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長くあけてしまいました。ゴメンなさい。

「あー、肉が食いたい」

「四郎はわがままだな」

「わがままじゃねえよ! おいらは普通の肉を普通に食いたいの! 変な油で揚げてない奴が!」


 ラーメン屋が流行り出してから菜食主義者に戻ってしまった四郎を見て、勇者は呆れた声を出す。


「そうは言うがよ、勇者。火で炙っただけの肉をかぶりつきたいとは思わないか? ワイルドだろ?」

「それなら袖を引きちぎった服を着てコーラ片手にやってくれ」

「……」

「おい、袖を引きちぎろうとするな! わかった。依頼を受けて泊まりがけで野性的な狩猟生活をしよう! そうすれば肉を生焼けで食いつけるぞ!」

「都会っ子のおいらには生焼け肉は荷が重い。腹下すわ!」

「都会っ子はそんな一人称言わねえよ! それに異世界生活でなれてるだろ!」


 そんな訳で、四郎達と勇者パーティーは依頼を受けて森に入ることになった。


『さあ、行くぞ! 狩るぞ! 解体だ!』

「ナゼか、カーリンさんが一番喜んでいる件」

「野生の神ですから!」

『お兄ちゃん、“血と解体の”神だよ』

『お姉さま! ステキです!』


 先頭で草木を鉈で叩き切りながら森の奥に進んでいくカーリンに引きぎみで着いていく一同。いつの間にか辺りは暗く奇妙な植物が生えている場所に来ていた。


『おおー! これは珍しい植物だ!』


 ここに生えている植物ものが良いものなのか、はしゃぎだしたディーニュはせっせと採取していく。


「これは目玉じゃねえの?」


 その中で見つけた植物に血走った目玉が鈴なりになっているものがあり、四郎が掴むとその目玉が一斉に四郎を見る。それを見て驚いて手を離す。


「うわー。キモいな」

『それは邪眼草って言ってね、見られると気分が悪くなる気がするんだよ』

「気がするだけかよ!」


 この鈴なりの目玉に見られると男でもいい気はしない。無視していても視線を感じる為に見つけたら燃やしてしまって奥地にしかない。


「確かにキモいな」

「おい、四郎! 何で後ろに隠れるんだ?」

「勇者なら平気だと思って……」

「「勇者様なら平気」」

「お前らもか!」


 邪眼草の視線から逃れるように勇者の後ろに並ぶ四郎以下勇者の仲間達。それを見て勇者は頭を右回りにしゃがむようにして回す。それに続くように四郎以下が同じように動く。


「「ファンファン、びー、イズホニャララー」」

『何してんの?』


 突然、歌いだした四郎と勇者を見てカーリンが聞く。


「ちゅうちゅうナンタラだったか?」

「ナンタラトレインだったはず」

『それがその動きと、どう関係があるんだ?』

「視線から逃れるためのダンスだ!」

『意味がわからん!』


 放り出された邪眼草を拾い上げディーニュに渡すと、


「それを渡して貰おうか……」


 その声がディーニュの背後からかかった。


『誰かな?』


 ディーニュが振り返ると口と片目を隠して不自然な格好で立つ黒い少女がいた。


「私の目から流れ出た呪われた血が産み出したその植物は不幸をばらまかぬように私が管理するのが筋だろう?」


 立ち方を替えて反対の手で邪眼草を指差す。


「カッコいいポーズの探求者だろうか?」

「どう見ても病気もちだろ?」

『四郎、彼女は病気なのか? 勇者ん所の治療師にでも頼めば……』

「無駄だ」

「カーリン、これはそんなことじゃ治らないんだ」


 四郎と勇者は諦めたような顔をしてそう呟いた。その先でディーニュから邪眼草を受けとる少女は、それをどうしようかと持ったまま困っていた。


「痛い発言に普通に返されて戸惑っている」

「アドリブに弱く自分の世界観だけでくっちゃべる」


「「彼女は中二病を発症している!」」


「ちゅ、中二病言うな!」


 声をそろえたその言葉に少女はそう返すのだった。


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