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翌日、馬車を引く勇者が四郎の前にやって来た。
「数日かかるからこれで行こう」
「マジで勇者が引くの? ここは世紀末覇者が乗る馬ぐらい連れてこいよ」
「僕の脚力があれば問題ない」
「いや、絵面的に不味いって!」
そこで思い出した四郎は鏡を出して勇者に向ける。鏡が光を勇者に放つと、そこには白い子馬がいた。
「なんだこりゃ!」
「あ、そうだった可愛かったから子馬を撮ってたんだった」
“水鏡に映る”神にもらった鏡の力で子馬の幻影を付けられた勇者が叫んでいる。自分の手が馬の蹄み見えれば驚くだろう。
「これに馬車をつけるのか?」
手をワキワキして子馬の勇者にサータニアが近づこうとする。
「でも、これ勇者ニャ。触ると危ないニャ」
もれなく足をなで回すというセクハラがついてくる事を暗に言って止める。
「くっ、こんなに可愛いのに……」
『まあ、これで馬が引いている様に見えるからいいか』
「動物虐待にみられないかニャ?」
この日、街から王都までいく道で爆走する馬車とそれを引く白い子馬が見られて、その馬をなんとか手にいれようとする商人達が探し回るのだが、見つかることはなかった。
「ヤラーレ様。勇者達が今日街を出たと連絡がありました」
「それで、後を追うものは?」
「商人と護衛に化けさせた者に追わせています」
ヤラーレはそう報告する部下に頷いて下がらせる。窓に向き直り王都の方角に目を向ける。
「サータニアよ。すぐに目を覚まさせてやるからな」
ヤラーレはサータニアと同じ時期に入団して大貴族のヤラーレは回りの貴族に持ち上げられて、傍若無人な振る舞いをしていた。そこで女性でもあり見下していたサータニアとの勝負を騎士団の団長により命じられた。そこで負けたヤラーレは大貴族としてのプライドをかなぐり捨ててサータニアに何度も勝負を挑むことになる。そこからはヤラーレの態度も騎士団の中で磨かれて大貴族の肩書きもあるため頭角を表していく。だが、その間もサータニアへの勝負は止められなかった。
「サータニアの良さがわからん勇者よ。絶対にサータニアは渡さん! ただ、足だけしか評価しない勇者とはちがい私はあの足から繰り出される蹴りの威力と踏み潰される痛みを知っているのだからな!」
ヤラーレ・ヤックダヨはサータニアによって目覚めてしまったM男だった。
「わたさん。渡さんぞ! あの足で踏まれるのは私なのだ!」




