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『そうか、……あんた達が禍神を倒したのか』
『倒したと言うよりは勝手に滅んだみたいだったな』
『カーリンさん、教えてくれてありがとう』
『同じ神として当然だ』
四郎達が村に着いた夜に神殿でカーリンと“水鏡に映る”神が話をしていた。その横でちゃっかりとストーカーしていたアルッテがお菓子を食っている。
『そうか……滅んだか』
“水鏡に映る”神にはその滅んだ禍神が祭壇の壊れた村の神だと気がついた。しばらく前に苦しげな悲鳴の後、姿を消してしまった神。その後を気にしていたが加護が切れていないために大丈夫だと思っていたのだが、村から加護が消えてしまいどうなったのか知りたかったのだ。
『神は滅べば世界に帰る。そして木に土に人に混じり循環する。だが、禍神は違う世界を食らい自分の物にしようとする。あやつは優しかったからそうならずに済んで良かったのだろう』
『人はいくらか食ってたけどね』
『……アルッテ、言わなくていいの!』
そんな二人のやり取りを聞いて“水鏡に映る”神は笑った。
カーリンとアルッテが神殿を後にした時間、村へまっすぐ進む泥のような影があった。それは道も何も関係なくただまっすぐに進んでいく。途中にある樹も鳥も恐慌状態でそれに襲いかかる動物達も触れるそばから泥のような黒い体に取り込み食らっていく。
「ギャギャーー!」
「グァアァァ!」
「キャーキャ、キャーキャ」
頭だけ出ていた猿や虎達も悲鳴を上げながらも飲み込まれ辺りから何もいなくなり、重苦しいほどの静寂が辺りを包んだ。
『¢%℃§●◆』
泥のような影は立ち止まり言葉に出来ない声を呟いた。
『≪∝‰√‡……戻る』
表面の泥のような物が波打ち、足元に落ちてるとその影へ飲み込まれていく。
『我は……戻った』
泥のような影から出てきた者はそう呟くと、その顔をまっすぐに向けて歩き出した。
この世界を懐かしむように。
この世界の総てを蹂躙することを喜ぶように。
そんな笑みを浮かべて。
朝日が登り村人も仕事に出て行ってしまった後、四郎達は神殿に来ていた。
「朝からすまんな! どうしても連れてこいってうるさいんだ」
呼びに来たリーダーが謝った。朝飯前に呼びに行ったのでその謝罪だ。
『お前はそんな事言っとらんで早く畑に行け!』
「ウルセエ! こっちは客に何かしないか心配なんだよ!」
『……それならここに座れ』
「……わかった」
“水鏡に映る”神の隣を示されてそこに座る。
『何があった?』
『禍神が来る。多分、村の神を堕としたやつじゃ』
カーリンが絶句する。
『ここに来るのは3日後じゃ。村人を連れて逃げてくれんか?』
静かに“水鏡に映る”神が言った。




