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「ようこそ、守護神の神殿に。さあさあ、どうぞ」
「……お断りします」
『いいから、早く入れ!』
「嫌です! もうこの国にいなくていいから他の場所に行こう!」
『お兄ちゃん、国から出るのにも一応話通さないといけないんだよ?』
「ディーニュちゃん、解ってるんだ。だけど体が拒否するんだ」
『1名様ご案内ー』
『アルッテ! 止めなさい! 四郎はどうしたんだ? なにが嫌なんだ?』
「何で神官がモッコリパンツ一丁で筋肉ムキムキなんだよ! こんなの神官じゃねえ!」
「ハハハハ。決まっています。ここは神にこの素敵な肉体美を見て貰う為の神殿なんですから!」
無駄にいい笑顔でサイドチェスする神官が告げた。
王宮を通り最奥部にある扉を抜けると白く巨大な神殿があった。王宮に隠れて見えないがその大きさは王宮と指して変わらない。そこで神殿の扉を開けると飛び込んできたのが筋肉ムキムキの神官だった。
「さあさあ、お客人このジュースを飲みたまえ」
「さあ、このバーベルを持ち上げるのです! 腕の筋肉を意識して」
「美しい。また胸筋が厚くなっている。この次は……」
どこぞの充実しすぎるトレーニングジムのような内部に案内され、何人もの神官が筋肉を鍛えているなかを四郎はカーリンの手を放さないように握りしめて震えながら歩いている。時折、カーリンが振り返ると雨に打たれた捨て犬の様に憐れを誘う目でカーリンを見ている。
「ここでトレーニングした我々は1日に1回神に姿を見てもらえる間があります。そこが神に唯一会える場所なのでご案内します」
そう言って案内するのは入口でみた神官だ。他の神官とすれ違う時にポーズをとっているのでその歩みは遅い。
『四郎が怯えてるんだが、早くしてくれないだろうか?』
「そうですか。しかしこの挨拶はここでは大事なので我慢してください」
『そうなのか?』
「はい。筋肉は見られることで美しくなると言う教えで、必ず見せ合いっこしなければならないのです」
『そ、そうなのか?』
「カーリン、余り突っ込むな。こっちにはわからないな理屈なんだ」
四郎が背後から小声で話しかけてそれ以上話すのを止めさせる。
そしてポーズをとる筋肉達が彫られた扉の前に着くと四郎達をその中に入れた。
『……鏡?』
神官が外で扉を閉めると中に入った四郎達の前に全身を写す鏡が現れた。
『これは?』
『お姉さま、ここは四郎を突っ込ませるべきです』
『おおー、綺麗な鏡だね!』
「下手にさわらない方がいいんじゃ……」
四郎の目の前でカーリンが鏡に触ったとたんーー
「え? カーリン、ディーニュ、アルッテ、ヒピュス?」
女神達が欠き消えた。




