たとえプールの中でも溺れることがあるので気をつけよう(1)
学園モノ交霊! じゃなくて恒例!
皆さまお待ちかね(?)の水着回です。
ごゆっくりお楽しみください。
もっとも温泉回がしょっちゅうなので新鮮さには欠けますが……
外に出ると、空は若干かすみながらも、それでも強い光に照らされた風景が目の前いっぱいに広がる。
青く澄んだ水面、そして白に近いアスファルト。
気温も高く、なにより湿気が強い。
ほとんど裸になってもむしろ生温かいぐらいだ。
「うっほ~~~~~~~~~いっっ! 気持ちい~~~っ!」
おれは握った両手を空高くかかげると、思い切り息を吸って、仁王立ちで腰に手をあてた。
海パン一丁という効果も手伝って、開放感がすさまじい。
今日は待ちに待った、学校プールの一般開放日だ。
とはいっても季節はまだ6月の上旬。
死霊族の世界のプール開きは一足早い。
もし雨天だったら誰も集まらないのだが、霧に包まれることが多いうちの学校では珍しいくらいの好天。
しかも気温が高いとあって、プールサイドにはそれなりの人数が集まっている。
「お~い、なにつったってんの~! こっちこっち~!」
呼びかけられる声に従い、アルファルとの上を慎重にかけだしながら、おれは先に待っているみんなのもとにたどり着いた。
「おお、みんなもう集まっていたのかよ。
まったくせっかちな奴らだな」
集まっていたのは、ヒャッパ、キース、影乃、ミノンちゃん、そして弥子ちゃんの5人。
全員おもいおもいの水着姿のなか、ミノンちゃんが裸のおれを指差す。
「そんなこと言って、あんたも準備万端じゃん。
それにしても……」
ミノンちゃんは途中で顔を赤らめる。
「うぅ、キミの水着、なんなん?
そんなきわどい海パン一丁で、大丈夫なの?」
おれの下半身を差す指が、心なしかおぼつかない。
おれは自分の身体に目を向けた。
適度にきたえあげられた細身の筋肉質、自分でも自慢に思う割れた腹筋の下を、どこか頼りなげな二等辺三角形の布がおおう。
三角形の頂点は当然のごとくこんもりと盛り上がっている。
われながら非常にきわどい格好をしていると思う。
それをちらちらと見た弥子ちゃんが、あまりの恥ずかしさに両手で顔をおおった。
つられておれも真っ赤になってしまう。
「うぅっ、しょうがないだろ?
水着を用意するのを忘れてて、購買部に行ったらこんなんしかなかったんだよ」
大ウソである。
この水着は高校生になるのに合わせあらかじめ入手していたお気に入りで、今回満を持しての着用である。
「うっそこけ!
お前普段からきわどいブーメラ……ふぐぅっっ!」
あきれ返ったようにつぶやいたヒャッパの口を、おれは大あわてでふさいだ。
おれは声に出さずにつぶやいた。
――お前、あれほど口止めしてやったのに(小遣いまでやったのに)口をすべらせやがってっ!
ヒャッパが「んん~!」と抵抗するのを無視しながら、おれは同時にキースと影乃をにらみつけた。
あまりに迫力があったのか2人とも冷や汗ぎみにうなずいた。
「ブーメラン? ブーメランって、なに?」
首をかしげる弥子ちゃんにおれは首を振って「な、なんでもな~いよぉ~」と告げた。
ミノンちゃんは少し心当たりがあるようで、
「な、なんなんだか知らないけど、あまり詮索しとかないであげるよ……」
なんだか誤解があるようだ。
言っておくが、おれがブーメランパンツを着用するのはあくまでフィット感と適度な開放感を求めてのことであって、細マッチョ体型と男らしい立派な股間を誇示するためではない! 絶対にない!
「ま、まあ、それを言えばキースのも、あまり見れたもんじゃないんだけど……」
ミノンちゃんは別の水着を見て思わず目をそむける。
キースが着用しているのはこれまた競技用。
おれのとは違いショートパンツ仕様なのだが、とにかくまあ股間の盛り上がりようがすさまじい。
おそらくサポーターはついているだろうに、それでもどことなくろこつなシルエットがあらわになってしまうくらいなのだからすさまじい。
「んあぁ?
何なんだその反応は、せっかく俺サマが自慢の素晴らしいイチモツを公開してやってんのに、お前ら何目をそむけてんだ。
ほら、しっかりと見ろ、ほら、ほら」
いやがる女子2人に、キースはあろうことか股間を振って見せつけようとする。
「ああくっそうっ! わかってたのにフるんじゃなかったっ!
新介、この露出狂なんとかしてよ!
あっ、しまった! こいつも露出狂だった!」
「違うっ! 何かカン違いしてるかもしれないけどおれはちがうぞっ!
おれはもっと別の根拠があってこっちを着てるんだっ!
しっかり説明するからちゃんと聞いてくれっ!」
残念ならが俺の話を聞いていないようで、ミノンちゃんはキースを非難し続ける。
「だいたいキースッ!
あんた背が高い割にはヒョロヒョロしてんのよ!
なにそれ、せっかく西洋ハーフなのに遺伝子が台無しになってんじゃない!」
キースは「なんだとぉっ!」とさけび、2人はにらみあいになる。
別のほうから声がかかった。
「ミノン、そうは言うけどさ、お前だってなかなかのもんだろ。
いや、水泳部だから仕方ねえかもしんねえけどさ」
こちらはごく普通のトランクス姿のヒャッパが、うっとうしげにミノンちゃんのセパレート水着を指差す。
「うっ、なによぉ。
なんならもっと露出ひかえめのやつ着てきてもいいんだけどぉ?」
彼女の水着はいかにもな競技用ワンピース水着で、腰あたりは傾斜のきびしいVカットになっている。
おそらく部活で使っているものをそのまま着てきたのだろうが、わざわざこちらの方を選んだのは、きっと意図があってのことだと思う。
「ぶっちゃけお前みたいな、運動マニアのガッチリした身体には興味ねえよ」
「うっわ傷つく。
文化系のヒョロヒョロした身体の奴には言われたくねえよ!」
言われてヒャッパは文字通りの情けない身体を両手で隠した。
おれはすかさずフォローした。
「ヒャッパの言うことはひどいよな。
おれ、ミノンちゃんの身体つき悪くないと思うぞ?
むしろムダな肉がついていないだけ、いい感じと思うぞ」
たしかにミノンちゃんの小麦色に染まった体つきは、たしかに歳下の少年かと思うくらいガッチリしている。
しかしそれはかえって彼女のボディラインを強調し、しかも胸とお尻がそれなりにふくよかなのも手伝って、正直もよおしてしまわないこともない。
思わぬホメ言葉に、ミノンちゃんは顔を真っ赤にした。
「あ、ありがと……てあんた何まじまじと人の身体見てんのっ!
覚悟してないわけじゃないけどそういうのやめてっ!」
両手で必死に身体を隠そうとしているミノンちゃんも見て、おれも「ごめん!」と言って目をそらした。
そこには自信なさげに自分の水着姿を見る弥子ちゃんの姿があった。
「や、弥子ちゃん……その水着って……」
思わず指差したおれは見慣れたタイプの水着をまじまじと見てしまう。
彼女が来ているのはオーソドックスなスクール水着で、胸のあたりに思いっきり「垣冴」と彼女の名字がデカデカと書かれている。
指摘したとたんに弥子ちゃんは胸を押さえた。
「うぅっ! だってほかに水着ないんだもん!
わたし背がちっちゃいから、普通の水着着れるかどうかわかんないし!」
「あ、いや、悪くないと思うよ。それはそれで……
あっ違うぞっ! 変な意味で言ってるわけじゃなくて、弥子ちゃんも背の高さのわりには……」
決して背が高いとは言えない弥子ちゃんだが、以外にも体型がいい。
てっきり幼児体型だと思ってたのに、胸はゆるやかにふくらんでいて、腰のあたりはひかえめにくびれができている。
「……ってきゃあぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~っっ!」
おれのなめまわす視線に気づいた弥子ちゃんがあわてて身体を隠した。
ミノンちゃんは怒り心頭でおれの頭をはたこうとする。
「なにあんた弥子の身体までじっくり観察してんのよっ!
フォローするつもりで女の子の身体を視姦してんじゃないっ!」
「や、やめろやめろっ!
死霊族の張り手は人間には危険だって! やめろってっっ!」
「お前何そんな奴らの水着で満足してんだよ。
新介の本命はあっちだろうが」
キースのあきれ声にケンカをやめたおれたちは、新たにプールサイドに現れた2人の姿を見て、完全に見とれてしまった。
ミノンちゃんや弥子ちゃんの体つきも悪くないと思うおれだが、さすがにこの2人にはかなわないと言わざるを得なかった。
現れた沙耶とタタミちゃんは、2人ともビキニ姿だった。
沙耶が黒で、タタミちゃんは白とレモン色のチェック柄。
そのほとんどがあらわになった素肌は透き通るような白で、太陽の光をまっすぐ受けてよく反射している。
2人が話しこみながら近寄るのをいいことに、おれは彼女たちの身体つきをじっくりと観察する。
タタミちゃんは沙耶と比べてスリムだが、それでも見とれてしまうようにいい身体つきをしている。
水着に包まれた胸と腰はひかえめながらも十分に盛り上がり、はみ出したやわらかい肉が太陽の光を受けて絶妙な陰影をつけていた。
残された素肌も流れるようなラインを描き、割と背が高いことも相まってこの世のものとは思えない何かを感じさせる。
沙耶にいたっては、もう何もかも完璧だった。
黒い生地に守られた部分は、これでまだ15歳なのかと思うほどボリュームが豊かだ。胸の谷間の造形がありえないほど美しい。
しかし大きすぎるということはなく、細くも太くもないそのグラマラスな体型とうまくバランスをとっている。
それに加え、折れてしまいそうなくらい細いくびれとなめらかな曲線を描く手足もまた、何時間でもながめられてしまうくらいに、とにかく美しかった。
水に入ることを想定してか、沙耶は非常に長い黒髪をほんのすこしだけまとめている。
一方タタミちゃんの金髪はバクハツせず、セミロングの流線形を描いている。
どちらもとってもステキです。
長い間とびきりの笑顔で話しこんでいた2人はおれたちの目の前に来たところで、ようやく全員の視線を集めていたことに気づく。
ともに顔を真っ赤にして恥ずかしそうな笑みを浮かべた。
タタミちゃんが手を振り仰いだ。
「ちょっとぉ~! やめてよねぇ~っ!
そんなあからさまな熱視線向けられたら、いくら割り切ってても恥ずかしくてしょうがないよぉ~!」
女ながらにうっとりした表情のミノンちゃんが、腕を組んで納得する。
「う~ん、なんだかんだ言って、やっぱりあんたたちには負けるなぁ~。
これじゃシットするどころか、むしろホレボレしちゃうね!」
「ミノンだってそんなことないよぉ。いいカラダしてるってぇ~」
たがいのナイスバディをほめあう女子2人。
ミノンがおれを親指で指した。
「そう言えば、こいつもなにげにホメてたっけ、おかげで結構自信ついたよ」
しかし、当のタタミちゃんはおれの水着姿を見てしらけた表情になった。
「……新介、アンタ自分の肉体美誇示するために、そんなこっぱずかしいカッコしてんの?」
「ちがうっ! それはちがうぞっ!
ブーメランパンツの利点はほどよいフィット感と、そしてよけいな部分を締めつけない適度な開放感……
ってしまった自分で本当の理由白状しちまってんじゃねえかっっ!」
言いながらおれはうまく弁解できたのではないかとホッとしていたが、タタミちゃんは納得いかない表情のままだ。
「新介がそういう趣味持ってんだったら、アタシちょっと幻滅しちゃうな~。
似合ってないことないけど、カレシにしたらちょっと恥ずかしいかも……」
「うぅ、そんなこと言わないでくれよ~。
今さら誰でもはいてるような下着なんてはけねえよ~」
「そんなこといわれてもね~。
沙耶だってそう思うでしょ……」
タタミちゃんが何気ない感じで横を見ると、おれの股間を凝視して固まっている沙耶の姿があった。
「お、おっきい……」
「しまったっっ!
アタシらは前にアクシデントで中身を確認したことあるけど沙耶は全くの初見だった!」
「ちょっ、沙耶っ! あんまり凝視すんなってっ!
じっと見つめられるとさすがに恥ずかしいっっ!」
おれがあわてて股間を隠すと、沙耶は我に返ってあわてて首を振った。
「ご、ごめんなさいっ!
つい予想以上のものを見てしまったからビックリしてしまって。
新介君、やっぱりウワサどおりだったのね……」
そう言って黒髪少女は口を軽く手でおおって少しうつむく。
顔は少しあからんでいるのを見て、おれは視線のやり場にかなり困った。
「あの、沙耶、ゴメン……」
「なんであやまるの?
その水着、別に恥ずかしくないと思うけど。むしろセクシーでいいんじゃない?」
顔を赤らめながらも、ほほえみを浮かべて首を振る沙耶。
おれは気を取り直したかのように親指を立てた。
「でかした沙耶っ! ナイスフォロー!
あっ、今の言い方だと見せつけてるような感じになっちゃうけど違うからなっ!」
タタミちゃんが舌打ちするのは、沙耶がおれの格好に肯定的な意見を述べたのがくやしいからだろう。
そのうちおれのブーメランも素直に認めてくれるんじゃないか?
少し落ち着いたおれは、2人の水着姿にあらためて目を向け、納得の表情でうなずく。
「それにしても、2人ともすごく似合ってるぞ。色柄もベストチョイスだな。
さっきから視線を外すのにすごい苦労するよ」
言われ、2人は隠しきれない身体をもじもじとさせる。
「ちょっとぉ、やだぁ~。
だからあんまりじろじろ見ないでよ~」
「新介君にそう言われると、さすがに恥ずかしいわ。
でもこんないいお天気の中で身体を隠すのもなんだかと思うし」
「アタシなんか、大したことないよぉ~。
沙耶なんかすっごいグラマーじゃん。あんたホントに15歳?」
「そんなこと、タタミにも言われて恥ずかしいわ。
でも、わたしタタミの体型好きよ? すらりと手足が伸びて、とってもいい感じ」
「やだぁ~。ばかぁ~、ホメても何も出ないよぉ~」
2人はじゃれつきあいながら、タイプの違うナイスバディをほめあう。
おれは見ていて天にも昇りたい気分だったが、この光景を退屈に思う御仁もいたようだ。
「ケッ!
沙耶が身体まで超絶美少女なのは認めるが、タタミのほうはどうかな。
どうせ寄せてあげてパットでごまかしてんだろ?」
「ちょっとキースッ! そいつは聞き捨てならないね!
怪しいと思うのも無理はないけどあたしの胸は正真正銘の本物だよ!
なんなら他の3人だって認めてるよっ!」
怒り心頭で前のめりになるタタミちゃんに女子3人はいっせいにうなずくが、キースは両手をあげて首をすくめた。
「どうだかな。口裏合わせしてたらわからんからな。
物理的証拠は何もない。触って証明することもできないんだろ?」
「ぐっ! 痛いところをつかれた……」
ここでなぜか、タタミちゃんはおれの方をキッとにらみつけた。
「こうなったら仕方がない!
新介、サービスだっ! アタシの胸を触って確かめてみろ!」
おれはさすがに恐縮したが、あらためて感心し、うなずいた。
「そこまで覚悟して言いきれるんなら、本物ってことだろ。
それにしても素晴らしいな。1学年最高の美少女4人組は、そろって欠点がなにもないなぁ」
いきなり話をふられたミノンちゃんと弥子ちゃんがおどろいてのけぞった。
「ぐおっ! なんつう不意打ち……お前あたしまでホレさせるつもりか……」
「なんで新介君はミノンや弥子のフォローまでするのかしら?」
あからさまなジト目で腕を組む沙耶。おれはあわてた。
「違うって! 2人ともあまり自信がなさそうだからなぐさめてただけなんだって!
悪意は全くないんだからそっぽ向かないでよ沙耶っ!」
その時、なぜか後ろでクルリとうしろを向いた2人組がいた。
影乃とヒャッパだ。
「おいおい、どうしたんだよ。2人とも大丈夫か?」
が、すぐに気づいた。
2人とも中腰になってトランクス水着の股間を必死に抑えつけようとする。
「ま、まずい……
お前らが勝手に盛り上がっているのをいいことにじっくり観察してたら、つまらんところが反応してしまった……」
影乃は必死に首を振り続けている。
「いかん、おれのはキースほどではないが、アレがでかい。
こんなものを見せつけてしまったら彼女たちにショックを与えてしまう……」
「え、影乃、おまえはいいよな。自分はごリッパで傷つかないから。
オレなんか見られたら『なぁにあんたのその股間についてる、ちっちゃい突起は? プゲラ』
なんて言われるのがオチだぞ」
なんとなく2人のやり取りを聞いてしまったおれはあわてて両耳を押さえた
「……いかん! こいつらの話をまともに聞いてはいかん!
おれまで反応したらブーメラン水着では大変危険な状態になる!」
もう少しで情けない2人の列に加わりそうになったところで、キースが声をかけてきた。
「お前ら何コソコソしてんだ。もっと胸を張って見せつけてやれ。
そうすりゃ女子どもはむしろ喜ぶぞ。ほれ、ほれ」
そういうキースの股間は……もうとんでもないことになっていた。
おれたちは3人そろって叫びあげた。
「「「だぁ~~~~~~~~~~~~っっっ!
何やってんだお前、早く隠せぇ~~~~~~~~~~~~~っっっ!」」」
「「「「きゃあぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっ!」」」」
相変わらずこりない奴、キース。
すみません、著者はおっぱい星人です。貧乳はイマイチ苦手です。
いちおう今後は、貧乳キャラも出していくつもりではあります。




