43に思いっきり投げつける。


「ぎゃぁああああ!!」


MPSマーク43は思い切り背後に飛ばされるのであった。


「残るは一体!奴が本体か!」


MPSマーク19はこちらに向かい戦闘体制であった。ハリオはマーク43のドローンを掴み構える。


「向かってこい!すぐに倒してやる!」


すれ違い際でハリオとMPSマーク19は思い切り技をぶつけ合う。


ガキンッ!!


ハリオはマーク43のドローンをマーク19の胸元に付き刺していた。


「ぎゃああああ!!」


マーク19からも魔物の声が聞こえる。


「なに!?そいつも本体ではないのか」


ハリオは倒したMPSの残骸を前に敵の次の攻撃がくることを警戒する。


「のなかお前は一体どこにいる!?隠れてないで出てこい!」


ハリオはのなかに叫ぶが返事が返ってこない。


コツン、コツン…


奥から足音が聞こえてくる。


「のなかか?」


そこには赤色のMPSが歩いてくる。


「お前は…なのか?」


ブンッ!


「何!?」


赤色のMPSは息する隙も見せず刀を振り下ろしてくる。


「早い!」


ハリオは後退して先ほど投げたレンガに手を伸ばす。


「その剣捌き…何者だ?」


ハリオはゆっくりと立ち上がる。


「このスーツでお前を倒す!」


「考えてる暇はなさそうだな!」


赤いMPSは再び刀を振りかぶり間合いをつめる。


ドンッ!


ハリオは前進して体で体当たりを決める。


「ここまで近づけば刀は不利だな!」


「まだだ!」


赤いMPSは左でハリオの振りかぶるレンガを受け止める。


「力技だな!」


ハリオは空いた手から炎を出した。その炎はハリオの全身を包みこむように燃え上がる。


「くっ!熱い!」


ハリオは離れようとする。しかしそれよりも先にハリオは炎魔法を周りに放つ。


ボォオオオオオ!


「魔法を覚えた時のちょっとしたテクニックだ」


「この鎧ごしでも感じる熱さ。ハリオはやはり只者ではないな」


「こっちからもいくぞ!」


ハリオはレンガを腕で一回転させてから赤いMPSに投げる!


ガンッ!


レンガの衝撃でMPSは弾かれる。


「ガハッ!」


ハリオは返ってきたレンガを回し蹴りでさらにMPSに放つ。MPSはそれを刀で受け止める。


ガン…ガキンッ!


強力な一撃が入り刀は折れ、MPSはその場で倒れる。


「終わったか?」


ハリオは上空から落ちてくるレンガを手に取りMPSの場所を確認する。


ブンッ!


MPSの目元のライトが光り、背中のスラスターで立ち上がる。


「まだだ!」


MPSは腕からブレードを出して攻撃を仕掛けてくる。


「望むところだ!」


ガンッ!ガキンッ!キンッ!


ハリオとMPSの連撃の衝撃は周りの岩までも切り刻むほどである。


「ふん!」


ハリオは回転をしてMPSの攻撃を避けその勢いのまま殴る。


「ぐはっ!」


MPSは倒れる。


「勝負あったな」


ハリオがゆっくりと倒れたMPSに近寄る。


「のなかにしてはなかなか鍛えられた攻撃だった」


ハリオが倒れたMPSを見下ろしていた。


「だからお前は爪が甘いんだ」


ハリオの後ろからのなかの声が聞こえた。


「は?何?」


そこにはひょろながい黒いパイロットスーツとヘルメットを被った男がいた。


ドゴッ!!


男はハリオを殴る。


「まさか…お前がのなかか?」


「そうだぜ?ハリオ、スーツを脱いだ俺ならスキルを使わなくて戦ってくれるだろ?」


「ああ、そうだな、だったらさっきの赤いMPSは?」


「あいつはルマージだ。お前と戦うって話したら協力してくれたぜ」


「なるほど…通りで強かったわけだ」


「さぁ、こっからは男の殴り合いだ!スキル無しでどっちが強いか確かめさせてもらう!」


「ふっ、面白い、いいだろう!」


ハリオとのなかはお互いに拳で戦い続けた。

スーツを着ていないのなかの戦闘力は一般人と同じまたはそれ以下であった為、決着は簡単に決まった。しかしハリオはその状態でも戦ってくるのなかとの戦いに高揚感が感じられたという。

のなかとの戦いの後ハリオは洞窟を抜けて響がいる魔王城に向かったのであった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

のなかとハリオの勝負を描きました。ハリオにとってのなかは雑魚同然でありますが、その上でハリオを足止めするよう試行錯誤で戦っていく姿を描いてみました。

次回はハリオが魔王城にたどり着きます。どうぞお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ