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カーリン達は守護神と呼ばれるこの国の神にこの国で神としての滞在許可を貰いに来たのだが、その神はディーニュを抱え込んで離そうとせず、ディーニュも抱えられたまま困った顔をしていた。
『ディーニュを離してくれ』
『嫌っ! ディーニュちゃんは私のものよ!』
『私はお前のものではないが?』
『ダメ! ディーニュちゃんはここで筋肉を育てる料理を作るの! そして筋肉王国を!』
拳を突き上げる守護神は高らかに宣言する。
『昔、ディーニュちゃんが作った料理を食べた人が服を弾き飛ばしたのはすごかったな……』
その光景を思い出したのか何処か夢見るような目で明後日の方を向く守護神。
『ディーニュ?』
『……あの頃は若かったな』
ディーニュは反対にどんよりとした目で虚ろな目を下に向けた。
『そうですか、わかりました。ディーニュはやりますんで許可をください』
『本当! 貰っていいの?』
『どうぞどうぞ』
『アルッテ!』
『ついでにこいつもどうぞ!』
アルッテは引きずっていた毛玉化したヒピュスを守護神にぶん投げた。人間大の毛玉をぶつけられた守護神はディーニュごと吹き飛ばされ目を回している。
『よし、脱出です』
ディーニュを抱えたアルッテはそれをカーリンに渡すと毛玉を引きずって歩き出す。
『早く行きましょう。お姉さま』
『アルッテ?』
『筋肉フェチに構って仲間を置いていくと四郎に起こられるでしょ?』
口をへの字に曲げて不本意ですとその表情は言っているがアルッテも守護神に腹を立てていたようだ。仲間思いの面もあるんだなとカーリンは感心した。
『それに調子に乗っている奴を背後から突き飛ばすのがウチの趣味ですから』
『色々台無しだ!』
そう叫んだカーリンは部屋の入口から出ようとするが、
『痛いし、ディーニュちゃんが連れてかれるし……どうなってんの!?』
気絶から目覚めた守護神が入口を髪の毛で塞ぎぶつぶつと呟き始めた。
『お姉さま、鉈で一思いに切っちゃってください』
『……うん、そうだね』
『私を無視するな!』
入口を塞ぐ髪の毛を切り裂き出ていこうとするカーリンの背後から髪の毛の津波が襲ってくる。それに絡み取られて身動きとれないカーリン達の前に守護神が近づく。
『もういい。君達もここに閉じ込めて、ディーニュちゃんの料理の実験体になるの。それか食材として捌いて貰おうかな』
『ん~? 私はそんなことしないよ?』
いつの間にか目を覚ましたディーニュが巨大な包丁を持って立っていた。その顔には笑っていない笑顔が張り付いている。そしてその包丁でカーリン達を髪の毛を切り裂いて救いだしていた。
『ディーニュちゃん?』
『何かな?』
『怒ってる?』
答える代わりに包丁を降り下ろした。その威力は守護神の背後まで切り裂かれた地面が証明している。
『頼まれたら少しは作っても良かったんだけどさ、友人達に色々されるとイラッとくるんだよ?』
ディーニュの背後から上がる黒い気配に圧倒されて守護神は震えている。それを見てディーニュはもう一度包丁を振り上げた。
『はい、そこまで~。ディーニュちゃんストップ!』
ディーニュの目の前に守護神を庇うようにしてアマテーラス神が現れた。
『久しぶりにあってはしゃいじゃっただけじゃない。許してやって』
『イヤだよ』
『許可も出させるし、後、メダルもランク上げてあげるから』
『……最高神が言うなら、仕方がないな』
そう言って包丁を仕舞った。
『ありがとう。妹にも後でキツく言っとくから』
『『妹!?』』
カーリン達が驚きの声を上げる。
『あまり知られていないけど、この金髪お化けは“金と筋を愛でる”神、でアマテーラスとの姉妹神なんだ』
『ええぇぇぇぇ!?』




