第五十九鈴 魔王討伐
タイムリープのスキルを持つ勇者ハリオはモサ子とのなかを倒し魔王城へ向かうのであった。
勇者ハリオはモサ子とのなかを倒し魔王城に辿り着いた。
「魔王城の攻略は簡単だ」
ハリオは入り口前で大量の爆発を起こし空気中の魔力に負荷をかけた。ハリオの体は魔王城の壁の中に魔法のように入っていく。魔王城の中の魔物の反応はそれぞれハリオの姿に気づくものもいれば、気づかずに簡単にハリオの侵入を許すものもいた。
「ひゃあ!!なんなの!お前!?おばけなの!?」
ハリオは途中で赤いリボンをつけたネズミを見たがそのままスルーして歩いて行った。
「すり抜けてるの!これじゃあ!侵入どころか散歩感覚なの!魔王にすぐに知らせるの!」
赤いリボンをつけたネズミは獣人化スキル保有者のミルであった。ミルは空間スキルを使って魔王の王室に向かったのであった。
◇
「お、ついた。ついた。魔王!いるか!?」
ハリオは自然と部屋に入り魔王を呼ぶ。
「…来たのかハリオよ」
ハリオに気付き奥に座っていた大柄の男がハリオに気づく。
「魔王!お前は響達に一体何をした?」
ハリオが叫ぶが魔王は返事がない。
「何をした?…なんのことだ?わしは何も行っておらん」
魔王がそういうと魔王の足元から小さな人影が歩いてくる。
「ハリオ来たんだね!」
緊張感のないトーンで響がハリオに声をかける。
「響!お前!大丈夫…なんだな…?」
「うん、大丈夫だよ。それよりもここまで来たってことはモサちゃんものなかも倒したってことだね」
「ああ、そうだ。魔王に捕まって操られていたと思っていたが…その感じ違いそうだったな」
「そうだよ。私がお願いしたの」
「…一体どういうことだ?」
「ハリオに最高のバトルを感じてもらいたいんだよ」
「は?」
「私は魔王にハリオを倒す方法を叩き込んだんだ。それも私のスキルを使ってね」
「響のスキルを使ってだと?」
「そう。私のスキルを魔王に共有して使えるようにした」
「なんだと!?」
ーーーチリン
響はスキルを発動して魔王に触る。
その瞬間魔王に青い光が通り、魔王の目が青く光る。
「そうだ。勇者ハリオ…これで俺はお前を倒すことができる」
魔王はそう言って椅子から立ち上がり、青く光る剣を抜くのであった。
「過去にこの世界で起きる災厄それを予言していた魔女がいた。魔女にはお前の出現が見えていたのだ。俺はずっと力を蓄えてきた。そしてここまで力を拡大させることに成功した。この世界にいる魔物の召喚。魔王城からの監視。そして厄災であるお前を見つけることができた。今、俺はお前を倒す。そしてこの災厄を終わらせる」
「…何を言っているんだ?災厄はお前だろ?」
「違うよハリオ。この世界の人達が感じている頭痛はハリオのスキルが原因なんだよ」
「頭痛…?」
「そう、村の人達が頭痛で体調を崩す原因。それはハリオあなたのスキルが原因なの」
「俺?」
ハリオはその言葉を聞き動揺する。しかし改めて響達に問うのであった。
「…それならば俺に一言言ってくれれば解決するんじゃないのか?」
「え?そうなの?言えばスキル使わないの?」
「いや使うな」
「だよね」
「最高のバトルがしたい…普通じゃ勝てない癖のある敵。それを倒して戦いの高揚感を感じたい。それまで俺はずっと戦い続ける」
「そうだよね。でもハリオはまだ私に勝ててない」
「確かに…」
「そして魔王に私の力を教えたよ。今のハリオに魔王は倒せるかな?」
「響の力を魔王にだと…」
ハリオは瞬きをした。その目は欲望に溢れる輝きであった。
「良いだろう!魔王!俺はお前とバトルがしたい!」
「言われなくても!俺はお前を倒す」
魔王は剣を振りかぶり前進してくる。
「たった数日、響から教わったぐらい、同じだろ?悪いがこっちも本気で行かせてもらう」
ハリオは手にもつレンガを突き出し構える。その構えはまるでランスのようだった。
「裏魔法、無限ランス」
ザザザザザザザザザ!!!
ハリオはレンガを光の速さで連続で突く。その速さ、その鋭さからまるでランスのように見える。
「これは、一発でも喰らうと相手は怯み最後の一撃までくらい続ける地獄の技だ!これを受けられるか!?」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!
「なっ!なに!?」
ハリオは魔王が剣を持っていない左手でハリオの攻撃を弾いている光景に気づく。
「響さんに教え込まれた甲斐がある」
「ノーツ化スキルだな!」
ダンッ!
ハリオは魔王から一度距離を置く。
ブンッ!
しかし魔王が振りかぶった剣の一撃がハリオに届く。
ガキン!
ハリオはレンガでその攻撃を受け止めるのであった。
「むん!」
魔王はもう一度振りかぶり再び剣を振り落とす。
「くっ!」
ハリオはサイドに避けそして魔王の間合いに入り攻撃を仕掛ける。
「魔王、聞こえてるよね?」
後ろにいる響が魔王に言う。
「はい!響さん!」
魔王は近距離でくるハリオの攻撃がしっかりとノーツに重なってリズムに乗って見えていた。
ダンッ!
片足を蹴りハリオの攻撃のノーツを弾く。
「魔王は大柄で懐の内側が弱点だった。その守りを固められるとはな…」
ハリオは再び、構えて攻撃を行う。
「ハリオ、俺は何度も何度もお前に負かされてきた。しかし今回は違う。勝てる自信がある」
「それは良いことじゃねぇか!」
ガキンッ!
二人の鍔迫り合いが周りの瓦礫を吹き飛ばす。
「だったら俺もいままでにない戦いを!」
「全て弾き飛ばす!」
ハリオは片手に魔法を生み全身を魔法で覆う。
全身に雷をまとい、レンガを持つ右手に炎、左腕に水の魔法を生み出した。
「雷の鎧、そして炎の鉄拳、水の盾…属性を使った強化魔法だ!」
「すでに!お前の動きは全て譜面で見えている!」
「魔王!気を引き締めて!もちろんフルコンよ!」
「はい!響さん!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!
激しい連撃が繰り広げられる。
ダダダダダダダダダダグサッダダダダダダダダダダダダダダ!!
ハリオの動きは雷の如く縦横無尽に飛び交い、そして魔王の四方八方から流れるように攻撃が加えられる。
ダダダダダダダダダダグサッダダダダダダグサッダドッダダダダガゴンッダダダ!!
「集中!音楽を聴いてリズムに乗って!」
「はっはい!響さん!」
魔王はハリオの連撃に追いつかず、打撃を喰らう。
「やはり!甘いな!」
ダダダダダダダダダダ!!!
ハリオは攻撃を構えながらポーチから矢を準備する。
「これで終わりだ!」
シュンッ!
グサッ!!!
「ぐはっ!」
ハリオの放った矢は魔王の腹に刺さり魔王はその場に倒れ込む。
「毒の矢だ。これですでに体には猛毒が周り息もできなくなるだろう」
響は魔王に刺さった矢を抜いて手をかざした。
「魔王…やっぱりあなたでは無理だったの?少し休んでね」
響は残念そうに魔王を見つめる。
「響さん…良いバトルだった。俺もここまで白熱する戦いは初めてだった」
「そっか…そしたらこうするしかないね」
ーーーチリン
響の鈴が鳴る。
「そうだ。響お前の番だ!」
響はハリオに向かって立ち上がる。
「本当のフルコン見せてあげる」
ハリオと響の戦いが始まったのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
魔王との初めのバトル回でした。魔王は大振りでリズム感もなくハリオの攻撃を喰らいつつもノーツを見て戦うというスタイルです。ノーツ化スキルは響だからこそ使いこなせるスキルでした。
次回ハリオと響のバトル回です。どうぞお楽しみください。




