74
書いていて寝てしまい今になった。(5時過ぎ)
「おい、冗談はその丸っこい顔だけにしろよ!」
「誰が丸顔だ! 少しぽっちゃりしてるだけだ!」
四郎の言葉に勇者達がそっぽ向いて口元を押さえて笑いをこらえている。ヤラーレ・ヤックダヨは普通の甲冑の上に顔を食べさせるヒーローのような丸顔がのっているのだ。そして四郎は勇者の耳元で、
「たぶんあのパン、餡子入れ忘れてるんだぜ」
「おまっ! ちょっと想像しちまったじゃねえか!」
勇者の顔も笑いをこらえているのに凄いことになっていた。ヤラーレに見えないように後ろを向いてプルプルしている。
「卑怯だぞ! 貴様、そんな精神攻撃をするなんて!」
「この男は訳のわからないことを……」
四郎の言い分にイラッときたのか目をつり上げる。
「顕現せよ。“剣の”神よ」
ヤラーレの手の中に剣が現れる。それを見た四郎も鍬を構える。
「止めろ! この者達は勇者の連れだ! どうするかは勇者に権利がある!」
その間に割って入ったのはサータニアだった。だが、その顔は極力ヤラーレの方を見ないようにしている。
「しかし、こいつらは外から神を連れて来たんだ。どんな危険があるかわからんからここで処分する!」
「まて、ここでそんなことをすれば、私が相手をすることになるぞ!」
、そう言って剣を顕現するサータニアに苦虫を潰したような顔を向けると勇者を睨み付けて出ていった。
「どうします? 早く王に会いに行かないとある事無い事言われますよ」
剣を消してサータニアは勇者に向き直る。
「そうだな。四郎、すまないが一緒に王都まで来てくれ。王に許可をとって神に会わなければならなくなった」
「いいぞ。足は勇者に任せるとして、食事はディーニュに頼むから食材を買わないとな」
「食材はこの店の取引先を紹介しよう。それで、四郎達のメダルを持っている神について聞きたいんだが……」
「それなら、おいらのは鍬と鏡とカーリン達だ」
鍬と鏡を出すと後はカーリン達を指差した。
「お前な、それならアン〇ンマンが神と言われた方がしっくりくるわ」
「あれは顔パンパンマンだわ」
「ハハハ……顔パンパンマン……僕はもうあいつの顔見れねえ!」
思いだし笑いする勇者が落ち着くのを待って四郎がカーリン達の事を話す。
「マジで神なの?」
『信者も居らずに忘れられた神だがな』
カーリンの言葉に驚いた勇者達は急いで“鑑定の”神の使えるものに確認させた。
「すいませんでした。神とは知らずに対等な口を聞いてしまって……」
勇者は土下座する勢いで謝った。
『気にするな。四郎ほど無礼じゃないから』
『それはアルッテの主観だからな』
偉そうに腕を組んでそう言うアルッテにツッコんでおくカーリン。
「しかし、そんなに契約できるのか? 神と」
勇者達の主観では四郎の持っているメダルや顕現させておく魔力が異常なのだ。
「これがチートか……」
「そんな事無いぞ。魔法もほとんど使えないしな」
「勇者おいてけぼりにすんだろ? 最近の異世界の話は大概そうだ」
「いや、そうだけど。勇者は必要だから呼ばれたんだろ? それと一緒にすんなよ」
「はっ! そうだ。キャラ作って生意気な勇者しなければ……」
「何言ってんの?」
「ふははは、魔法も使えない雑魚め……えっと」
「無理すんな! 勇者は足の事を考えろ!キャラブレしてんぞ」
勇者を慰める四郎を見ながらカーリンは、
「他の世界の人間はよくわからないな」
そう呟いた。




