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“金と筋を愛でる”神、ツクユミ。最高神アマテーラスの姉妹神であるが、どちらかと言うと外に出るタイプではないため、アマテーラスの一声でこのソックス王国の守護神となる。アマテーラス神の力と姉妹として繋がっているため、この国はある程度安全が約束されている。
「そんな安全な国なのにどうして勇者なんか呼んだんだ?」
『神殿を見ただろ?』
「……ああ」
『そっち方面にばかり力を入れて国の方にあまり力を貸さなくなってな……』
『アマテーラスが怒ったのだ!』
「普通怒るだろ?」
『まあ、それで危機感を感じ取ったツクユミはテンパって勇者を呼んじゃったんだよ』
「勇者もいたらんことされて大変だったな」
『その後、お尻ペンペンされたらしいよ』
「……そんな神の私事は知りたくなかった」
カーリン達が無事に戻り神殿の隅で震えていた四郎を保護した後、帰り道にこの話を聞いた。そうしてこれからどうするかを話している。
『私はツクユミに料理を頼まれたから少し居たい』
『ウチはここ、広すぎて落ち着かん』
『私はどっちでもいい。解体できれば』
「ここじゃ出来ないって」
『なら、外だ』
『お布団があれば何処でもいい』
「ヒピュスはそうだろうな! それならディーニュは神殿の中にでも居るか? おいら達は町の方に行くが?」
『お兄ちゃんに置いてかれる?』
潤んだ目で四郎を見上げるディーニュに保護欲を掻き立てられ悩む。
「困っているようだな! 落武者よ」
「誰がだ! ちゃんと髪はあるわ!」
『勇者よ、あまり頭の事は言わないでくれ。……気にしてるんだ薄いのを』
「気にしてねえよ! 適当言うな! アルッテ!」
今にも掴み合いの喧嘩をしそうな四郎とアルッテを勇者が止める。
「話はドアの前で聞かせてもらった。王宮ではなく神殿に通える場所があればいいんだな?」
『さりげなく話を進める勇者に立ち聞きしてたのをツッコミたいんだが……』
「カーリン、それは後にしよう。そんな都合のいい場所はあるのか?」
「あるぞ。僕の家だ」
「は?」
『この子、ウチ等を家に泊めて夜の勇者になる気だな!』
「うん、アルッテは黙ろうか」
「王宮を通らずに神殿に行けるゲートがある。信者が通う時に使うやつだ。その近くに僕の家がある。ちなみに商人の家だったらしい」
「そのゲートってなんだよ」
「ゲームであっただろ? 離れた場所を繋ぐやつだ」
その説明で四郎は解った。女神達は元々知っているようだ。
『“ネジ曲がった”神と“どこまでも繋ぐ”神の合作の門か』
「そうなんだ。それをこの国の神殿は信者の為に作って貰ったんだ」
『それがあるなら近くの宿でも借りれば……』
「だから僕の家が在るからそこに泊まっていいって」
「どうしてそう泊めたがるんだ? ひょっとして……」
「ああ、そうだ」
「一人で寂しいんだな」
「ちげえよ! みんなと住んでるよ!」
『男一人に女三人……おさかんです事』
「ちげえよ! その女の中で男一人で何か肩身が狭くってな。友達でも居ればいいかなって」
『……ホモ達』
「四郎、その子を押さえててくれ」
「ごめんなさい。おいらノーマルなんで」
「だから、違うわ!」
アルッテを捕まえようとした勇者は四郎の言葉に地団駄踏む。
「冗談はさておき。泊めてくれるなら泊まってやろう」
「言ったのは僕だけど、何で偉そうなんだ?」
「でも、いいのか?」
「部屋は剰ってるから平気だぞ」
「おいら達が来たら2対7でもっと肩身が狭くなると思うんだが?」
「…………あっ!?」
しかし、勇者は言った通り四郎達を泊めることにした。
「一緒に寝よう」
「寝ねえよ!」




